龍谷大学清水ゼミ フィールドワーク(9/11)
9月11日(木)に、龍谷大学政策学部清水ゼミの清水万由子先生とゼミ生9人が西淀川区でフィールドワークを行いました。
テーマは「公害地域の今を知る」。清水ゼミは、公害歴史や公害地域の再生、公害の経験の伝承について、活動しています。今回の研修に参加したのは、7月で清水ゼミに入ったばかりの2回生たちです。
タンデム自転車で西淀川フィールドワーク
まずはあおぞら財団で説明を受けた後、タンデム自転車でフィールドワークをスタート。大野川緑陰道路に沿って、西淀公園、淀の大放水路、水防碑、西淀川堤防を巡りました。
自転車で風を感じながら、まちの歴史や防災を五感で体感しました。
資料館の見学
次に訪れたのは、西淀川公害・環境資料館「エコミューズ」。公害訴訟の記録や当時の学童の作文、公害患者の生徒手帳など、貴重な資料が数多く展示されています。学生たちは、それらを通して、公害が暮らしや生命に与えた深刻さを実感しました。
公害問題の当事者になりきる
続いて、ワークショップ。
大気汚染がひどかった当時の西淀川の写真を使ったワーク「フォトランゲージ」を実施しました。写真から読み取れる情報をもとに、グループで意見交換を行い、写真にタイトルを付けて発表。視覚的な資料を通じて、当時の暮らしや社会の状況に想像を広げることができました。
さらに理解を深めるために、当事者になりきるロールプレイ「あなたの街で公害が起きたら」を実施しました。「公害が起きた町」を想定し、市役所職員、公害患者の親、医者、企業関係者など、それぞれの立場を演じてもらいました。
「みんな一緒に調査し、因果関係を突き止める」、「市役所や国、もっと責任を担ってほしい」などの意見が寄せられました。また、2グループとも「お互いの立場で考えるのが大事」との意見が出ました。
公害被害者の生の声に耳を傾ける
最後は、公害被害者であり語り部として活動する池永さんへのインタビュー。
公害被害者であり、現在は公害の経験を伝える語り部として活躍している池永さんからお話を聞くうえで、色々な質問が出されました。
公害地域から離れない理由、公害を後世に伝える方法、当時池永さんが一番大変なこと、医療費を無料にする運動などが聞かれました。
「公害」を伝える
公害問題に命が脅かされたことがない若者に対して、「公害」は教科書だけで見られる言葉に過ぎないと思われるでしょう。
しかし、今回の研修を通して、公害の発生、被害者の窮境、合意形成までの難しさを模擬的に体験できたと思います。
清水ゼミは、今後も公害の知識を伝え、未来への教訓を考える活動を続けていきます。今回のフィールドワークは、その一歩となりました。
(記・あおぞら財団バイト 王子常)