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エコミューズ企画展「写真でふりかえる 工業地域化する西淀川区―戦前・戦後から高度経済成長期まで―」みてアート2024に参加(11/2-3)

11/2-3に開催された「西淀川芸術祭・みてアート2024」に、あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)として参加しました。
「みてアート」は、アートをきっかけに地域で交流しようと始まったイベントで、あおぞら財団で事務局をつとめてきました。親子連れや子どもの参加も多いため、クイズを掲示するなど、楽しんでもらえる工夫もして、2日間で190人の来場がありました。1日目はあいにくの土砂降りの雨でしたが、そんな中でも見に来ていただきました。

エコミューズでは「写真でふりかえる 工業地域化する西淀川区―戦前・戦後から高度経済成長期まで―」と題して、1929年~1964年にかけて撮影されて写真8点の展示と1934年及び1950年の地形図の展示をおこないました。

西淀川区が農漁村地域から工業地域へと変化していった様子を来場者には見てもらうことができました。

現在、当館では、西淀川公害がわかる資料集を作成中で、今回の展示はその第1章の内容をもとに構成しました。今まで、寄贈いただいた資料や、資料集を作成しているということで、あらたにお寄せいただいた写真もあります。

企画展の当日には、大野川緑陰道路が川だった頃、廃棄物や悪臭で非常に汚染されていたころの写真を持って来てくださった人もいました。

地図や写真などの資料を通じて、西淀川地域や西淀川公害についての理解が深まったり、考えるきっかけになれば幸いです。

※企画展の実施には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しました。

 

みてアート
http://miteart.blogspot.com/

(記:鎗山)

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
#にしよど
#魅力発信サポーター
#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

 

 

エコミューズ館長日記No.10

みなさんお久しぶりです。
今回はミナコさんに、編集作業をしていて気が付いたことを書いてもらいました。編集作業の意義がこんなに率直に語られることが大変うれしく思っております。

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最近定例会議や作業中の小田先生のお話を聞いていて感じたことは、研究することの大切さです。資料館は資料を持っているというのは前提事項ですが、ただ持っているだけではあまり意味がなく、それらを整理し、内容を確認し、そこからどういったことがわかるのかということを考えることが大事であり、必要だと思いました。
私は大学で学芸員資格取得のための授業を受けています。その際に博物館が「研究」する機関であることを教わりました。これらの活動を博物館や資料館が行うことの重要性を頭では理解していましたが、実際にエコミューズでアルバイトをし、その「整理」や「研究」の活動に参加してみると、その重要性を身に染みて感じるようになりました。
例えば、1970年代の初めに緑陰道路が作られる過程について。あおぞら財団はこれまでも当時のお話を聞いたり、資料を多く持っていましたが、改めてその資料を調査してみると新しく分かったことや、新たな疑問点が多く見つけられました。その1つが、運動の過程で力をのばしていった緑地化委員会がなぜか消えてしまったかということです。このように、単に資料から見るだけでなく、起こった事実と対比させて見ることで気が付く「歴史」や「今」が多くあるのです。
もちろん、整理するのにも研究するのにも、時間や知識・経験など多くのものが必要で、とても大変な作業が求められているように思います。しかしこの発見は本当に楽しく、刺激的な瞬間です。現在あおぞら財団では公害資料集をつくっています。この資料集では誰もが原史料を読んで、当時の状況を直接追体験し、想像することが出来るように考えられています。財団職員のみなさんや小田館長の仕事ぶりに遭遇し、資料集をつくるという瞬間に立ち会うことができています。このことは、とてもうれしく、貴重な経験だと思っています。
このような経験が出来ているからこそ、「整理」や「研究」の重要さをこの短期間で感じられているのかなとも思いました。

これからもあおぞら財団を(私のことも)よろしくお願いします。

ミナコ
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本日(11/25)午前には資料集編集委員会を開催しました。左端がミナコさん。

2024.11.25 小田康徳

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あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
#にしよど
#魅力発信サポーター
#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

追手門学院大学社会学部社会問題コース フィールドワーク(11/16)

11月16日(土)に、追手門学院大学社会学部社会問題コースのみなさんと西淀川でフィールドワークを行いました。

午後1時にコースの学生さん4名と引率の藤吉圭二先生が出来島駅に集合し、西淀川公害の概要と当日のスケジュールについて説明を行った上で、フィールドワークが開始されました。今回は、国道43号線・出来島小学校・千北診療所・あおぞら苑・大和田街道・大野川緑陰道路の見学を行いました。あいにくの雨でしたが、説明を聞いたり実際に公害への取り組みを見たりしながら和気あいあいとした雰囲気で進められました。

沿道環境を良くするための取り組みを探しました

こんなところにも工夫がされています

 

あおぞら苑には「公害と闘い環境再生の夢を」という石碑が残されています

大阪マスジドにも立ち寄りました 西淀川には多くの外国人の方も住んでおり、色々な国の文化に触れることもできます

緑陰道路を歩きました

あおぞら財団に到着後はワークショップのフォトランゲージを行い、西淀川公害に関する講義を受けたうえで、公害患者さんから直接お話を伺いました。

写真にタイトルをつける「フォトランゲージ」です。的確なタイトルや面白いタイトルがつけられていました

公害患者の方との質疑応答も行われました

研修を通して学んだこと

これから考えたいことについて

普段当たり前になっている青空も、これまでの苦労と取り組みがあったからこそ日常になったものです。環境改善のための取り組みを実際に見たり、公害患者さんから公害についてのお話を聞くことで、より深い理解になったのではないかと思います。

今回初めてフィールドワークに参加してみて、青空を当たり前に変えていく大変さと大切さを改めて強く感じることが出来ました。また、史資料を読んでいるだけでは感じられないことを、このフィールドワークを通じて学ぶことが出来ました。

(スタッフ大島)

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境学習,視察受入,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2024年11月20日5:35 PM

楽らく呼吸会「呼吸リハビリ、じぶんでできる運動、体力測定」を開催(11/15)

11月15日(金)に、楽らく呼吸会を開催しました。
今回のテーマは、「呼吸リハビリ、じぶんでできる運動、体力測定」。
西淀病院の作業療法士・穴見真也さん、理学療法士・木下優さんを講師にお迎えし、呼吸リハビリや日常生活でできる運動について学びました。参加者は講師とスタッフを含めて10人でした。
呼吸リハビリについては、環境再生保全機構の呼吸リハビリテーションマニュアルをもとに正しい呼吸法や簡単にできる運動を教えていただきました。

呼吸リハビリについて学びました

体力測定では、以下の項目を実施しました:

  • 握力測定:全身の筋肉量の目安を確認。
  • 30秒間の立ち座り回数:歩行能力の評価に使用。

測定は和気あいあいと進み、みなさん自分の体力を数字で確認し安心されていました。例えば、ケガをされた方が予想以上の数値を記録したり、90歳の方が昨年よりも握力が上がったりと、前向きな結果が多く見られました。

握力がある人は、全身の筋肉量もしっかりあるということ

体力測定の後、みんなで呼吸筋ストレッチ体操を行いました。

肺は胸郭という肋骨で覆われた部屋に取り囲まれていて、この胸郭が広がることで空気が入り、胸郭が狭くなることで空気が出ていきます。 肺を鍛えることはできませんが、呼吸筋はストレッチ体操で鍛えることができます。呼吸筋を鍛えることは、深い呼吸を可能にし、日常的な息切れを減らしたり、日々の生活を快適にすることに繋がります。

普段の日常生活の中で、呼吸筋を伸ばす動きをなかなかしないので、体操を終えるとみなさんすっきりした表情をされていました。

呼吸筋ストレッチ体操をして、すっきり!

最後に質問タイムです。

参加者から日常生活の相談が寄せられました。
「お風呂で体を温めたいけど、息切れが気になりゆっくり浸かれない」との質問に対し、講師からは「お湯を少なめにすると良い」とのアドバイスがありました。さらに参加者から「肩が寒いときはタオルをかけると良い」との実体験が共有され、会場全体で生活の知恵を共有する場となりました。

参考:独立行政法人環境再生保全機構 呼吸リハビリテーションマニュアル
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次回のご案内

次回の楽らく呼吸会は、2025年1月24日(水)に開催します!
テーマは、「FeNO測定、呼吸筋ストレッチ体操」です。FeNO測定は環境再生保全機構の協力を得て、初めて試みます。

「FeNO測定」とは、吐いた息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測ることで、気道の炎症状態を評価する方法です。喘息の診断にも使われています。呼吸器の不調や息切れが気になる方もお気軽にご参加ください!

詳しくはこちら→ https://aozora.or.jp/archives/41859
皆さまのご参加をお待ちしています!
Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境保健 — aozorafoundation 公開日 2024年11月19日10:01 AM

日本弁護士連合会 公害環境委員会 現地研修の受入れ(10/12)

10月12日(土)、日本弁護士連合会公害環境委員会の主催で「西淀川大気汚染公害被害地域現地研修」を受け入れました。法科大学院生や若手弁護士が参加し、「西淀川の過去の公害の痕跡と公害対策をめぐる」をテーマにフィールドワークを行いました。参加者5人、引率3人の計8人でした

午前中は、大阪弁護士会館にて村松昭夫弁護士(あおぞら財団理事長)の「公害・環境訴訟を闘って」という講義が行われました。

講義で、西淀川公害訴訟について理解を深めた後、実際に西淀川へ移動し、阪神出来島駅からあおぞら財団までの間、公害にまつわる各所をまわり、街の様子を肌で感じていただきました。

<フィールドワーク>

●国道43号沿道

土曜日ながらも大型車が多い国道43号。交通量の多さや騒音、騒音壁やPM2.5の測定、阪神高速湾岸線への誘導策(環境ロードプライシング)といた環境対策を確認しました。

国道43号の出来島小学校前

●淀中学校

1966年に一般環境大気測定局が設置され、二酸化窒素や一酸化窒素などの大気汚染物質が常時測定されていましたが、2000年の校舎建て替えに伴い撤去されました。その後も再設置されていません。

参考|記録で見る大気汚染と裁判「淀中学校の取組み」

4年前まで一般環境大気測定局があった淀中学校

●千北診療所(公害患者さんの組織化の原点)

かつて西淀川公害患者会の事務局があった千北診療所

●あおぞら苑

デイサービスセンター。公害患者の高齢化に伴う日々の生活の援助を目的として、西淀川公害裁判の和解金を活用して、2006年にオープンしました。施設前には大気汚染公害を伝える石碑が立てられています。

デイサービスセンターあおぞら苑

「公害と闘い環境再生の夢を」

●大阪マスジド

高度経済成長期には全国から「金の卵」と呼ばれた若年労働者が集まり、多くの人が公害病になりました。現在は海外から多くの人が働きに来ていて、地域コミュニティとの共生、災害時の対応など様々な課題もあります。

西日本最大級のモスク「大阪マスジド」

●大野川緑陰道路

1960年代にはドブ川であった大野川を埋め立てて自動車道になる計画がありましたが、住民の反対運動により緑の道に生まれ変わりました。

かつてドブ川、今は緑生い茂る歩行車自転車専用道路

<あおぞら財団の紹介、公害語り部>

フィールドワーク後、あおぞら財団に戻り、西淀川公害の歴史や財団についての説明を谷内より行いました。

続いて、公害患者の岡崎久女さんが体験談を語ってくださいました。

岡崎さんは、ご自身だけでなく、息子さんも公害患者でした。今では医学が進歩して薬で公害病とうまく病状と付き合うことができていますが、当時は、あまりにも苦しかった病状のせいで、息子と無理心中をしようとしたことや、出産を諦めたことなど辛い体験を語ってくれました。

西淀川裁判に原告のひとりとして参加したことについて、こんな境遇にさせられたことに対して企業や道路管理者にとにかく謝って欲しかったという岡崎さんの強い想いを話していただきました。

西淀川公害およびあおぞら財団の紹介:谷内

公害患者のお話:岡崎久女さん、上田敏幸さん(西淀川公害患者と家族の会)

真剣に話を聞く参加者たち

西淀川・公害と環境資料館 エコミューズも見学しました。

エコミューズには、公害裁判資料や公害反対運動等に関する資料が6万点以上あります。

裁判資料を見る参加者たち

法律家の仕事は条文や判例など文字でのやり取りが多いと思います。公害の被害を受けた頃から終わることなく、ずっと続いている日々の想いを患者さんの口から伝えていただいたことは、すごく貴重な体験になったのではないでしょうか?

また、参加者の中には、これから法律家を目指す法科大学院生の方もおられました。このフィールドワークでの経験を活かして、当事者に寄り添う法律家になっていただけることを祈っています。

<参加者のみなさんの感想>

・岡崎さんの「とにかく謝って欲しかった。」という発言を聞いて、原告当事者の一貫した思いを受け止めることは大事にしたいと思った。

・公害被害者の方も高齢になられたり、亡くなったりと、次の世代に伝承していくことが急務だと思った。

・現場を見る事、当事者の話を聴くことが弁護活動の出発点と、再認識した。

・和解的解決の重要性を学んだ。PM2.5の測定を和解条項に盛り込み、それがその後の環境基準の制定につながるなど、西淀川訴訟はその後の環境政策に大きな影響を与えたことを改めて学びました。

(アルバイト 岸本景子、スタッフ 谷内久美子)

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