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ブログカテゴリー » エコミューズ館長日記

エコミューズ館長日記No.29

本日は、解説文の手直しが終った。最初に全体の序言、併せて資料の解説第1章と第3章の書き直しにチャレンジした。序言の書き直しはこれで10何回か、20数回か、自分でもあきれるほど、修正を重ねている。結局、原資料をどのように編集すればいいか、それの持つ主観主義的歪みの存在を前提として、そこから歴史の真実の流れを把握する必要性を説く文章となってきた。個別の章の解説は、第1章については最初の出だしを時系列に沿うものに変更して、読みやすくした。第3章は、中島水道・大野川緑地化推進委員会、西淀川公害追放委員会及び西淀川から公害をなくす会・西淀川公害患者と家族の会の運動紹介と、その特徴の解説を中心とした。これは西淀川公害追放委員会の活動ぶりがもう一つ具体性をもって浮かびあがってこないため、全体の位置づけがなかなか確定できなかったものである。

午後1時30分から2時45分まで、大阪医科薬科大学の学生15名の方々に資料館の見学をしてもらった。若々しい声でいろいろ質問してくれた。

2025.6.16 小田康徳

 

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

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エコミューズ館長日記No.28

今回の館長日記は、のべ3日分の記録となる。

一般に日記を長続きさせる最も良い方法は、決まりごとにこだわらないで、ともかく記録を残すということで、たとえ3日間まとめても、思い出しながら記録することであると私は考えている。年をとってくると、昨日のことを思い出すのに大変な思いをすることも多いが、一生懸命考えると老化の防止にもなるような。

 

さて、5月26日。あおぞら財団職員の鎗山さんと一緒に、前あおぞら財団理事長の森脇君雄さんを区内大和田の介護施設「ヒメル」に訪ね、今度出来る資料集の前書きとして「ご挨拶」の文を依頼した。久しぶりの対面であったが、お元気そうな様子で公害患者会の活動の事などいろいろお話した。今度、元環境大臣の小泉進次郎のことを突然取り上げて、カネミ油症の裁判をもう一度しっかり取り組んでもらいたいと考えている、といったような話にまで及んだ。資料集の完成については、原稿を見せて説明をしたのであるが、大変喜んでいただいた。当方はかねて聞きたいと思っていた質問として、裁判をすることを思い立った原因は大きな責任を持つ大企業の大気汚染に対する固有の責任を明確にしたかったことですか?という問いであったが、大きくうなずいて、「そうだ」と言われて、更にいくつか補足的な説明もしてもらった。当方は、原資料を読んだだけでそう判断していたのであるが、推測が外れていなかったことを率直に喜んだ。

お昼時間になって食事の準備ができているとのことで別れたのであるが、最後に森脇さんが小生と鎗山さんが歩いてホームを出ようとするところで声をかけてくれ、握手をして別れた。

バスに乗って財団事務所に帰ったが、大きな川の上に架かる高い橋に停留所があり、そこまで行くのに息がはずんだ。雨が降ったり風が吹いたりすると、体調の悪い人はどうするんだろうと思った。町はそこで暮らす人に心地よい生活の場であることをもっと考えてもらいたいものだ。

 

次に6月2日。この日は朝からミナコさんに頼んでいろんな作業をやってもらった。第6章の資料解説のプリント、目次案と資料表のプリント、前回頼んでいた翻刻文3件の提出(23~25ページ分)。まったくうれしかった。夕方になって、目次と資料全文の照合が必要と考えたので、勤務時間もオーバーし始めていたがやることに決めて取り組んだ。残業を強いたようで申し訳ないと思った。それから、第6章の資料新規分も含めて内容を点検して配列を修正した。よく仕事をした1日だった。

 

そして今日、6月9日。前日までにまたも書き直していた全体の「序文」をみなさんに読んでもらい意見を求めたが、忙しそうでなかなか返事がなかったのでイラついた。(笑)今回の序文は、資料集の作成目的から始めて、原資料を使用することの問題点への着目の重要性、特に原資料が状況に対応しようとしてつくられるところから生まれてくる現実認識の歪みの出現などをどう対応すべきか、ということについて、全国どこの資料館でも降りかかっている問題ではないかと指摘して、それを克服する手当をどうするかということに重点を置いて、記述した。わかったことを書くというのではなくて、どうすればわかっていくことが出来るか、そのための必要な取り組みについてのテストケースになりたいのだと述べておいた。序文はこれで大きく3回の変遷を遂げている。わずか3ページの文章であるが、よくぞここまで気持ちを継続することができるものだと、我ながら驚いている。次に先週の金曜日出勤したミナコさんとコウタくんが翻刻を完了してくれていた文章を組版の形に流し込んでくれたものを受け取っていたのであるが、それが全部で337ページというすごい数字になっているので、なんとかしてこれを減らせないものかといろいろ無理を言って相談の上、当方の調査に基づく原案通り307ページに縮めることになった。これだと、本のおわりに「索引・年表」など必要な情報を掲載するギリギリのスペースが確保できる。色々と議論をした末、私の意見を通してもらった。午前中作業をやろうと思ったところ、亜細亜大学の女性の先生がおひとりでふらっとエコミューズの見学を求めてお越しになった。ちょうど資料集のことをお話ししていたときだったので、その作業の様子を説明させてもらった。

 

ここまで書いたら鎗山さんが荷物を持って、もうやめてくれと言わんばかりに現れたので忖度した。また次回お会いしたいものです。(ちょうど退勤時間でした。Byミナコ)

2025.6.9 小田康徳

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エコミューズ館長日記No.27

この頃は欧米系外国人・アジア系外国人が増えてきましたね。電車の中でも男女カップルもおるし、子供連れも同車することもしばしばです。地域活動もこのような方々との連携活動がこれからは増えていくのでしょう。

今日は、エコミューズの定例会議。本の形がほぼ整ったので、いよいよ製本を考えるようになりました。多くの人に手に取ってもらいたい、値段も安くしたい、との思いと、しっかりした本にしたいとの思いもあり、プロとしての出版社さんの指導が欲しいところです。定例会議が終ったら、引き続いて資料の勉強会。今回は小生が裁判と和解の結末を語る資料について、内容を紹介した。第一次訴訟の地裁判決から第二~四次訴訟の地裁判決における原告側優勢の判決がどのようにして実現できたのか。1981年3月29日判決の当日行った被告企業との交渉が大きな意味をもったのではないか…などいろいろと推測を重ねた。裁判資料の現物を開いて、関係資料を出席者の皆さんに見ていただいた。

昼食後、序文の記載について検討をした。まずまずのことは書かれているなぁと思ったのだが、1つだけ書き残している部分があると気づいた。それは原本資料というのは絶対的なものではなく主観的な性格も強いもので、思い違いや単純な書き間違えもあるという事実についてである。その主観性を克服するためには1点の資料を見るだけでは不十分で、他の資料と見比べてみる必要がある、ということである。2つ以上の資料において同一事物に関する記述が食い違っている場合、その出現がなにに基づいていたのかをよく考えてみる必要がある。それを考える中で、資料の表面には出てこない大事な真実があることに気づく。以上のことを書き忘れていた。これをなんとか書き込んでいきたい、と思った。ただし、すでに原稿が予定字数ぎりぎりまで使っている。どうしよう…。なかなかのことでは解決できないなぁ、と新たな悩みに頭を抱えてうちへ帰らねばならない。

夕方4時から5時までは、エレベーターの点検工事だとか。これを上手に外してあおぞら財団から今日はさよならしたい。

2025.5.19 小田康徳

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エコミューズ館長日記No.26

連休明け、2週間ぶりのあおぞら財団。午前中は出勤者が少なかったため、本全体の序文作成に費やした。この際、視野を大きくとっていこうと考え、歴史の中における公害問題の視点を強調することにした。西淀川は色々ある公害問題の中で、工場・事業所からの排煙による大気汚染などと、産業活動のインフラとしての道路・港湾・飛行場などの社会インフラの形成による様々な公害が複合して被害を及ぼすといった、「都市型複合汚染」によって苦しめられた、典型的な公害地域である。この地域の公害を裁判にかけようと努力したのは、患者会の事務局長であった森脇君雄さんである。彼の努力が公害行政の後退に反撃する大きなきっかけとなった。そうした運動を多くの被害患者さんたちが闘ったことの中に、この西淀川公害の特徴があり、日本公害問題史上注目するべき根拠があると言っていい。このような、大衆的公害反対運動の歴史を形作った人びとの活動を記録することは、身に余る光栄と改めて感じる。

てなことを考えながら、文章を作成している。今日はお客さんやら電話が相次ぎ、中々1つのことに集中できず作業は今一つ進展しなかったが、大きな課題が1つ解消しつつあることは嬉しいことと感じた。

みずしま財団の方からいただいた、「高瀬舟羊羹」。奥に見えるのは改良中の目次案です。

2025.5.12 小田康徳

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エコミューズ館長日記No.25

午後からの雨、おかげであまり暑い感じでもなく、寒いというほどのこともない。新人のアルバイト・コウタくんはあおぞらビルの構造的分析をやってくれた。我々が作業しているのは五階。六階は書庫があるだけで、五階作業室の上はすぐに屋上であるから、大気の気温が上がれば、室温も上がる。下がれば、室温もすぐに連動して下がる。自然とともにある作業室だが、せっかく外気と分断された室内の温度が外気と連繋して、すぐに上がったり下がったりする。なんとなく不都合な感じもする。以上がコウタくんの分析結果である。

校訂作業は、今日はミナコさんがお休みなので、コウタくんのだけ見せてもらったが、一章が終わり、二章も終わり、三章も途中まで進んでいることを確認。この調子だと5月中には二人合わせて、ひと通り校訂作業に目を通すことができる。思った以上のスピードで、驚いた。もちろん二人の目を通しておきたいので、もう少しかかるだろう。

小生はその間、資料の解説に力を注ぐこととする。とはいえ現状は第一章から第四章までの解説をとりあえず書き終えて、今日は第五章の解説に取組んだ。裁判記録の分量を計算して、それを紹介しておくのも意味があると思ったので、実物の冊子から計算してみたところ、1978年の第1次訴訟の提訴以来、第4次にわたる提訴で、原告数は726名、21年間にわたる長期裁判であった。被告は企業10社、および国と阪神高速道路公団……。裁判資料はこの関係者に一部ずつ配布しても、どれほどの分量になったのだろうか。一揃いで準備書面等、種々の冊子合計が266冊。1冊平均800頁として、合計21万頁という量となろう。なんという数字だ。これに目を通して中身を要約して読者に示せたら、私はきっと面白い探偵小説家になれるだろう。で、どうする。というようなことを考えて今日の作業を終えた。

266冊ある西淀川大気汚染公害裁判記録

 

2025.4.28 小田康徳

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