あおぞら財団 財団ブログ
公害の歴史Q&A あおぞらイコバ
公害を伝えるための資料整理寄附募集
屋上広告募集
りべら広告募集
Don't go back to the 石炭

    キーワード検索

    アーカイブ

    カテゴリー

    最近の投稿

    最近のコメント

ブログカテゴリー » イベント報告・ホームページ更新

エコミューズ館長日記No.16

先週はずっと寒かった。大阪でも雪が降ったのかな…?

大阪市内でも雪が降ったと聞く。

第4章(都市型公害の深刻さを知り、裁判の意義と課題・可能性を知る)に取り掛かって、翻刻作業の成果をもとに本の形に原稿を整える作業に着手した。いつものように1から始めた。(当ったり前だろうが)

作業は順調にスラスラと、もっと言うならひょいひょいと進むと思った。だが思ったこととできたこととは違った。

1番最初に載せる資料、「峯田弁護士が1974年1月の西淀川の汚染実態調査に参加して被害の厳しさと取り組むべきことを主張する」は、文章だけだったのでほとんど手間がかからず、本の形が出来上がってきた。文章をこれは立派だと読んで、弁護士さんが裁判着手を躊躇っていたところが、被害者の苦しみが具体的に知られていなかったことにあったのだと気づいた。ぜん息の苦しさは、昼間あった時にはなかなかわからないもので、そのことを峯田氏は情熱をこめて訴えている。

それから、SO²濃度、NO²濃度が環境基準を大きく上回っているなかで、その基準に対する攻撃が強化される。結局それが経済との調和論であることの認識が弁護士さんたちの間で共有されていった。そのような地域に於いて「公害差止についての追及と合意が足りない」といった声も出されるようになった。またそれは、都市の在り方を問うことになる、との意見も出されている。

ということで順調に作業が進むかと思ったが、主要汚染源の排出量を推定する数字の羅列に遭遇してから、横書きの報告書を縦書きに変えることが大変厄介であることに悩まされることになる。なんだ横書きから縦書きにするだけかと思っている人は、ぜひ一度チャレンジしてみてください。

そして大阪弁護士会公害対策委員会が「大気汚染-大阪西淀川における実態調査報告第一号」を発行したのであるが、その翻刻に取り組んだ。この報告書は目配りのよく行き届いた文章で、その後論じられる点がほぼ満遍なく提起されていた。全部で170ページを超すもので、これで裁判に向けての方向性も定まったと言っていい。資料集の中に取り込むべきテーマを落とさず書き込むことに苦心しなければならなかった。

というような訳で、今週は内容的には充実した成果であったが、作業の進路はあまりはかばかしくはなかった。来週からはそれをどうすれば挽回できるか大きな課題だ。

 

2025.2.10 小田康徳

 

—————————
あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
#にしよど
#魅力発信サポーター
#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,エコミューズ館長日記,資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2025年2月16日10:44 AM

歌島中学校から職場体験(2/5-2/6)

2月5日、6日の二日間にかけて、歌島中学校から中学生3人が職場体験に来てくれました。

1日目は西淀川公害についてのビデオ鑑賞をした後、廃油回収作業の手伝い、防災かるた体験、タンデム自転車の体験をしました。

2日目はフォトランゲージ体験、資料集のための翻刻作業、国道2号のゴミ拾い、フードマイレージ買い物ゲーム体験をしました。

最後に、広報活動として、ブログに掲載する写真を選び、写真のキャプションや職場体験の感想を書いてもらいました。

西淀川公害や防災、タンデム自転車などについて、体験を通して理解を深めてもらえたと思います。この経験を今後の学校生活や日常生活に活かしてもらえると嬉しいです。

廃油回収苦戦中ナウ

かるた中

タンデム疲れたんでむ

オリジナルかるた①

オリジナルかるた②

オリジナルかるた③

【2日目】

先生登場

フォトランゲージに挑戦

ゴミ拾いボランティアズ

TT家の晩御飯考え中 パイナップル入れるんじゃなかった😓

【感想】

行くまでは職場体験が面倒くさく感じていましたが、行ってみると凄く楽しかったです。廃油集めは蓋をなかなか開けられなくて力を使いましたが、結局すぐ開けてもらって少し驚きました。2人乗り自転車では、最初は怖かったですが、だんだん楽しくなっていきました。最終地点の河川敷の方からいつも行く場所や橋が見えて感動しました。

2日目は資料をパソコンに打ち込む作業をしました。打ち込む時のタイプミスを直す必要があったのですが、以外と楽な作業でした。既にある長い文章を見ながらパソコンに打ったことがないので、少し新鮮でした。
昼飯を食べた後はごみ拾いをしたのですが、風が強すぎてゴミが吹っ飛んでいきそうになり、ビックリしました。ペットボトルが飛んできたので少し危なかったです。
帰ってきてからはお総菜ミニゲームをしました。予算内にお総菜を選ぶだけかと思ったら、エコ度が減るポイントのような物があり、奥が深いと思いました。

(K.S)

1日目
午前
てんぷら油をドラム缶のようなものに入れることをしました
その時にドラム缶のふたが硬く道具を使わないと開きませんでした。
男性の職員はこれをすぐに開けていたようなので仕事ってこんなこともできないといけなくて仕事って大変だなーと思いました。
次に防災のかるた大会をしました。みんなの絵がカルタになっていたので人の個性を感じることが出来ました。
午後
タンデム自転車に乗って緑陰道路の端まで行きました。帰りに転んでしまいましたが二人乗りの自転車という新鮮味があったのでとても楽しかったです。
明日が楽しみです

2日目
午前
資料をパソコンに打ち込む作業(翻刻)をしました
打ち込む際のタイプミスが目立ち時間がかかってしまいました
もっとタイピングを鍛えようと思います
午後
ゴミ拾いをしました。意外とたばこの吸い殻が少なく さすが日本と思いました
その後 今日の夕飯を考えるゲームをしました中でもフィリピン産のパイナップル🍍
がとても危険度が高かったのでびっくりしました(注:フードマイレージが国内産の果物に比べてとても高い)
今日で職場体験が終るので悔いのないようにしました
楽しかったです

(K.Y.🐻)

1日目の感想

  • 廃油回収のお仕事

事前に集めてくださった天ぷら油を一斗缶に入れる仕事で、一斗缶が開かず非力な自分では蓋が開かなかった。三人でやってもあかず、結局道具を使って開けました。油を三人でせっせと一斗缶一つを埋めました。あとエレベーターに挟まりました。

  • かるた大会

廃油回収が思ったより早く終わったらしく、昼ご飯を食べる前にかるた大会をしました。K.S君が光の速さでカードをとっていくため、自分達は追いつくのに必死でした。結果はK.Sくんが堂々の一位、自分は最下位でした。

  • 二人乗り自転車体験

二人乗り自転車は正直すごく怖かったです。最初は自分が前でK.Y.君が後ろで走りました。自分が後ろだと重心が不安定でこけそうだったので前になりました。瘦せないとなぁ。何とかこぎきって防波堤に着きましたが、風が強すぎてあまりいれませんでした。
なんとか帰ってきて事なき終えました。

2日目の感想

  • 翻刻のお仕事

昔の文書をwordに移して綺麗にするお仕事で、最初にパソコンを開いたら再起動が始まりほかの人より一歩出遅れてしまいましたが、何とか食いつきました。書き終わり、ミスがないかをチェックする作業に入り、あまり目立つようなミスをしていなかったのでよかったなと思いました。

  • 昼休憩にやった遊び

しりとりゲームをしました。厳密にはお仕事とは全く関係のないことなのですが楽しかったので一応載せておきます

  • ゴミ拾いのボランティア活動

昼休憩後はゴミ拾いのボランティアをしました。いろいろなところを回りましたが、あまりごみはなく吸い殻がちょっとと缶が二つぐらいしかなく、治安がいいんだなと思いました。

  • フードマイレージ

フードマイレージというゲームをしました。
とっても考えさせられるSDGsのゲームです。

(O.K)

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,職場体験実習(中学生) — aozorafoundation 公開日 2025年2月6日3:12 PM

エコミューズ館長日記No.15

今日は、大阪公立大学4回生の稲田くんがアルバイトで来てくれた。若々しく、活力に満ちている感じで、なかなかに快活な青年である。第4章の5節「意見陳述書」の翻刻を行なってもらった。この資料は原告が被害を訴えているが、実に率直で迫力に満ちている箇所である。きっと稲田くんにとって思うところがあったに違いない。

本日は第4章1~5節に配列した資料を年月日順に並べなおし、それぞれの資料の位置をわかりやすくした。最後に翻刻がどこまで進んでいるか確認したところ、あともう少しというところまで来ていることを確認できた。いよいよ次は第5章「裁判の展開」に入る。ここについても翻刻すべき資料の候補はほぼ選び終わった。この調子だと2024年度内には資料の翻刻はすべて終わる可能性が見えてきた。大阪公立大学の学生さん(稲田くん・関谷くん)には大変お世話になる。手配をしてくれたのは、いつものミナコさんである。

第5章で難しかったのは、「裁判の論点の展開」であったが、ここをもう少し視点を絞って「論点を巡ること―関連共同性を中心に」としてみた。なんとかそのさわりの部分だけでも紹介できそうになってきた。なにしろ十数年にわたる裁判資料は10,000ページにおよぶかもしれないような記録である。それに取り掛からなければならないと思って心が折れそうになっていたのを、なるほどこれなら弁護士さんたちの苦心も伝わるだろうと感じられたので、不十分ながら一安心したところ。

本日は人とよく会う日であった。神戸製鋼の役員をされていた山岸公夫さんが午後ふらっと顔を出された。積もる話に盛り上がった。稲田くんやミナコさんが人生の大先輩を前に緊張していたのが、言葉を交わすうちに打ち解けていくのが見れて面白かった。

2025.2.3 小田康徳

 

—————————
あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
#にしよど
#魅力発信サポーター
#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

楽らく呼吸会「お話会、FeNO測定」の実施(1/24)

1月24日(金)に 楽らく呼吸会 を開催しました!

今回は 独立行政法人環境再生保全機構 の協力を得て、「FeNO測定」を実施しました。


FeNO測定とは?

「FeNO測定」は、吐いた息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定することで、気道の炎症状態を評価する方法で、ぜん息の診断や状態確認に役立つ検査として注目されています。
当日は 15名の方 が体験!
マウスピースをくわえて深呼吸をするだけで簡単に測定できることから、「初めてでも安心して取り組めた」「自分の状態が数値化されてわかりやすい」と好評でした。

FeNO測定の説明を受けています


お話会で心も体もリフレッシュ

FeNO測定と並行して開催したお話会では、「健康で気になっていること」や「今年取り組みたいこと」をみんなでシェアしました。

話題になったテーマ

  • 健康で気になること:食事のとり方や病院選びについて、参加者同士で意見やアドバイスを交換。
  • 今年取り組みたいこと:運動や民謡、趣味の「推し活」など、個性あふれる目標が続出!

和気あいあいとした雰囲気の中、笑顔があふれ、楽しい時間となりました。


呼吸筋ストレッチ体操でリフレッシュ✨

動画を見ながら 呼吸筋ストレッチ体操 を実施!普段なかなか使わない筋肉を伸ばすことで、「気持ちよかった」「家でも続けたい」という声が多数ありました。身体も心もリフレッシュできた時間でした。

参考 環境再生保全機構:呼吸筋ストレッチ体操動画


参加者の声

以下は当日の感想の一部です:

  • 「初めてのFeNO検査で自分の状態がわかってよかったです」
  • 「意外と健康で安心しました!」
  • 「普段使わない筋が伸びて気持ちよかった」
  • 「みんなの意見を聞けて楽しかったです」
  • 「改めて身体の状態を数値で確認できて安心しました」

次回予告📢

次回の楽らく呼吸会では、薬剤師さんをお招きして「薬について」お話を聞きます。

呼吸器疾患のお薬に関する最新情報や処方薬の副作用やジェネリック医薬品の疑問など、日頃のお薬についての気になることを薬剤師さんに直接相談できる貴重な機会です!

ぜひお気軽にご参加ください

開催日時:2025年3月14日(金)13:30~15:00
テーマ:お薬について
講師:ファルマプラン 薬剤師
場所:グリーンルーム(大阪市西淀川区千舟1丁目1番1号 あおぞらビル3F会議室)
対象:呼吸器疾患をお持ちの方やそのご家族、呼吸ケアに興味のある方
参加費用:無料

 

Filed under: イベント報告・ホームページ更新,環境保健 — aozorafoundation 公開日 2025年1月29日5:33 PM

エコミューズ館長日記No.14

本日午前10時より、第19回資料編集委員会があった。参加者はいつものメンバー。

 

鎗山さんの司会で、これまでの全般的な活動報告が終わったところで、資料の編集作業の概要を説明した。はじめに、7章仕立てから6章仕立てに章の数を減らすこととした理由について、従来の4・5章を合体させたためと説明した。従来の第4・5章が時期的に重なり合うところが多く、内容的にも深くかかわっていることに気づいたので、これらを合わせて第4章とすることとした。結果として全6章となったという次第である。従来の第4・5章が時期的に重なり合うというのは、裁判提訴(1978年4月)の時期と、NO²の環境基準緩和及び公害指定地域の廃止とがほとんど同時に行われたことによる。したがってこれを分けるのではなく、一つの章の中に包み込むこととしたのである。

この方針については、編纂委員からも賛成を得たと同時に、併せて事務局長の藤江氏から、公害地域指定の廃止は公害患者が出なくなることを意味することであるとの注釈が行われた。指定地域廃止の時期は1978年の10年後である1988年であって、それを追求するためにも1988年に3.18行動が提起されたとも語られた。

続いて、ウェブ版の編集も提案し、これもまた了承された。こうしていよいよ資料集が著書とウェブの二本立てでいくことが確認された。

段々と形を整えていくことが承認された。

ウェブ版では、原資料の画像を見てもらうこととなるのに、著書では割愛された資料も見ることができる。出来上がりがいよいよ楽しみとなってきた。

約二時間の議論の末、以上が確認されたことである。

それにしても本日は寒かった。

会議後近くのレストランで昼食を食べに行ったが、部屋に入った途端メガネが曇って、前が見えなくなるほどであった。

 

2025.1.27 小田康徳

 

—————————
あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)では、西淀川公害がわかる資料集を作成しようと、ほぼ毎週、小田康徳館長が来館し、調査作業を進めています。そのようすを「エコミューズ館長日記」にてお届けします。

【ご寄附のお願い】「西淀川公害がわかる資料集」のための寄附を募集しています。どうぞみなさまの寄附でこの活動を支えていただきますようお願いいたします。
■寄附の方法はこちら https://www.aozora.or.jp/ecomuse/contibution_doner

※資料集のウェブ版作成には、(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成金を活用しています。

#おもろいわ西淀川
#にしよど
#魅力発信サポーター
#エコミューズ
#西淀川公害がわかる資料集

« 次のページ前のページ »