2024年9月6日 龍谷大学政策学部清水ゼミの2年生が研修に訪れました。
西淀川に来るのが2回目のこの日は
- フォトランゲージ 西淀川公害
- ロールプレイ あなたのまちで公害が起きたら
- 公害患者さんへのインタビュー準備
- 公害患者さんによる語り部とインタビュー
- 成果発表
という内容でした。
フォトランゲージ西淀川公害では、西淀川公害に関する写真から読み取れる状況や時代などをグループで話し合い、その写真に独自のタイトルをつけます。その後、実際に撮影された年代や時代背景、当時の状況についての解説を受けながら、西淀川公害への想像を巡らせていきます。
写真から公害当時へのイメージが生まれて来たところで、ロールプレイに移ります。
参加者は、203X年、自分の住むまちで原因不明の大気汚染物質らしきものによる健康被害が起きているという状況設定のもと、行政の環境担当係長や工場の経営者などの役/立場になりきり、討論していきます。なんとかして時間内に何らかの合意形成を目指しますが、それぞれの役/立場にも様々な事情があり、議論は難航します。
ゼミ生の感想シートの中では、「立場が弱い人は意見が言いづらそう」「立場をフラットにして話し合えるようにするべき」という声が多く見受けられました。原因不明の病に成す術がないお医者さんや、市の職員の人は意見が言いづらそうという印象があったようです。一方「お互いに寄り添いあえる点と難しい点を、整理して話し合いを進める心がけが大切」という気づきも見受けられました。
公害時に起きる、人の立場や関係性の難しさを体験しながら、話し合う時に大切なことについて想像を巡らす時間となったようです。
その後、公害患者の家族の方へのインタビューの準備へ。
インタビューがより深いものになるように清水先生が取り入れたという、KP法を活用したワークを行っていきます。公害患者の家族の方へのインタビューを通じて、その人の物語をつくり紙芝居にするというワークです。準備時には、物語づくりを想定して質問を決めていきます。
いよいよ公害患者の家族の方にお話を聞いていきます。
この日は、西淀川公害患者と家族の会の山下晴美さんと上田敏幸さんにお越しいただきました。
山下さんは、旦那さんが公害患者となったことをきっかけに、公害反対運動に参加されていました。
ほぼ初めてインタビューを行うゼミ生たちは、苦戦しながらも山下さんに懸命に話しかけていました。お話の中で見えてくる公害当時の状況に驚きを見せながら、必死にメモを取る学生さんも。
「普通が一番幸せなのに、一番難しい」
「息が吐けないから、吸うこともできない。」
様々な言葉によって、公害の痛みに触れていくゼミ生の表情が印象的でした。
最後には「山下晴美さん物語」を紙芝居に仕上げ、発表。
様々な気づきが、ゼミ生が紡ぐ言葉や絵に表現されていました。
(文責:アルバイト・松岡)