PM2.5と大気汚染についてお話しました 豊中アジェンダ21

2013年6月13日13:30-15:30
豊中市立環境交流センターにて
企業における環境対応推進人材養成事業の講座を行ってきました。
PM2.5と大気汚染についてです。

PM2.5がどの様なものか、
環境基準は何であるのか、
いつから問題になっていたのか
(実は、西淀川公害裁判の和解(1998)で問題になっているのです)
中国の大気汚染問題はどうなっているのか
などをお話しました。
みんなで、大阪府の速報や、中国のアメリカ大使館が測定している数値(ツイッターでわかります)
をみて、現状と、対策について考えました。
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みんなで考えた結果はこちらです。
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いろいろと考えてもらえました。
大気汚染の対策で大切なのは、データの公表と環境基準だと思います。
大気汚染への関心が高まっている今だからこそ、多くの事を伝えていきたいと思います。(林)

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都市型インタープリテーション講座 ①

都市型インタープリテーション講座
2013年5月25日~26日

講師:西村仁志先生、村上紗央理先生
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この講座のねらいです。
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■第1日目
25日は、室内で自己紹介をした後、あおぞら財団のすぐ横にある大野川緑陰道路で
「感性の準備体操」、「葉っぱの自己紹介」を行いました。
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普段通行だけしている大野川緑陰道路にタイサンボクがあったとは!
そして花が咲いていることに初めて気がつきました。
何気ない日常に隠されていることが多いことに改めて気がついた瞬間でした。
その後、自己紹介シートを使った深く知り合うワークを行いました。
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自己紹介シート項目は以下の通りです。
1. 自己紹介
2. 受講の動機
3. 「インタープリテーション」って何
4. 講座への期待
5. 自分への期待
6. 一緒に学ぶ仲間への期待

お互いが仲良くなった上で、講義が始まりました。
講義「体験から学ぶ」
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座学の次は、プログラム実演・体験です。
歌島橋交差点で「情報提供型」「やりとり型」をあおぞら財団の林が実践しました。
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今はやりのPM2.5のことをボードを使いながら説明します。
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大野川緑陰道路の昔の写真など、道具を使いながら、説明だけにならない様に、やり取りをしながら場所を体感してもらいました。
その後、大野川緑陰道路で「森の擬音まつり」(作業型)
「ザラザラ」でイメージするもの
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「ピカピカ」でイメージするもの
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みんないろんなものを探してきますよね。
その後、「デジカメおさんぽ」(参加者主体型)(村上)で、みんなに紹介したい1枚を撮影しました。
たとえばこんな写真です。
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素敵な写真が集まりました。
こうやってしっかりと緑陰道を見ることで、新しい発見がいっぱいありました。

講義「インタープリテーションとは」(西村)
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個人ワーク「(都市型)インタープリターの私をイメージする」(村上)
用紙に記入して発表しました。
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用紙の内容は、下記の通りです。
自分が「(都市型)インタープリター」として活躍している様子をイメージしてみよう。
1. どんなテーマで
2. どんな場所(フィールド)で
3. どういう立場で
4. どんな対象に
5. どんな手法、方法を使って
6. それまでに経験しておきたいこと、学習しておきたいこと

最後に振り返りシートに記入をして、みんなで「都市型インタープリター」って何?について議論をしました。

■第2日目
コミュニケーション実習で「流れ星」を実施しました。
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おんなじ言葉を聞いて描いたはずが、全然違う絵ができました。
コミュニケーションは難しいですね。

それから、2チームに分かれて、既成のプログラムの実演実習をしました。
「生きもの好き嫌い」と「森の句会」です。
「生きもの好き嫌い」は模造紙を使って、参加者に好きか嫌いかの理由をポストイットに記入してもらって模造紙に張りました。
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意見はいろいろですね。
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「森の句会」は大野川緑陰道路に飛び出しました。
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みんな真剣です。
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発表も楽しそう。段ボールと筆ペンを用意すれば、気分が盛り上がります。お勧めです。

お昼から、講義「いろいろなインタープリテーション」
を聴いた後、フィールド(素材探し)調査をし、素材探しの報告をしました。
今度は、自分で地域を解説するプログラムを考えなければなりません。
次回までの宿題です。
どういったプログラムができるか、とても楽しみです。

2013年度地球環境基金の助成金で運営しています。
(林)

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あおぞらイコバ佃でみせPart2 2013年5月27日

2013年5月27日 18:30-20:30
佃会館で、箱ずしを食べるイベントを開催しました。
参加者24人です。
昔、田蓑神社の夏祭りで、地域の人がつくって、販売していたそうです。
佃の夏の風物詩なのだそう。
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お昼すぎから、箱寿司の制作を行いました。
材料はトンボ節です。又の名は「生節」です。
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血合と皮と骨をとって、ほぐします。
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醤油とみりんとお砂糖とお酒で煮ます。醤油を1とすると、みりんはちょっと多め。お酒は半分ぐらい。お酒を入れると生臭さが抜けます。
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しっかり色がつくまで、ぐつぐつ煮ます。
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寿司めしを作って

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箱に詰めます。(寿司めし→青しそ→寿司めし→トンボ節)
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押します。

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できあがり。
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甘くて、しっかり味がしておいしかったです。ちょっと力任せに押してしまったので、御飯が固くなってしまいましたが。
地域のお母さんたち(平岡さん、岡田さん)に教えていただきながら、龍谷大学生の大塚さんと清水先生と一緒に作りました。
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清水万由子先生から、箱ずしの作った過程の説明があったあと、
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大学生の大塚さんから、佃の街の印象をまとめたパワーポイントでの報告がありました。
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水防扉などが、目についたようで、それについて質問すると、水防団の櫻井さんが答えてくれるなど、
地域の人から、いろんな話を聞く事ができました。

ここで聞いた情報などは、冊子やホームページでまとめていきたいと思います。
これまでの取り組みは、おもろいわ西淀川をご覧ください。(林)

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資料館だより44号(2013年5月号)を発行しました。

 資料館だより44号を発行しました。エコミューズやあおぞら財団に配架しています。

 PDF版はこちらからダウンロードできます。

資料館だよりNo.44(2013年5月号)
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PDF版ダウンロード(1,220KB)

→資料館だより・バックナンバーはこちら

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5/19『西淀川公害の40年』お披露目会

2013年5月19日 11:00-13:00
西淀川公害患者と読む『西淀川公害の40年』があおぞらビル3階にて開催されました。
参加者は38名です。


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執筆者の5人の先生に本の内容を解説してもらいました。

一部をご紹介します。

除本理史先生 編者・第1章 公害反対運動から「環境再生のまちづくり」へ
――大阪・西淀川からうまれた現代都市政策の理念
○本書編集の意図: 単に歴史を振り返るのではなく、幅ひろい読者にたいし、「将来に向けたメッセージ」をしめす。当事者(公害患者、支援者など)でない人々にとっての意義を語る。
→第II部で、行政や被告企業の関係者の証言も収録(公害訴訟和解後のパートナーシップの取り組みがあったからこそ)
→医療(第2章)、教育(第3章)、消費者(第5章)など多分野の人々と協働
○西淀川における「環境再生」の取り組みの重要性: 最先端の都市政策上の課題を、非常に早い時期から提示してきた
→第5章で西淀川の先駆的取り組みの経緯を
○「環境再生」以前から、取り組まれてきた「まちづくり」の意義: 患者自身の救済のとどまらない「公共性」
→第1章(1977~78年の工業専用地域指定反対運動)
→第4章(1985年~、フェニックス計画反対運動)
○東日本大震災の被災地に向けてのメッセージ

尾崎寛直先生 第2章 地域医療から捉える西淀川公害
――「医療の社会化」運動から公害問題へ
○本章で明らかにしようとしたこと
1950年代後半~60年代,西淀川の公害が深刻になったにもかかわらず,公害問題の解決に向けて行動する住民組織は必ずしも十分に育っていなかった。この課題に本格的に立ち向かう運動は,救済法(1969年)制定に前後して表舞台に登場してきた公害患者らによって担われた。
ただし,西淀川の特殊な「もらい公害」の状況下で,住民が被害を「可視化」して告発することは,医療者の協力なしには難しかったといえる。
なぜ,地元の医療者が医師会をあげて公害問題に対処しようとしたのか。その背景には,一般大衆に医療を普及させる「医療の社会化」運動の伝統や,大阪・西淀川を中心に発展した住民の自主的な助け合い組織の活動の蓄積が,地域医療のあり方を規定づけたと考えられる。
○西淀川の先駆性
・労働組合と医療者の連携による「労働者の病院」=西淀病院 の設立(1947年)
>>全国にこうした病院が展開
・全国初の住民自らが健康を守る自助組織=「柏花健康を守る会」 の結成(1949年)
>>以後,生健会が多数結成。さらにこの組織を母体にした診療所・病院の設立
・地元医師会が率先して大気汚染健康調査に取り組み,被害者救済に尽力
>>患者の掘りおこしが進み,強力な患者団体ができて全国の運動を引っ張る
○西淀川の経験の普遍性
・患者の生活と密着した医療の重要性 (←→専門分化した臨床医学「臓器を見て人を見ず」)
・「お任せ」主義ではなく,住民自身が地域医療の「当事者」として参加することの重要性

林 美帆 第3章 西淀川の公害教育
――都市型複合大気汚染と公害認識
○本章で明らかにしようとしたこと
・西淀川の公害教育の実態  教職員組合以外の活動内容を明らかにする。
→地域で公害反対運動に取り組むことが出来た背景
○西淀川の特徴
・公害を自覚しない児童・生徒、公害に気が付く教師
①現場の教員の努力によって西淀川区の全小学校での疫学調査を実施
②教育委員会による公害対策研究指定校の実践で、公害教育の実践を積み上げる。
しかし、道路公害の資料が手に入らず、公害の授業の組み立てに悩む。
③西淀川公害は工業の問題としてではなく、都市問題(まちづくり)の一つとして教育に取り上げられる。
・全国的な公害教育との違い
教職員組合と教育委員会の対立はなく、教育委員会の活動を引き継ぐ形で公害教育を継続
・あおぞら財団の公害教育
教職員組合やほかの教員と連携して実践している。
また、公害スタディツアーを通じて、被告企業と共同する可能性を示した。
→西淀川の公害教育は、公害反対運動を支援する街の雰囲気を形成するために大きな役割を果たしたのではないだろうか。

松岡弘之先生 第4章 臨海部開発と地域社会
――フェニックス事業をめぐって
4章の課題:フェニックス事業に対する反対運動で患者会の果たした役割について
・廃棄物沖合埋め立て処分事業…1985/3フェニックス計画公表~1992中島1丁目に搬出基地設置
・争点:廃棄物処分の広域行政化・事業の趣旨(土地造成?廃棄物処理?)・複合的な環境破壊・事業への住民参加のあり方
・患者会は問題を地域全体の課題と位置づけ、「区民ぐるみ」の反対運動の中核を担う
→1985/7/25 整備センターとの「覚書」 8/9 中島基地設置反対西淀川連絡会
but監視料提供という地元対策→反対運動の押さえ込み
・患者会のネットワークづくりと、廃棄物問題に対する市民の関心高まり
→「環境再生のまちづくり」へ

入江智恵子先生 第5章 大気汚染公害反対運動と消費者運動の合流
――「環境再生のまちづくり」を支える運動ネットワークの形成

○本章で明らかにしようとしたこと
・公害反対運動「冬の時代」の中で、西淀川患者会がどのように支援者・協力者を開拓して運動を展開していったのか。
→「西淀川公害裁判早期結審・勝利判決をめざす3・18府民大集会」(1988年)を画期として、他の社会運動団体との関係づくりを積極的に行っていった時期を分析
・西淀川裁判の支援を目的に作られた3つの重層的なネットワークが、西淀川患者会の運動が大きく広がっていく土台となった。
「西淀川公害裁判支援区民連絡会」
「大気汚染公害をなくし、被害者の早期・完全救済をめざす大阪府民連絡会」
「地球環境と大気汚染公害を考える全国市民会議:CASA」
○西淀川の特徴(先駆性)
・「全大阪消費者団体連絡会」などの消費者運動団体と協働しCASAを結成したことは、日本の環境運動史上、大きな意義がある。
①地球環境問題と地域の公害問題との結合
1992年、「環境と開発に関する国連会議」(地球サミット)でのアピール
②公害患者と(消費者運動に関わる)市民との協働
NO2簡易測定運動 ~1991年、第一次訴訟第一審判決日「なのはな行動」

患者さんとの質疑応答ののち、5階の西淀川・公害と環境資料館と資料庫を閲覧してもらいました。
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『西淀川公害の40年』で使用した資料を展示ました。
資料を整理してきたからこそ、本を書いてもらえたことを自覚してもらえたようです。
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資料館の棚に並べられている、患者さんの証言ビデオには懐かしい顔があるので、

みんなで「懐かしいなぁ」と言いながら、棚の前でワーワー言ってました。

最後には、みんなで楽しく懇親会を開催しました。
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患者さんに本の内容を理解してもらい、「これからもがんばる!」って元気になってもらえました。
とても、楽しいひと時でした。先生方ありがとうございました。
(林)

本の購入はこちらです。

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JICA研修 モザンビーク 「工業地帯における環境問題の歴史と取り組み」

2013年4月22日(月)にJICAを通じてモザンビークの中央政府と州政府職員、14名の研修を実施しました。研修内容は標記のとおり「工業地帯における環境問題の歴史と取り組み」です。

報告内容
1.「日本の大気汚染公害の歴史 あおぞら財団活動紹介」
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林美帆(あおぞら財団研究員)

2.「約束 きれいな空気と青い空を子どもたちに手渡すため
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森脇君雄(公害患者会会長・あおぞら財団名誉理事長) 永野千代子(公害患者会副会長)

■質疑・応答
0-1
・私たちは日本政府の支援を得て経済発展のプロジェクトを実施しています。自分たちの国の発展をさせていきたいが、経済発展の被害者の部分も知っておかなければならないと思いここに来ました。私たちモザンビークだけではなく、南半球の多くの国が感じていることで「先進国から環境対策を求められるが、(本音のところは)途上国には発展してほしくないのではないか」というのが今までの印象でした。今日のように貴重な体験を伝えていただけると、自分たちが気をつけなければならないことを初めて実感しました。なにも考えないで経済発展だけを求めると、どんな問題があるのかが分かりました。
日本に来て、トンネルも見たし何層にも重なっている道路も見ました。自分たちも日本の国のようにしたいと思いますが、継続できる安全な発展をするためにはどのような問題があるかを教えていただいて、貴重な体験でした。
今日の経験を行政内部や国に伝えることは難しくはないのですが、一般の市民にもう少し環境について考えてもらうことが今後の大きな課題です。それは環境だけではなくて社会全体の問題でもあります。モザンビークが現在抱えている最大の問題は食糧の問題です。

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・モザンビークの環境省の経験では「一つの事業で、この地域では条件が良くないので、違う場所へ移動させようとすると、あなた達は国の経済発展に反対なのか」と言われ、また反対に「ある調査結果でプロジェクトを進めても良いと判断すると、環境省は何もしないで許可だけ出している」といわれて、何を言っても叩かれる状況もあります。

・お話に出た「エコドライブ」に興味があります。もうすこし詳しく話してください。
林  1.ゆっくりアクセルを操作し、ゆっくり止まってゆっくり発進する。2.いらないものを車に積まない。3.冷房と暖房を弱めの設定をする。4.法定速度を守る。などを気をつけて運転することです。
あおぞら財団のエコドライブの取り組みはコチラ

・日本の場合は環境基準があり、その数値のモニタリングは国がしていると思いますが、あおぞら財団でもしているのですか、さらに他の地域でもその様にしているのか?
林  国のモニタリングのデーターを私達も活用していますが、5年に一回患者会では二酸化窒素の「カプセル測定」を全国で行い、国のデータとつき合わしています。
森脇 大阪で言えば大阪全体を一辺1キロメートルのメッシュを設定して測定し、国のデーターと付き合わせることもしています。自分の家の前にカプセルをつける人もあり、環境教育の側面もあります。調べるための薬剤や濃度を比べる用紙があれば簡単に測定できます。

・あおぞら財団のとりくみは全国でのことですか、それとも地方限定ですか?
林  他の地域の問題として三重県の四日市、岡山県の水島の裁判資料の整理を行っており、尼崎と名古屋と水島にはあおぞら財団と同じような財団があります。

・国との間の交渉はどのぐらい出来ていますか
森脇 国交省とは年に一回です。そのための予備的な話し合いは度々しています。環境省とは何かあるごとに、話し合いが出来ています。
1
本日はありがとうございました。人生の大先輩としても教えを頂くことができましたと感想がありました

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『公害~みんなで力を合わせて~ -大阪・西淀川地域の記録と証言-』のページを作成しました。

 あおぞら財団では、「公害~みんなで力を合わせて~ -大阪・西淀川地域の記録と証言-」のページを作成し、公開を開始しました(未来共生イノベーター育成のための「西淀川公害を活用した多文化共生プログラム」作成業務)。

エコミューズに展示しているパネルがホームページで見れるようになったわけです。
これを期に、西淀川公害と住民運動の事が広く伝わればと願っています。

トップページなどにある、この黄色いバナーをクリックしてページをご覧下さい。
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淀協新人研修の受け入れを実施しました

2013年4月3日(水)に(財)淀川勤労者厚生協会(淀協)の新人研修のフィールドワークを実施しました。

4月から淀協の職員として採用された新人の皆さん19人と「西淀川とは」を体験し、淀協下の各院所を見学する内容です。

研修コース のざと診療所→ファミリークリニックなごみ→在宅福祉総合センターみてじま→千北診療所→出来島小学校・出来島交差点→中島工業団地→外島保養院跡→淀川土手→公害医療センター→姫島診療所→大野川緑陰道路→のざと診療所 以下、3日の内容を報告します。

■のざと診療所でフィールドワークの説明、西淀川区の概要説明

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■ファミリークリニックなごみ

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淀協の中での最も新しい診療所で「地域の人々が“なごめる”場所をめざすクリニック」の現状が紹介されました。在宅診療が「のざと診療所」についで多く、地域の医療機関からの在宅診療の研修場所にもなっているとの話がありました。

■在宅福祉総合センターみてじま

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西淀病院の発祥の地であり、淀川准看護学院もここにありました。今の淀協の看護師さんはここの出身者が多いそうです。建物内部も見学することができました。

■千北診療所

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1969年千北病院として出発し、大気汚染の激甚な時期には患者さんの命を支える医療の最前線を担っていました。かつてはこの病院で区医師会が公害患者の検査センターに使っていた時期もあったと紹介がありました。ゆとりのある施設を活用しディケアーの活動もすすめているそうです。

■出来島小学校・国道43号線出来島交差点

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出来島小学校には大気を監視する測定局があります。また、43号線の沿道には西淀川大気汚染裁判の国交省との和解で、汚染を軽減するための対策がなされています。その1つである学校の塀や防音壁に酸化チタンを塗布して、二酸化窒素を分解したり活性炭素を活用し汚染を除去するプランターが設置されています。

■中島工業団地・外島保養院跡石碑

中島工業団地の概要をバスから見学しました。この工業団地は公害対策として、煙を排出しない工場が集められたこと、現在はここから産業廃棄物の大阪湾埋立地への積み出し場所になっています。 小さな石碑だけが残された場所が、ハンセン病の外島保養院のあった場所です。住民の生活から隔離されたこの場所が「外島の地」であったとの説明がありました。

■淀川土手

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淀川の水面と福の家屋が並んでいる場所を両方見通せるこの地は、海抜ゼロメートル以下での街並みを実感できる場所です。地震による津波が大阪湾を襲った場合の被害を、参加者は考えました。 天気が良く暖かい日差しを満喫しながら、キラキラと輝く水面を楽しみながら土手でお弁当を食べました。「公害に苦しむ街から、自然を見事に回復しつつある街」を実感できる場所でした。

■西淀川区医師会立公害医療センター 以前は千北病院内に設立されていたセンターがこちらに移転しています。公的医療機関が無い西淀川では患者さんの公害病の「認定」検診をここで実施していました。現在も患者さんの認定検査を行っています。

■姫島診療所

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1950年6月沓脱タケ子医師によって設立され、ジエーン台風時の「たらいに乗っての診療活動」は長く語り継がれています。内科・小児科・整形外科・禁煙外来・物療・リハビリテーション・往診が可能な診療所で、介護老人保健施設「よどの里」が同じ敷地内に併設されています。他の淀協の診療所でも同じですが、「当診療所は『無料低額診療事業』の認定施設です。医療費等でお困りの方は、是非ご相談ください」と呼びかけています。待合スペースでは、定期的に名画が鑑賞できる映画会も実施し「患者は勿論、健康な人とも地域に開かれた医療施設をめざしている」と事務長さんは説明されていました。

■大野川緑陰道路

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江戸時代の農民が、自ら資金を出し合い、現在の東淀川区淡路から大阪湾までの距離をわずか50日で掘りぬいた農業用排水路です。どぶ川になっていた経過があり、埋め立てて空港へつなぐ高速道路の計画が持ち上がった時に「これ以上の排気ガス道路はいらない、緑の生活空間へ」と住民が立ち上がり、計画を変更させて緑あふれる区民のすばらしい憩いの場となっています。大阪市の設立した「中島大水道」石碑の場所で、そのような説明がありました。

■のざと診療所(公害患者さんのお話)

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西淀川公害患者と家族の会から森脇会長と認定患者の和田さんからお話を聞きました。森脇さんは、患者会の前は淀協の職員で千北病院をつくるために大和田で300世帯に呼びかけて病院設立の基金を募った経験を話されました。西淀川公害訴訟で医療関係者の献身的な努力なしには裁判の勝利は無かった、40年の私達の運動がきれいな空を取り戻したのだということを知ってほしい、なによりも住民を大切にする医療であってほしいと話されました。

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和田さんは、「以前の柏花地域での淀川の水はきれいで葦がしげり、シジミが美味しかった時期がありましたが、近くに病院がありませんでした。柏花診療所は公害患者の私たちと病院職員も一緒になって、お金も集め、力を併せて作り上げた病院です。昭和45年の後半あたりで、大気汚染によるぜん息患者になり3級の認定患者になりました。ぜん息発作がでると息ができなくて苦しく、横になって寝ることができません。布団を積み上げてその上にうつぶしになって寝る時期が長くありました。勝つか負けるかわからない裁判の原告になって、いろいろな経験をしてきました。当時点滴を受けながらビラくばりをしたり、訴えをしている患者さんも多く居ました。空はだいぶきれいになってきましたが、いまでもぜん息の子どもさんが増えていると聞いています。苦しむ小さい子どもを増やしたらあかんと思いますので、皆さんよろしくお願いします」と淀協の新人さんに訴えられました。

■ ワークショップ

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フィールドワークの感想の共有 四つの班に分かれて「本日の発見」と「西淀川の好きになったところ」を各自がポストイットに書き出し、模造紙に貼り付けて整理をするワークショップを行いました。

各班からは 交通の便がいい 駅近い スーパーが多くて暮らしやすそう 緑陰道路は桜がきれいで楽しそう 足ツボが印象的 淀川は景色がきれい うなぎや魚が多くいる 夜景が見たい 診療所は建物がきれい 「茶がも」(ほしはじろ)が印象的 診療所の患者さんも明るそう

ハンセン病の施設跡が印象的 歴史を大切の残している 西淀川区は「島」の地名が多い 海岸がきれいだった 診療所の方は親切で熱い人が多い 地域の歴史を学ぶことは患者さんの背景を知ること 地域の人を大切にしている 散歩がしやすそうな土地である 東西交通は発達しているが南北の交通がない

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緑陰道路は区民に愛されている ハトが多くて癒された 診療所が様々なイベントを行っている トラックの青いマークを始めて知った 大気汚染の測定局が多い 工場の近くに住宅が多い 緑陰道路の昔と今の違いが判った

などの新しい発見がありました。「今日の最初は西淀川について話すことができない人がほとんどでしたが、一日を終えた今は話せることがたくさんできました。西淀川の住民の背景に思いをめぐらす淀協の職員になって下さい。」とのまとめがありました。(天野)

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ミャンマーの留学生が来てくれました

2013年4月4日
神戸大学の国際協力研究科から、ミャンマーの留学生が公害について学習する為にエコミューズに来てくれました。
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同じ研究室のメンバーが通訳として一緒に来てくれました。
質問は、英語。
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通訳がないと、なかなか対応ができないのですが、
日本語でも伝えるのが難しいことを、理路整然と伝えなければならないと緊張します。
留学生のナンさんはミャンマー外務省の職員です。
日本で得たことを、国に帰ってすぐ生かそうと一生懸命でした。
公害を予防する為にはどうすればいいか?
日本の経験が役に立てばいいなぁと願っています。

ちなみに、あおぞら財団の発行物で外国語にしているものが、これだけあります。
http://aozora.or.jp/katsudou/tsunagaru/syuppan
ぜひ、ご活用くださいね。

最後に、みんなでタンデム自転車を楽しみました。
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みなさん、またあおぞら財団に来て下さいね。(林)

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『西淀川公害の40年』 刊行しました

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西淀川公害の40年
維持可能な環境都市をめざして

出版社: ミネルヴァ書房 (2013/3/15)
発売日: 2013/3/15
定価:3500円+税
(カバー写真は西淀川公害のシンボルであった合同製鉄の高炉)

あおぞら財団からお買い求めいただけると、なんと税抜き価格で提供いたします。
活動資金になりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

メール(webmaster@aozora.or.jp)に、
『西淀川公害の40年』希望との旨と、住所・お名前・冊数を記入してお知らせ下さい。
冊子とともに、請求書と郵便振り込み用紙を同封いたします。
送料は1冊80円となります。
>こちらのフォームからもお申し込みが可能です

<内容>
2012年、「西淀川公害患者と家族の会」が結成40周年を迎えた。本書は西淀川公害を軸に、戦後大阪の公害・環境問題と住民運動の歴史的展開をたどり、取り組みの先駆的意義や教訓を明らかにすることをめざす。公害裁判の延長線上に、多くの関係との協働やパートナーシップを模索していった患者会。その経験から、新しい時代の「環境再生のまちづくり」のあり方を探る。

<推薦文>
地域再生学の第一級のケースブック
賠償のみで終わることなく、わだかまりを超えてより良い地域づくりに取り組んだ
「協働」の発想と秘訣を読み解く。大阪の工業地帯がエコで甦る感動のレポート。
小林 光(慶應義塾大学教授・前環境事務次官)

深刻な大気汚染公害にさらされた大阪市西淀川地域
被害者救済から公害撲滅、公害都市から環境再生のまちづくりへと運動が展開されてきた。
その経験を関係当事者の複眼的な視点から明らかにする注目すべき書。
淡路剛久(元早稲田大学教授・弁護士・日本環境会議理事長)

<目次>
はしがき(除本理史・林美帆)

第Ⅰ部 公害問題と地域社会――「環境再生のまちづくり」への胎動
1 公害反対運動から「環境再生のまちづくり」へ
――大阪・西淀川からうまれた現代都市政策の理念(除本理史)
2 地域医療から捉える西淀川公害――「医療の社会化」運動から公害問題へ(尾崎寛直)
3 西淀川の公害教育――都市型複合大気汚染と公害認識(林美帆)
4 臨海部開発と地域社会――フェニックス事業をめぐって(松岡弘之)
5 大気汚染公害反対運動と消費者運動の合流
――「環境再生のまちづくり」を支える運動ネットワークの形成(入江智恵子)

第Ⅱ部 西淀川公害を語る
1 公害認定患者が語るぜん息の苦しみ(岡崎久女さん)
2 西淀川公害訴訟に関する弁護士の活動(井上善雄さん)
3 被告企業からみた西淀川公害訴訟(山岸公夫さん)
4 西淀川公害に関する大阪市の取り組み(増田喬史さん・相崎元衛さん)

資料編
1 西淀川大気汚染公害訴訟の概要
2 西淀川公害関連年表

監訳者あとがき(宮本憲一・森脇君雄・小田康徳)
索 引
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私ごとを書きますと、私は1999年から西淀川公害資料の整理に携わってきました。
膨大な資料群を前にして、「一体いつ整理が終わるのか」という不安と、
「誰が活用してくれるのだろうか」という不安が常にありました。
資料整理は、まだまだ続けられていますが、
今回の本は、「誰が活用してくれるのだろうか」の答えの一つになるかと思います。
資料整理で発見した資料や、ヒアリングで集めていた素材が
先生方によって、位置づけられたのがこの本です。
福島原発や中国の大気汚染など、現在も公害は課題が山積しています。
公害は技術だけで解決するのではありません。
市民運動も大きな要素の一つです。
困難に直面した時、市民がどの様に行動すればいいかを、この本から学んでいただければ幸いです。
そして、興味を持った方は、エコミューズにぜひお越しください。おまちしております。(林美帆)

参考ページ
あおぞら財団の出版物のリスト
-[書籍]西淀川公害の40年 維持可能な環境都市をめざして
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