大阪市西淀川区の古民家ゲストハウス&カフェ

環境や公害が学べるゲストハウスにしたい! でも、公害を学ぶ意味って?(FAAVOレポート)

2017.10.09

「大阪にも公害があったなんて知らなかった」と言われることも

私たちあおぞら財団が今回起案している「姫里ゲストハウスいこね」は、環境や公害について学べる場の一つにしたいと思っています。

あおぞら財団は、当財団は、公害患者が勝利した西淀川公害裁判の和解金の一部を使って、「手渡したいのは青い空」を願って1996年にたちあげられました。

「大阪にも公害があったなんて知らなかった」と、私たちあおぞら財団の説明をした後に、言われることがあります。

大阪市に住んでいる人からも「西淀川区で大気汚染訴訟があったなんて、初めて聞いた」と言われることもあります。

市民が環境を改善しようと試みた経験を未来にいかしたい

西淀川は大気汚染の被害が激しく、かつてはぜん息などの呼吸器の健康被害が問題になった地域です。

公害患者たちは、健康被害の対策を求めるだけではなく、公害の発生源となった工場および自動車の対策を進めるために、公害反対運動を続けてきました。

裁判は21年にもわたる困難なものでした。

裁判は原告である公害患者が勝利し、工場と国(国土交通省)とは地域再生が合意され、まちづくりに取り組んでいます。

 

福島原発事故の後、「公害の経験から学ぶ」ことが着目されるようになりました。

西淀川区は大気汚染をはじめとする公害を住民が中心になって改善を試みた街です。

西淀川で公害から学ぶことは、過去のことを学ぶだけではなく、二度と被害を出さないためにはどうしたらよいのか? 未来の自分たちの環境を守るために市民として何ができるのか?といったことを学ぶことにつながるのではいかと思っています。

▲語り部の方からお話をきいています 

 ▲参加型の教材で研修を行っています

ゲストハウスを、じっくりと公害教育を学べる場に

あおぞら財団では、日本国内の学生をはじめ、環境省といった官公庁、中国のNGOなど多岐にわたった方々に研修を受けてもらっているのですが、宿泊場所については課題になっていました。

西淀川区内に宿泊場所がないので、宿泊を伴う研修であっても、隣接する大阪市北区や尼崎市内などに泊まってもらっていました。

西淀川区内に宿泊してもらうことができれば、西淀川でおいしい夜ご飯を食べる・呑む! 西淀川で銭湯に入る! ドブ川から緑いっぱいの道に生まれ変わった大野川緑陰道路の早朝散歩! といった今の西淀川をじっくりと味わってもらうことができるのではないかと思っています。

 

姫里ゲストハウスいこねを公害・環境を深く学ぶことができる拠点にしたいと思っています。まだまだ実現できていないアイディアもたくさんありますが、新しいアイディアなどがありましたらぜひ教えていただけたらと思います。よろしくお願いします!

▲大野川緑陰道路での研修の様子 

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