佃西小学校で西淀川公害 語り部の授業

3月6日、佃西小学校5年生の社会科(1組、2組)にて、西淀川公害病患者さんの語り部の授業をしました。
*昨年度の様子はこちら

公害病患者さんは永野千代子さんと、池永末子さんです。あおぞら財団は、サポート役として協力します。
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公害患者さんには
○ご自身生い立ちや病気について
○お子さんの病気について(二人ともお子さんも、公害病の患者です)
○公害がひどかったころの西淀川の様子
○どうして公害運動に参加しているのか
といった内容をお話をして頂きました。

子どもたちは事前に『手渡したいのは青い空~未来からのメッセージ』を見ていた為、患者さんの話も理解しやすかったようです。

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写真は、子どもたちに注射の跡を見せる永野さん。
実際に本人から話をきくことで、公害患者さんの被害の苦しみがより伝わるようです。
どの子どもたちも真剣にメモをとっていました。

今、PM2.5による越境大気汚染が心配されていますが、PM2.5の測定について、かねてから患者さんたちが測定をもとめる運動をしてきたこと、新佃公園等、身近な場所にも測定局ができていること、なども紹介しました。
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西淀川公害の小学生の授業に関しては、以前、西淀川区の小学校で教鞭をとられていた天野憲一郎先生が、今年は出来島小学校、姫島小学校、香簑小学校で出前授業をされました。
こちらも5年生の社会科の時間です。
*天野先生の授業の様子はコチラ (過年度のものです)

西淀川公害を伝える授業は、ぜひ協力したいと思いますので、お声掛けください。
*詳しくはコチラ

(小平)

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福の漁港どんなところ?聞いて食べてしゃべって(あおぞらイコバ福でみせ)

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・今、福漁港でどんな魚が獲れているか、知っていますか?
・大阪湾で獲れた「ボラ」のフライと「いかなご」のくぎ煮を頂きながら、漁師さんと世代を超えて楽しくおしゃべりしましょう。
・当日伺ったお話しや情報は、ホームページやパンフレットにまとめて、西淀川の多くの人に知ってもらえるようにします。

福の漁港どんなところ?聞いて食べてしゃべって(あおぞらイコバ福でみせ)
日 時:2013年3月24日(日)18:30~20:30
場 所:エルモ西淀川
軽食代:500円
定 員:25名

講師:北村英一郎氏 北村泰規氏(大阪市漁業協同組合)
あおぞらイコバ 福でみせチラシ
あおぞらイコバ 福でみせチラシ
協力:大阪市漁業協同組合
主催:あおぞら財団
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階
TEL:06-6475-8885 FAX:06-6478-5885
URL http://www.aozora.or.jp/ E-mail webmaster@aozora.or.jp

企画運営委員(敬称略)
小田康徳(大阪電気通信大学)
高田研(都留文科大学)
西村仁志(広島修道大学)
清水万由子(龍谷大学)

個人情報は本事業の目的以外には使用しません 本事業は地球環境基金の助成で行っています

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淀協主任研修の受入れを実施しました(2/14、2/21)

2013年2月14日(木)と21日(木)に、(財)淀川勤労者厚生協会の主任研修をあおぞら財団にておこないました。基本的に同じプログラムを2回実施し、全員で50人が研修を受けました。14日は26人、21日は24人でした。

以下、21日の内容を報告します。

のざと診療所を出発地とし、西淀川や尼崎の一部をバスで周り、西淀川の地域について理解を深めてもらいました。

のざと診療所→出来島小学校→中島(外島保養院跡)→尼崎工場地帯→国道43号線→淀川土手→公害医療センター→姫島神社裏→大野川緑陰道路→歌島橋交差点→のざと診療所

■のざと診療所にて、フィールドワーク説明、西淀川の地域の概要説明
■出来島小学校
出来島小学校では酸化チタンの加工を施した防音壁を見てもらいました。また周辺の道路についても、道路公害に対する環境対策として、防音壁を見てもらったり、ロードプライシングについて説明がありました。

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■中島(外島保養院跡)
ハンセン病の療養所の跡地を車から見学しました。

■尼崎工場地帯
西淀川は中小規模の工場が多いのに対し、尼崎は大規模な工場が立ち並びます。

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■国道43号線
環境レーンや、大阪府の実施している「流入車対策」の青色ステッカーの説明を受け、参加者は「今まで全然気付かなかった」と驚いている様子でした。

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■淀川土手(西淀川と水害)
下の2枚の写真を見てもらうとわかるのですが、この辺り(福)は海抜ゼロメートル以下の地域であり、水害による被害が非常に懸念されます。

しかし淀川の土手からは尼崎や梅田の観覧車、USJが見えたり、近年は野鳥や魚の姿が見られたりと魅力ももたらしてくれています。

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■公害医療センター
昔は千北診療所内に設立されたセンターがこちらに移転しています。現在は、認定患者さんの定期的健康検診(更新・見直し・管理検査)や基本健康診査を行っています。

■姫島神社裏
■大野川緑陰道路→歌島橋交差点→のざと診療所
大野川緑陰道路からのざと診療所までは徒歩で移動しました。途中、公害がひどかった当時の写真を見せながら、公害の歴史について学びました。

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■のざと診療所(公害病患者からのお話)
西淀川公害患者と家族の会から上田事務局長と認定患者の岡崎さんからお話を聞きました。
岡崎さんは、昭和48年に嫁ぎ先として西淀川に来てから子どもとともに公害に苦しんだ過去を話してくれました。「呼吸ができないってことは全てが止まる。腕も上げられない。タクシーも呼べない。視力も失う」「子どもを殺して自分も死のうと思ったこともある」など、つらい経験をしてきたことが痛切に伝わってきました。しかしそんな中で、病院に入院した時、先生や病院の人がとても優しく接してくれたこと、実習生が頭を洗ってくれて嬉しかったことなど、医療従事者への感謝の思いも語っていました。

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上田さんからは、1991年3月29日の第一審の判決日の様子、工場による公害から車による公害へと変化してきたこと、中国の大気汚染を憂う前に国内の環境基準を厳しく取り締まる必要があることなどの話がありました。
また現在、公害医療補償費打ち切りの危機に直面しており、「汚染は消えていない。患者は増え続けている」と訴えかけていました。

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■グループワーク
 参加者から、本日のフィールドワークを踏まえて、もしくは自分が今まで感じたなかで、西淀川のいいところとよくないところを出してもらい、それぞれの意見をまとめて発表しました。

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公害地域としては、公害運動の努力の成果が見られる一方、未だに工場が多く、特に住宅と工場が隣接している点はよくないと指摘がありました。
自然環境については「緑が多い」「野鳥が見られる」などの良い点が挙げられる一方、地盤沈下や水害の不安が挙げられていました。
交通に関しては、交通の便が良い反面、自動車排ガスによる汚染が気になっているようでした。
その他にも、「民医連がたくさんある」「淀川花火が見られる」「銀行・コンビニが多い」「住宅が多い、土地が安い、人口が多い」「名物がない」などが挙げられていました。

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今回のフィールドワークを通じて、より西淀川という地域に愛着を持ってもらうと同時に、公害の歴史や現状と向き合ってもらえたらと思います。

平田

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インタープリター講座 3月25日

2013年3月25日10:00-12:00
インタープリター講座を実施しました。
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西淀川の地域にはいろいろな魅力がありますが、
どうやって伝えればいいか、いつも探りながら実施しています。
うまく伝わったなと思う時と、手ごたえがない時、いろんな視察の受け入れがあります。
どうしても、事実をダラダラと説明してしまいがちなのですが、
それでは、参加者には伝わりません。
参加者が気持よくフィールドワークができるようにと、参加者と
高田研先生と西村仁志先生で地域に出て考えました。
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例を一つ上げると、歌島橋の交差点の環境改善を伝えるにはどうすればいいかを考えました。
真ん中に茶色い箱がありますが、これはなんでしょうか?
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上に吸い込み口がついていますが、ここに注目して大気汚染の測定局である事を実感してもらってはどうかというアイデアを共有しました。

せっかくある地域資源を、楽しく実感が伴うように伝えられる人材をこれからも育成していきたいと思っています。(林)

この事業は地球環境基金の助成事業です。

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福の漁港どんなところ?聞いて食べてしゃべって(あおぞらイコバ福でみせ)

2013年3月24日(日)18:30~20:30にエルモ西淀川にて、参加者26名で開催しました。
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龍谷大学生の吉田さんと丸橋さんが進行役となって、
大阪市漁協の北村英一郎さんと北村泰規さんの話を聞き出していきました。
参加者は、釣ずきな人や、地域の人や、家庭科の先生、自然保護の活動家など様々です。
参加者みんなで、ボラのフライといかなごの佃煮を頂きました。
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ボラは前日に泰規さんが淀川で取ってきてくれたものです。
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全部で8匹。大きいです。
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お話は、最近の大阪湾の様子や、ウナギが取れること、
資源管理型の漁業になっていて、何でもとれる状況ではない事、
埋め立てられると、海流が変わって魚が来なくなることなど、
知らなかった大阪湾の世界について教えてもらいました。
内容は、またパンフレットにまとめるので、その時にお知らせしますね。

感想文の一部を紹介します。
人口的な浄水による見た目のキレイさ=水質向上だと思っていたので、人の暮らしがあって自然との循環があるというお話は、まさにハッとさせられました。
是非体験漁業+今日のようなお話というプログラムも期待しています。
大学生の素直なほんわかした進行もいい感じでした。

他の地域でも開催できる様にがんばります。(林)

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資料館だより43号発行しました

 資料館だより43号(2013年1月号)を発行しました。

 PDF版は、こちらからダウンロードください。

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リンク集を更新しました

 リンク集に新規サイトを追加しました。

 今回追加したのは、富山県立イタイイタイ病資料館の公式サイトです(http://itaiitai-dis.jp/)。イタイイタイ病資料館のサイトには、バーチャル資料館のコーナーがあり、パソコン上でも展示内容を閲覧することができます。

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資料館だより第42号を発行しました。

資料館だより42号(2012年10月号)を発行しました。

エコミューズにて配布しております。
また、PDF版はこちらからダウンロードできます。

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西淀川図書館展示「映画『娘たちは風にむかって』から見る西淀川」10月14日まで

2012年9月21日から西淀川図書館で展示をさせてもらっています。
「映画『娘たちは風にむかって』から見る西淀川」です。
この映画、舞台が西淀川なんです。
そして、ロケが!西淀川でされたんです。
作成が1972年。
だから、懐かしい風景を見る事ができるんですよ。
もともとは、1966年に大阪・西淀川にある大建被服工場で実際に起こった労働争議が素材となっています。
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展示ケースが2つあるのですが、一つはモデルとなった大建被服で働いておられた岩橋浪枝さんから頂いた資料をもとに展示しています。もう一つの展示ケースは映画の説明です。
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懐かしの当時の写真。女の子ばっかりですよね。
この労働争議、女の子ばかりの労働争議で、偽装倒産で解雇された中卒で労働していた女の子たちが工場に立ちこもって闘っためずらしい労働争議なんです。
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場所は姫島。後ろに見える本が、労働争議のルポになります。
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あとは、当時の新聞記事。めっちゃ字がちいさいです。
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映画の撮影が始まることを知らせる記事もあります。

もう一つの展示ケースには映画のストーリーと人物紹介、映画の一場面を写真で展示しています。
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昔の福駅とか。
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懐かしの西島川と合同製鉄の高炉
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おそらく、埋め立て直前の大野川・・・

これらの展示を、インターンシップの大学生が作ってくれたんですよ。
自分たちよりも若い女の子たちが労働争議をしたことを知り、就職難といっている今と、労働者の権利について考えるいいきっかけになったようです。
図書館で映画を見る事ができるようにしているので、是非お立ち寄りください。
(林)

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映画『娘たちは風にむかって』西淀川図書館展示

9月20日から10月15日まで西淀川図書館で映画『娘たちは風にむかって』の展示をします。
この映画は、昭和40(1965)年頃の西淀川で、労働者の権利を守るためにたたかった10代や20代の女の子8人とおばさん1人の「おとめ争議団」の物語です。
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 西淀川区姫島にあった「大建被服」という縫製工場から突然「工場閉鎖、全員解雇」を言い渡された女の子たちは、労働者の誇りのためにたたかいながらも、恋愛をしたり、喧嘩をしたり、自分の役割は何なのか考えていく青春と成長の物語でもあります。
『娘たちは風にむかって』は実際に西淀川で撮影されました。現在は緑陰道路になっている大野川や、当時の福駅、淀川大橋などが映っています。また、当時の人々の生活や、公害反対デモの様子も撮影されており、労働者の町西淀川の雰囲気が伝わってくる映画です。
それと共に、映画の原作本である『明日をよぶ娘たち―おとめ争議団勝利の記録』や、映画のモデルとなった実際の「おとめ争議団」の女の子たちの写真、「おとめ争議団」を取材した当時の新聞なども紹介しています。
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インターン生の2人で展示準備を行いました。キャラクター相関図やストーリー説明等、普通の女の子たちが「おとめ争議団」として会社とたたかっていたことが伝わるように意識して準備しました。今の私たちにも共感できる女の強さや、仲間や地域との協働、働くことの誇り、高度経済成長期の光と影が盛り込まれている映画と本です。
どうぞ足を運んでみてください。

インターン 京都精華大学2回 佐久川恵美

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