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知多北部公害防止対策連絡協議会の研修受入れ(12/26)

12/26(木)、知多北部公害防止対策連絡協議会のメンバー8人の方々が、西淀川大気汚染公害フィールドワークに訪れました。

西淀川公害やあおぞら財団活動紹介のあと、タンデム自転車4台でフィールドワークへと出発。大野川緑陰道路を通って、淀川河川敷までサイクリングをしました。寒い中でも体があたたまってきます。淀の大放水路、災害の碑、淀川河川敷などで停まって、解説をおこないました。

あおぞらビルに戻ってからは、西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)の見学、西淀川公害患者と家族の会の山下明さん、上田敏幸さんから大気汚染公害による被害や生活の様子を話していただきました。

・職場では公害病が理解されていたのか?
・大気汚染のせいで、目が痛くなったりしなかったか?
・患者会に入会したきっかけは?

といった質問がありました。

最後にアンケートの中からいくつかコメントを抜粋いたします。
・タンデム自転車という他ではできな経験ができ、現地を体験できたのがよかった
・環境課にいても実際の体験談をきく機会は多くないため、良い体験ができた
・裁判の資料の量から、長い争いがあったことがよく分かった
・当時、声をあげ、活動していただいたことが、今の生活につながっているのだろうと実感し、感謝の気持ちをもてた
・公害は人の人生を変えてしまうほど、恐ろしいものだと感じました。公害を担当する行政職員として、貴重な体験ができて良かったです。
・排気ガス抑制のために自転車で、かつ障がいのある方も乗れるタンデム自転車でフィールドワークをするというのがとても良い取り組みだと思いました。時間が許せば、西淀川公害に関する企業の工場や跡地を見学してみたかったです。

日頃、環境対策に取り組まれているみなさんにお役に立てていれば幸いです。

記・鎗山

エコミューズ館長日記No.12

いよいよ今日から第5章!
裁判闘争の始まり。裁判だから記録は簡単だとはいえない。

まず裁判を闘う意義とその課題が明確になっていく過程が示されなければならない。西淀川公害裁判は1978年4月に提訴され、1991年3月29日第1次訴訟について1次判決が下され、この間だけで丸々13年の年月が流れた。さらに1995年3月全面解決に向けた勝利的和解勧告の受諾をしたため、17年の年月が経過している。長い年月である。
この間、原告側当事者の中には亡くなる方があったが、その基本精神はずっと現在まで引き継がれることとなっている。

この裁判の始まりとそれを維持するために費やされた関係者の意志を記録することが、これからの課題である。残された紙数を有効に使い、上記の課題を実現するために更に力を入れていかねばならないだろう。

なお、裁判闘争になってからの章立ては4章仕立てから3章仕立てに集約することとした。詳しいことは追々述べていくが、読者の皆様の理解を便にするためのものである。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

2024年の館長日記はこれにて終了です。皆さま、お読みいただきありがとうございました。
来年は、また新たな心でこの続きに取り組み、早めに完成に持っていきたい。
応援のほど、よろしくお願いします。

 

 

2024.12.23 小田康徳

 

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
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#西淀川公害がわかる資料集

エコミューズ館長日記No.11

何から喋ろうか…。

今日は一気に第3章「公害源との闘い」の翻刻作業を完了させることが出来た。
具体的には、「1.中島水道・大野川、緑地化の実現をめざす」「2.公害被害者救済法制定の下、企業による公害に立ち向かう」「3.西淀川公害患者と家族の会の結成」「4.1975年前後の運動」である。
勘定したページ数を見ると約60ページとなっている。
第1章(工業化する西淀川区)が53ページ、第2章(公害に苦しむ学校と公害教育の展開)が30ページであったので、全部で約140ページだと計算できる。
本文が250ページを目標とすると、あと110ページ…。ああぁぁ…。
ここまで全7章仕立てで組み立てていたのだが、このままではページ数がオーバーだ。内容的には、大事な視点の発見があり、知られざる史実の解明も成し遂げてきた。
だがこれから先は、裁判・西淀川公害裁判であり、本書の白眉となるものである。今まで以上に充実させることが望まれている。
もちろん、必要なページ数は確保しなければならない。頭が痛い…。

それはさておき、今回一気に60ページの翻刻を成し遂げた結果を眺めてみると、西淀川公害裁判を担ったものとして「西淀川公害患者と家族の会」、略称「患者会」があるのだが、その活動が始まる以前の様々な活動主体の姿があったことを示すことが出来たと思う。1960年代末期からの中学校・小学校の先生方の公害教育への尽力、緑地化推進委員会の緑道建設にかけた運動など大事な活動ぶりを示すことが出来たのではなかろうか。西淀川公害反対運動というのは、そのような人たちの複合した運動であったことをつくづくと感じる。

今日は、最終的な翻刻分の追い込みにあたって、私やミナコさんの超人な(ちょっとオーバーか…)努力と工夫があった。大きな表を小さな紙面に表現するための努力がいろいろされたが、結局難しいことが判明して、Excelに表を保留することにとどまった。本人にとっても残念に思うところであろう。だがこれで内容は十分伝わるものができたと思う。
さらに機能にたけた人の手腕に期さねばならないことは、これから先も何度も出て来ることになると思う。いい勉強になった。

2024.12.18 小田康徳

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

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大阪公立大学「都市基盤計画特論」第3回(12/10)

12月10日、大阪公立大学大学院の「都市基盤計画特論」(担当:吉田長裕先生)の第2回目があおぞら財団で開催されました。

ダイヤモンドランキング「あなたの街の温暖化対策」

2回目の授業ではロールプレイを行い、公害・環境問題が発生した時に、様々な意見が異なるステイクホルダー同士の合計性の難しさを感じてもらいました。

今回は、「あなたの街の温暖化対策」というテーマで、ダイヤモンドランキングを行いました。このワークでは、それぞれの人の意見をランキングとして可視化し、温暖化対策についてグループ内で合意形成を行うというワークです。

参加者全員が、事業所のエネルギーシフトや公共交通等の9つの温暖化対策事業の中から、重要だと考えるものから順にダイヤモンド型のランキングに並べ、その後、グループ内で意見交換を行い、一つのランキングを作りました。

社会基盤を専門とする学生であるため、「適正規模のまちづくり」といったハード整備が上位に挙げられました。ダイヤモンドランキングはそれぞれの人の意見を可視化することができるので、意見が異なる場合でも、それぞれの考え方が理解しやすくなり、建設的な議論へと発展させていました。

ダイヤモンドランキングの結果

ダイヤモンドランキングの結果

西淀川区将来ビジョン2025(案)をふまえた意見交換

後半は、西淀川区役所政策共創課の西尾さんをお招きし、西淀川区の将来像や課題、区の施策について講義と意見交換を行いました。西尾さんからは、西淀川区将来ビジョン2025(案)をもとに、西淀川区の将来像や課題、区の取り組みが紹介されました。

西尾さんから西淀川区の取組みについて紹介

西尾さんから西淀川区の取組みについて紹介

その後、民間事業との共創事業や多文化共生に関する課題などについて質疑応答がなされました。また、西尾さんからは「若者が地域コミュニティに参加してもらうにはどうしたらよいのか」という質問が参加者に向けて投げかけられ、今後の西淀川への提案を検討していく中で考えてもらうことになりました。

西淀川区のまちづくりの提案に向けて

最後に、今までの講義内容をふまえて、西淀区のまちづくりの提案に向けて、具体的にどのようなテーマにするかについて話し合いました。

今後、検討を深めるテーマを何にするか話し合っています

受講生がそれぞれの興味・関心に基づいて2つのグループに分かれて、次のテーマに関して検討を行っていくことになりました。

・若者をターゲットにおいた地域コミュニティの強靭化
・水害対策と親水空間を考えた水辺のまちづくり

今後、各グループは、それぞれのテーマについて、1月末の中間発表に向けて、調査や検討を深めていく予定です。

今回の授業では、温暖化対策の優先順位を考えるダイヤモンドランキングや、西淀川区の将来像に関する意見交換を通じて、地域課題に対する理解を深めました。1月末の中間発表で、若者の地域参加や水辺のまちづくりについてどのような提案がなされるのかに楽しみです。

(谷内)


今回の授業で用いた教材

今回用いたダイヤモンドランキング「あなたの街の温暖化対策」は、「気候変動×防災×公害ハンドブック」に含まれている教材です。下記のページからダウンロードできます。

教材「気候変動×防災×公害ハンドブックー未来に手渡したい環境と社会を考える」

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入 — aozorafoundation 公開日 2024年12月12日11:37 AM

大阪公立大学「都市基盤計画特論」第2回(12/3)

12月3日、大阪公立大学大学院の「都市基盤計画特論」(担当:吉田長裕先生)の第2回目が開催されました。今回は観察力や創造力を磨くフォトランゲージ、合意形成の難しさを体験するロールプレイ、そして西淀川のまちづくりの提案に向けたアイデア出しが行われました。

フォトランゲージ:「西淀川大気汚染公害」
最初に、フォトランゲージという手法を用いたグループワークを行いました。配布された写真を観察し、写真に映る物事やその背景にある時代や意図を読み取ったうえで、グループでタイトルを考えるというワークです。

このワークは正解を求めるのではなく、観察力と創造力を磨くことを目的としています。

フォトランゲージをしている様子

写真を観察してタイトルを付けます

学生たちは、写真の細部に目を向け、物語を想像しながら、自分たちなりの解釈をもとに写真にタイトルを付けていました。こうした取り組みを通じて、それぞれの視点の違いにも気づきながら、西淀川公害に対する興味を深めました。

ロールプレイ「あなたのまちで公害が起きたら」

次に、「あなたのまちで公害が起きたら」というロールプレイ形式のワークを行いました。

この活動では、学生が「行政」「市民」「企業」「医師」といった役割を演じ、それぞれの立場から公害問題にどう対応するのかを話し合って、合意形成を図ります。ルールとして、全員が納得できるまで話し合うことや、多数決を避けること、安易な妥協をしないことが掲げられており、各立場の意見を深く理解するための時間が設けられました。

議論が進むにつれ、立場の違いからくる葛藤や、声の大きさによる影響が浮き彫りになり、合意形成がいかに難しいかを実感できる場面が多く見られました。

ロールプレイの様子。一言目の台詞だけ決まっています

振り返りでは、「企業は意見を言いやすい一方で、被害者の声が届きにくい」、「行政には調整役を期待されるが、立場の異なる人々をまとめるのは非常に難しい」、「それぞれの立場に寄り添いながらも、全体を俯瞰する視点が必要だ」といった感想が共有されました。

このような体験を通じて、現実の問題に対処する際の課題や、その解決へのアプローチを具体的に考えるきっかけが得られたようです。

西淀川のまちづくりへの提案に向けて

小休憩を挟んだ後、西淀川のまちづくりへの提案に向けたワークショップが行われました。

学生たちはまず、自分が都市基盤に関して興味のあることや、西淀川のまちへの提案テーマについて考えをまとめ、それを付箋に記入しました。似たようなアイデア同士をまとめて、グループ化していき、テーマを整理しました。

「サードプレイス」や「親水空間」、「多文化共生のまちづくり」、「公害教育」など多彩なアイデアが共有され、それぞれのテーマを具体化するためにどのような調査や検討が必要かについても活発に話し合われました。

西淀川のまちづくりへの提案づくりのアイデア出し

授業が終わった後、「グループワーク、楽しかった」と嬉しそうに感想を伝えてくれました。参加した学生は、大学生活が始まった直後にコロナ禍に直面し、これまでグループワークの経験がほとんどなかったとのことです。そのため、今日の活動が新鮮に感じられたようで、学びだけでなく、コミュニケーションを楽しむ貴重な場ともなったようです。

次回の授業では、西淀川区役所の担当者をお招きし、西淀川区の現状や地域課題について話を伺います。この学びを基にして、数回の授業を通じて具体的なまちづくり提案を作成し、1月末の中間発表を経て、3月末には西淀川区役所や患者会の方々に向けた最終発表を行う予定です。


今回の授業で用いた教材

教材はダウンロードできます。

 

(谷内)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2024年12月5日2:20 PM
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