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外国人と共に暮らし支え合う地域社会の形成事業3 最終報告会・交流会 開催報告(2/9)

「日本都市計画家協会」の記事の転載です。
あおぞら財団では、日本都市計画家協会(JSURP)とともにJANPIA休眠預金等活用の資金分配団体として下記事業を実施しました。

記事原文は↓です。
https://jsurp.jp/kyumin2024_houkokukai_report/

 

2025年2月9日、「外国人と共に暮らし支え合う地域社会の形成事業3 最終報告会・交流会」を開催いたしました。これからの地域社会が豊かになるキーワードのひとつは多様性。外国人を含むさまざまな人が活躍し、困ったときには支え合う社会です。

JSURPはあおぞら財団と共にJANPIA休眠預金等活用の資金分配団体として、各地で外国人を支える11の実行団体を伴走支援してきました。本報告会では、相談・支援ニーズの探求に長けた団体、しくみづくりに重点を置いた団体、活動拠点に充填を置いた団体などが一同に会し、取り組みを紹介するだけでなく、ワークショップで課題を共有し、交流を深めました。各団体の皆さまのネクストステップにつながる場となったように思えます。

【実行団体】
NPO法人外国人ヘルプライン東海
NPO法人日越ともいき支援会
NPO法人外国人女性の会パルヨン
NPO法人シェア=国際保健協力市民の会
NPO法人多文化フリースクールちば
NPO法人まなびと
NPO法人Oneself
OKINAWA住みまーる
NPO法人多文化センターまんまるあかし
認定NPO法人茨城NPOセンターコモンズ
NPO法人Peace & Nature

当該事業の活動報告資料「会報誌Planners106号:外国人と共に暮らし支え合う地域社会の形成事業3報告会特集」および、報告会の様子をまとめ動画(YouTube)を公開しております。ぜひご覧ください。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,国際交流,地域づくり — aozorafoundation 公開日 2025年6月13日1:14 PM

環境省職員環境問題史現地研修2日目(5/30)

あおぞら財団での環境省職員研修2日目の報告です。(1日目の報告はこちら


【2日目 フィールドワーク、企業関係者のお話、研修のまとめ】

二日目の研修は、西淀川と尼崎の工業地帯、そして西淀川の地区の実態を、バスで移動しながら見学します。

バスツアーのスタート前に、公害資料館「エコミューズ」と公害資料書庫で過去の公害に関する資料を見ていただきました。資料を通して、再び公害歴史の重さ、アーカイブの重要性を学びました。

公害資料館を見学している様子

資料書庫を見学している様子

その後、バスに乗り国道43号線沿いへ。ここはかつて「公害道路」とも呼ばれた場所で、現在はロードプライシングの導入や大型車の通行ルート変更、制限速度の引き下げなどによって、騒音や大気汚染の軽減が図られています。現地では国土交通省近畿地方整備局の方から、これまでの取り組みを詳しく説明していただきました。

国道43号の高架下で、騒音を体感しながら、大気汚染対策の高活性炭素繊維(ACF)を確認

国交省の方がロードプライシングを紹介している様子

住宅地にあるごみ焼却場

尼崎工業地帯に張り巡らされたパイプ

バスでのフィールドワークを終えたあと、大野川緑陰道路を散策しました。
この遊歩道は、かつて工場や家庭からの排水で汚染されていた川を埋め立て、市民の「緑の道にしてほしい」という声に応えて整備されたものです。
歩きながら、地域の再生やまちづくりに込められた人々の思いと努力を肌で感じてもらいました。

大野川の歴史を紹介

その後、あおぞら財団理事、元神戸製鋼所訴訟担当の山岸公夫さんが、企業側の目線から、西淀川大気汚染公害訴訟をどう見ていたのかという話がされました。それに対して「10社の被告企業はどんな連携をとったのか」、「行政が果たすべきだった役割は?」などの質問が出されました。

被告企業の一つ神戸製鋼の元訴訟担当者の山岸さん

あっという間に研修の最後になりました。一日目の振り返りと同じように、ワークショップして、設定した課題を達成したかをチェックし、最後は「KP法」で発表していただきます。
いずれのグループも「話し合い」の重要性を強調しており、いかに公害経験を継承するか、いかに公害・環境問題の解決を「自分事」にして考えるのかについて、様々な知見の発表がありました。

ワークショップの様子

最終発表をしている様子

最後、自分が気に入るキーワードにシールで「いいね」を押して頂きました。

「いいね」を押している様子

「対話と本音」

「一家総出抱きしめ作戦」

印象的だったのは、「対話と本音」。また、「一家総出抱きしめ作戦(環境省だけでなく、他省庁も巻き込んで動こう)」といったユニークで深いキーワードが出てきました。

公害問題は、日本の環境行政の原点。今回の研修で得た学びや気づきを、ぜひ皆さん自身の仕事の中で生かしていただきたいと思います。

(記・あおぞら財団アルバイト 王子常)

環境省職員環境問題史現地研修1日目(5/29)

あおぞら財団では、毎年、環境省職員の「環境問題史現地研修」の受け入れをしています。

今年も昨年同様、1週間前にオンラインで事前学習会を開催し西淀川公害について学んでいただいた後、5月29日〜30日に西淀川での現地研修を実施しました。

今年の参加者は引率者1名を含む計31名。研修は5〜6人のグループ単位で行い、研修で学んだ内容をもとにグループ内にディスカッションしてから、全員に発表するというかたちで進んでいきます。

【1日目 ワークショップおよび多様な関係者からのお話】

一日目(5/29)の午前11:30に、あおぞら財団が所在しているあおぞらビルの3階会議室に集合しました。オリエンテーションとして、プログラム概要説明と自己紹介などを行いました。

自己紹介では、あおぞら財団理事・高田研先生が「KP法(紙芝居プレゼンテーション法)」を紹介しました。紙にコンパクトなキーワードを書き、プレゼンテーションをするという方法です。研修最後の振り返りも「KP法」で発表してもらうため、早速、自己紹介から実践しました。

あおぞら財団事務局長・藤江が研修趣旨を紹介

「KP法」を紹介しながら、自己紹介している高田先生

その後、昔の西淀川の大気汚染に関する写真に基づいて、フォトランゲージがされました。フォトランゲージとは写真を言語化するワークで、各自が昔の大気汚染の実情を想像しながら、グループごとに写真にタイトルを付けます。

写真は何を映しているかとの議論が盛り上がった

フォトランゲージを通して、参加者の皆さんは西淀川公害に対する理解を少し深まったようです。

さらに理解を深めるために、当事者になりきるロールプレイ「あなたの街で公害が起きたら」を実施。

「公害が起きた町」を想定し、市役所職員、公害患者の親、医者、企業関係者など、それぞれの立場を演じました。

「患者さんに寄り添った対応が難しい」「多様な立場の声をもっと聞くべき」といった意見も出され、利害関係の異なる立場の合意形成がいかに難しいかを実感したようです。

多様な立場の方々の合意形成の難しさをお芝居を通して理解する

午後からは、西淀川公害を実際に経験した公害患者の須恵さんの話を聞きました。須恵さんは、辛い公害経験を次世代に伝承する「語り部」の1人として積極的に活動しています。西淀川公害患者と家族の会の事務局長・上田敏幸さんも同席して、当時の公害患者が置かれた厳しい状況を語ってくれました。

参加者からは、「当時、周囲の人は患者をどう見ていたのか」「苦しい生活の中で支えになったものは何か」「これから地方自治体にどんな期待をしているか」といった質問が寄せられ、活発な対話が行われました。

西淀川公害患者の会の須恵さん(左)と上田さん(右)

休憩時間には、あおぞら財団理事である龍谷大政策学部の清水万由子教授のゼミ生が制作した、須恵さんへのインタビュー動画が上映されました。動画の中では、須恵さんの民謡も披露されています。

次は、西淀川大気汚染訴訟弁護団の一員であり、あおぞら財団理事長・村松昭夫先生からの話でした。被告企業の選定、公害と病気の因果関係の立証、共同不法行為の証明など、訴訟における苦労をお話しいただきました。

弁護士視点から公害訴訟を語って村松先生

1日の最後に、グループに分かれて今日の学びを振り返りました。模造紙の真ん中にとテーマを書き、そこから放射状にキーワードやイメージを描きこんでいく「マインドマップ」方式を用いて、各自の「今日の学び・印象に残っていること」、「もう少し深めたいこと」を整理しました。その中で出てきた意見を「KP法」にまとめて発表していただきました。

1日目の振り返りでは、参加者からさまざまな気づきや学びの声があがりました。「行政は企業と住民の間に立つ存在であること」「基準や制度の難しさと、その重要性」「現場の声を直接聴くことの大切さ」などが印象に残った学びとして挙げられました。また、深めたいこととしては「公害を『知らない』から『知っている』に変えていくにはどうすればいいのか?」「もっと公害のことを深く知りたい」といった意欲的な意見が出されました。

ワークショップで今日の学びを振り返る

「KP法」で本日の振り返りを発表している様子

最後は、あおぞら財団役員・スタッフとお茶を囲んでの茶話会で、一日を締めくくりました。

→2日目に続きます

 

(記・あおぞら財団アルバイト 王子常)

エコミューズ館長日記No.28

今回の館長日記は、のべ3日分の記録となる。

一般に日記を長続きさせる最も良い方法は、決まりごとにこだわらないで、ともかく記録を残すということで、たとえ3日間まとめても、思い出しながら記録することであると私は考えている。年をとってくると、昨日のことを思い出すのに大変な思いをすることも多いが、一生懸命考えると老化の防止にもなるような。

 

さて、5月26日。あおぞら財団職員の鎗山さんと一緒に、前あおぞら財団理事長の森脇君雄さんを区内大和田の介護施設「ヒメル」に訪ね、今度出来る資料集の前書きとして「ご挨拶」の文を依頼した。久しぶりの対面であったが、お元気そうな様子で公害患者会の活動の事などいろいろお話した。今度、元環境大臣の小泉進次郎のことを突然取り上げて、カネミ油症の裁判をもう一度しっかり取り組んでもらいたいと考えている、といったような話にまで及んだ。資料集の完成については、原稿を見せて説明をしたのであるが、大変喜んでいただいた。当方はかねて聞きたいと思っていた質問として、裁判をすることを思い立った原因は大きな責任を持つ大企業の大気汚染に対する固有の責任を明確にしたかったことですか?という問いであったが、大きくうなずいて、「そうだ」と言われて、更にいくつか補足的な説明もしてもらった。当方は、原資料を読んだだけでそう判断していたのであるが、推測が外れていなかったことを率直に喜んだ。

お昼時間になって食事の準備ができているとのことで別れたのであるが、最後に森脇さんが小生と鎗山さんが歩いてホームを出ようとするところで声をかけてくれ、握手をして別れた。

バスに乗って財団事務所に帰ったが、大きな川の上に架かる高い橋に停留所があり、そこまで行くのに息がはずんだ。雨が降ったり風が吹いたりすると、体調の悪い人はどうするんだろうと思った。町はそこで暮らす人に心地よい生活の場であることをもっと考えてもらいたいものだ。

 

次に6月2日。この日は朝からミナコさんに頼んでいろんな作業をやってもらった。第6章の資料解説のプリント、目次案と資料表のプリント、前回頼んでいた翻刻文3件の提出(23~25ページ分)。まったくうれしかった。夕方になって、目次と資料全文の照合が必要と考えたので、勤務時間もオーバーし始めていたがやることに決めて取り組んだ。残業を強いたようで申し訳ないと思った。それから、第6章の資料新規分も含めて内容を点検して配列を修正した。よく仕事をした1日だった。

 

そして今日、6月9日。前日までにまたも書き直していた全体の「序文」をみなさんに読んでもらい意見を求めたが、忙しそうでなかなか返事がなかったのでイラついた。(笑)今回の序文は、資料集の作成目的から始めて、原資料を使用することの問題点への着目の重要性、特に原資料が状況に対応しようとしてつくられるところから生まれてくる現実認識の歪みの出現などをどう対応すべきか、ということについて、全国どこの資料館でも降りかかっている問題ではないかと指摘して、それを克服する手当をどうするかということに重点を置いて、記述した。わかったことを書くというのではなくて、どうすればわかっていくことが出来るか、そのための必要な取り組みについてのテストケースになりたいのだと述べておいた。序文はこれで大きく3回の変遷を遂げている。わずか3ページの文章であるが、よくぞここまで気持ちを継続することができるものだと、我ながら驚いている。次に先週の金曜日出勤したミナコさんとコウタくんが翻刻を完了してくれていた文章を組版の形に流し込んでくれたものを受け取っていたのであるが、それが全部で337ページというすごい数字になっているので、なんとかしてこれを減らせないものかといろいろ無理を言って相談の上、当方の調査に基づく原案通り307ページに縮めることになった。これだと、本のおわりに「索引・年表」など必要な情報を掲載するギリギリのスペースが確保できる。色々と議論をした末、私の意見を通してもらった。午前中作業をやろうと思ったところ、亜細亜大学の女性の先生がおひとりでふらっとエコミューズの見学を求めてお越しになった。ちょうど資料集のことをお話ししていたときだったので、その作業の様子を説明させてもらった。

 

ここまで書いたら鎗山さんが荷物を持って、もうやめてくれと言わんばかりに現れたので忖度した。また次回お会いしたいものです。(ちょうど退勤時間でした。Byミナコ)

2025.6.9 小田康徳

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
#にしよど
#魅力発信サポーター
#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

佃中学生二人が職場体験であおぞら財団に来ました (2025/6/5-6)

6月5日、6月6日間にかけて、佃中学校2年生の2人が、あおぞら財団に職業体験に来ました。

1日目の午前中は、西淀川公害についてのビデオや資料を見ながら、あおぞら財団がなぜできたのか、その設立の経緯について学びました。その後は、ブログ記事の書き方を教わりながら、自分たちで記事を作成する体験もしました。

 

作業する中学生二人

午後は、タンデム自転車に試乗しました。大野川緑陰道路を通って、福町のあたりまで走ってきました。最初は少しドキドキしていた2人も、すぐに上手に乗れるようになっていました。

漕ぎ始める中学生二人

すぐにタンデム自転車に乗れた二人

2日目の午前は、廃油回収の作業を体験しました。回収した油は、バイオ燃料や石けんにリサイクルされます。そのあと、西淀川公害資料館も見学しました。

午後は、昔使われていたカセットテープやVHSの再生。テープの使い方や、再生機器の扱い方などを、スタッフに教わりながら学びました。

最後には、体験を振り返って、自分たちでブログのまとめ記事を作成。2日間をしっかりと記録に残してくれました。

油を入れているとき何を考えればいいかわからなかった。

単純作業でボーっとしてしまった

公害の事の記事をパソコンに翻刻した中学生2人


【感想】

(1日目)

私はこのお仕事体験一日目でもっと西淀川区に貢献しようと思いました。あと、担当の方が親切にしてくれてとても気分がよかったです。二日目も頑張ります。(k)

タンデム自転車は少し失敗したけど、そのあとはちゃんと成功して、やっぱり信頼がないとだめだなと思いました。そしてその信頼をもっと大きくいていきたいと思いました。(R)

(2日目)

私は、いつかこの仕事をやってみたいなとも思いましたし、この仕事は、いろんなことへの繋がりがあるので、この仕事をしたら、もしかしたら私の悪い所(人の話を聞くのが苦手、注意されたら怒りっぽくなってしまうところ)がなおるかもしれないですし、この仕事を通じて、いろんな人と信頼関係を広めていけたらなとおもいました。パソコンについても学べますし、もしかしたらこの仕事が私の天職になるかもしれませんしね。(k)

この2日間を通して僕昔の西淀川区のいろいろな公害の事や緑陰道路の昔の事を学びました。
そしてタンデム自転車の難しさや廃油回収作業の大変さを実感しました。
タンデム自転車は後ろに目が盲目な人や耳が聞こえない人などがストーカーに乗るのでパイロットの人が一番頑張らなきゃなって思いました。
廃油回収はにおいがきつくて思いっきり入れたら油が飛んで服につくので慎重に入れなきゃいけないなって思いました。
そしてこの大変さを次に職場体験に来た中学生にも実感してほしいと思いました。(R)


2人とも、素直で一生懸命に取り組んでくれて、あおぞら財団スタッフみんなも元気をもらいました。今回の体験が、地元への愛着につながったり、将来の職業選択のヒントになってくれたらうれしいです。

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,職場体験実習(中学生) — aozorafoundation 公開日 2025年6月6日3:42 PM
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