トップへ戻る

トップページ>教材の原点/研究会の紹介

 

■ フードマイレージ買物ゲームの原点

わかりにくい道路問題をわかりやすく考える場を作ろうと、あおぞら財団が主催している市民向け講座「道路環境市民塾」があります。2003年8月23日「自分と自動車とのつきあい方を考える」講座の中で,初めて「フード・マイレージ」学習の「買物ゲーム」を実施しました。
「買物ゲーム」は,「今夜の夕食から明日の環境を考える」という観点から,「交通(自動車の普及)がくらしを便利で豊かにしてきていること,そのかわり環境負荷が大きくなっていることに気づく」ことをねらいに,昔と現在の比較を行うというもので,本教材の原点というべき内容でした。
具体的には,1960年と2003年の8月の大阪市を舞台に,参加者をグループに分け,1960年グループは商店街(対面式の小売店)から食材を購入(予算は800円,交通手段は徒歩を想定,季節はずれの食材は購入不可),2003年グループは,スーパーマーケットから食材を購入(予算は1200円,交通手段は自動車を想定,季節感は喪失し,全ての食材を購入可能)することにしました。
この「買物ゲーム」は,大阪大学大学院工学研究科助手の松村暢彦氏(現:准教授)が,フードマイレージについて博士課程で研究していた一橋大学大学院生の根本志保子さん(現:日本大学講師)の助言を受けながら創り上げました。特に,大阪市の卸売市場で扱われていた食材と生産地のデータを丹念に調べ上げ,それぞれの年代における食材の輸送に伴う環境負荷をCO2排出量で換算し,比較可能とした点等に独自性がありました。
さて,当日の「買物ゲーム」では東京から根本さんも来られ,大阪市福島区野田の「神橋商店街」内の市場での対面売買(値下げ交渉を楽しむ)やスーパーで実際に食材を購入する等,あえてリアルさを追求した内容でした。
その後,市民講座や学校における実践施行を繰り返す中で,「食材カード」を用いた現在の形に発展したのです。

■ フードマイレージ教材化研究会

2005年6月、あおぞら財団が実施する公害環境教育について考える「西淀川公害に関する学習プログラム作成研究会」にて、道路環境市民塾で実施した買物ゲームを教材にしたいという声が高まりました。それがきっかけとなって、食と交通の関係がわかる「フードマイレージ」の教材をつくりたいという現場の先生や大学の研究者、NPO職員などがあつまり「フードマイレージ教材化研究会を結成しました。
プログラムの開発に携わった研究会メンバーは下記の通りです。

岡本真澄(大阪府立清水谷高等学校教諭)
辻幸二郎(大阪府立西淀川高等学校教諭)
中塚華奈(NPO法人 食と農の研究所)
中西泰代(大阪市立八幡屋小学校教諭)
原田智代(せいわエコ・サポーターズクラブ)
藤井久美子(橿原市立大成中学校教諭)
松井克行(大阪府立三島高等学校教諭)
松村暢彦(大阪大学大学院准教授)
小平智子(あおぞら財団・事務局)
林美帆(あおぞら財団・事務局)
藤江徹(あおぞら財団・事務局)

<お問い合わせ/教材貸し出し | 実施した学校・イベント