神戸大学生がエコミューズ見学

2011年12月19日(月)

神戸大学の地理学の学生たちがエコミューズに見学に来ました。(5名)

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ビデオを見てもらったり、パネルの説明をしたり、裁判資料を見てもらったり。

学生からの質問は

「大気汚染以外の公害はあったのですか?」

など、鋭い質問。

感想では

「各地の裁判の主張が少しづつ違う」

「バイクを乗っていて、43号線は大型車が多い。湾岸線に迂回してほしいという表示があったけれど、ロードプライシングのことだったのか」と、現在の問題とのつながりを理解してもらったようでした。

30分と短い時間でしたが、現地に来てもらった意味はあったと思います。神戸大学だったら、大学の授業中に行って帰ってこれるんです! 近いですね。これもエコミューズが駅前という利点があるからですね。

エコミューズをこんな風に気軽に利用していただけるとありがたいです。

学生さんたち、また来てね。(林)

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大阪市史編纂所 史料情報目録と今日は何の日

エコミューズはいつもいろんな方々の協力で成り立っています。

その一つが大阪市史編纂所です。資料整理や資料館運営についていつもアドバイスを頂いています。

その大阪市史編纂所が新しいホームページを作っています。

今日は何の日資料情報目録です。

今日は何の日は、とりあえず自分の誕生日を調べてみるのが楽しいですよね。西淀川公害についてもたくさん出ています。3月2日が和解の日とか。

資料情報目録は、地域の資料を探すのが面白いと思います。

ちなみに「西淀川」で調べるとこんな結果が出てきました。明治22年には西成郡佃村に大阪府農業学校附属蚕業場が設置されたんですね。佃のどのあたりなんでしょうね。

こうやって地域の歴史を何気なく調べる仕組みが出来ていて、とっても面白いです。

エコミューズも見習って資料を解りやすく提供したいものです。

(林美帆)

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坂和章平弁護士 資料について

坂和章平弁護士資料は 全部で3560点、資料箱の数で14あります。その中で39番以降の3521点のデータを打ち込んだことになりました。昨年の11月26日からですから13ヶ月を費やしています。春のサクラの花が満開の緑陰道路や、紅葉の進んだイチョウの木々を眺めながら財団の5階へ通ったことになります。夏の暑い日、午後の睡魔と闘いながらの日々もありました。

坂和弁護士のこの資料の多さにまず驚きますが、「地域別 風向 風速別のSO2の濃度測定データ」や「季節別 高度別SO2濃度測定データ」は多くの作業者の手作業で一つ一つの測定値を積み上げていく、気の遠くなるような測定記録の集積でした。この地道なデータの積み上げなくしては、被告企業の西淀川住民への損害の実態を法廷の場で立証できなかったのではないかと感じました。大志野章さんや塚谷恒雄さん、佐藤功さんといった研究者の協力と、その研究の成果を法廷の場で展開できた坂和弁護士をはじめ、西淀川公害訴訟弁護団の見識の高さに驚きます。

パフ解析

議事録

 

その立証の構成は、繰り返し実施された弁護団自身の合宿や学習会、6つの班に分かれた研究会での集団的思考の結果であると、この資料整理の作業を通じて知ることが出来ました。おそらく、被告側も猛烈な研究会を積み上げていたのでしょう。当然被告側は、当時最高水準とされていた弁護士や研究者を組織した弁護団でしたから、この論戦の歴史は貴重な法廷訴訟史の新しい地平を切り開いたことは間違いないでしょう。だからこそ、今現在でも中国や韓国をはじめ、外国からの法律家が西淀川公害訴訟で問われたことを学びに来られるのだと思いました。

 

坂和弁護士の訴訟にかける思いを探していたところ、「西淀川公害裁判 全面解決へのあゆみ」西淀川公害原告団・弁護団(1998年10月3日)に「到達藩(班ではなく)始末記」として書き残されていました。

「気象藩は秀平弁護士や早川弁護士の協力で、塚谷先生の「パフ解析」という新しい方法での立証をすることになりました。京都大学の天才塚谷先生と、スーパーコンピュウターの登場という条件がそろって初めて出来ることで、こんな立証をしたのも西淀訴訟だけでした。」

「被告らの煙の量(排出量)について、山川弁護士が担当することになり、コツコツと数字を集め、「一つの表を作るのに何日間もかかる」とぼやきながら、説得力のある準備書面になりました。

 

法律家であっても、気象や疫学・歴史や道路政策については「素人」の弁護士が、研究者の協力を組織し、運動団体やマスコミ、医師や教育関係者と提携した世論により法廷を包囲することに成功した西淀川公害訴訟の偉業を、分かりやすく次世代に語り継ぐ必要性を実感する作業でした。

(天野憲一郎)

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公害地域の今からはじめようシンポジウム~富山イタイイタイ病・新潟水俣病・大阪西淀川大気汚染のスタディツアーを通じて~

3カ年かけて行われてきたスタディツアーの交流会
「公害地域の今からはじめようシンポジウム
~富山イタイイタイ病・新潟水俣病・大阪西淀川大気汚染のスタディツアーを通じて~」を
12月3日に大阪ドーンセンターにて開催しました。

スタディツアーHP
http://www.studytour.jpn.org/

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参加者は118人と立ち見がでるほどの大盛況となりました。
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立ち見だけでなく座り見もいます。

まず富山・新潟・大阪のそれぞれから報告がありました。
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髙木さんからは「スタディツアーが風化防止になり、行政がイタイイタイ病について再認識するきっかけになった」
塚田さんからは「受け入れには不安があったが、結果的にやってよかった」
そして藤江さんからは「企業とのつながるきっかけになった」という感想をもらいました。

また参加者代表の手登根さんは「公害は決して終わった話ではないと痛感し、将来教師になって
今の子どもたちにスタディツアーを通して学んだ公害の今を伝えていきたい」と話しました。

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ディスカッションでは、スタディツアーは患者さんとのつながりや企業とのつながりなど
地域につながりを広げていくことができるとの意見がでました。
また公害を知らないよそ者が現地で意見を残すことに対する批判について、
小さなことでも理解者が増えればよいのだと、塚田さんから意見がありました。

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最後に3年間で培った経験を活かし、若者世代を中心に語り継ぎ
ネットワークを広げたいという話で締めくくりました。

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参加者のコメントより
・白黒の水俣がカラーになるという話がとても印象深かった
・公害のことを次世代につなげるためには、まず自分自身の考えをしっかりともち
行動していくことが必要だと感じた
・どのように(公害を)を伝えていくか。難しいけど、考えていくべき、引き受けていくだと感じた

私は西淀川スタディツアーに参加したのですが
やはり現地に行き、知ることは大きな意味があるはずです。
患者さん、弁護士さん、企業の方など、いろんな立場の方の話を聞けるチャンスは
あまりないものですし、スタディツアーで学んだことを活かして、
私たち若者が公害について情報を発信していけたらと思います。

あおぞら財団インターン生 京都精華大学3年 井本晶子

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時を貫く記録の保存~公文書館と民間のアーカイブ~

2011年11月4日14:00-16:00

大阪市公文書館の講演会「時を貫く記録の保存~公文書館と民間のアーカイブ~」でエコミューズの紹介をさせていただきました。

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客層はこんな感じ

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30人程度のお客さんが来られていました。

庄屋先生からは公文書にまつわるいろいろなお話し、世界記憶遺産の山本作兵衛についてのお話がありました。

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エルライブラリーの谷合さんからはseveSMAKのおはなしや、エルライブラリーの宣伝の為に大阪マラソンに走った話など。

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いやぁ、迫力満点でした。

エコミューズとしては、まちづくりや環境教育と連動して活動している事や、国際交流で中国にも働きかけている事等をお伝えしました。

資料館の運営はどこも大変で、なかなか理解されずらいのですが「資料がある幸せ」が広まって、もっと市民に使ってもらえるようになってほしいなぁと願っています。(林)

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もりもとまきのアーキビストの目 No.22

イ病の経験を伝える
-県立イタイイタイ病資料館、来春開館-
(資料館だよりNo.38、2011/10)
紹介資料:『復元ニュース第80号・イタイイタイ病第102号』(神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会発行、2011/5)、『富山県立イタイイタイ病資料館(仮称)概要』

2009年の第1回スタディツアーでは、イタイイタイ病(イ病)の地・富山を訪れました。被害者団体(イタイイタイ病対策協議会=イ対協)、医師、弁護団、マスコミ、行政、被害者家族、企業、農家など、さまざまな立場から「イ病の今」に取り組んでおられる方々のお話を聞き、現地を歩き、私たち参加者はイ病の過去・現在のすがたを知り、その未来のために何が出来るのかを、真剣に話し合いました。
富山では来春、「県立イタイイタイ病資料館」の開館が予定されています。『復元ニュース第80号・イタイイタイ病第102号』(神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会発行、2011/5、写真下)によると、イ対協など運動団体の活動拠点である清流会館(1976年設立)には、調査の結果、約2,000点の資料が保管されていることが分かり、これらは全て資料館に提供されるそうです。

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また、語り部や解説ボランティアの養成にも取り組まれるとのことです。県が作成した資料館概要(写真下)によると、「子どもから大人まで幅広い年代や外国の人たちに、イタイイタイ病の恐ろしさや克服の歴史を時間の流れに沿ってしっかり伝え、その教訓を未来につなぐ展示」を目指すとのことです。イ病の記憶、公害の経験を伝える場が、新たに生まれます。

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☆資料館だよりNo.38はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

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京都精華大学授業 公害運動の資料を読む

2011年10月11日14:40-17:50
大気汚染公害資料の情報リテラシー~被害者・企業・行政の立場~
と題して3時間ぶっとうしの授業を京都精華大学でさせていただきました。

「公害資料を読む」と言うこと
「資料の探し方を知る」という二つを目的にしました。

まずはアイスブレーク
公害指定地域がある都道府県はどこ?
2人一組になって色を塗りました。
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15都府県あるのですが、正解者はなし。
みんな、10地域ぐらいまでしか色がぬれませんでしたが、ここで大盛り上がり。
あんまり知らないんですよね、公害地域って・・・

1.公害病認定ってなに?
公害健康被害補償法ができた経過について説明しました。

2.公害の資料を読んでみよう
(公害健康被害補償法第一種指定地域解除)
二人一組になって、下記のテーマから1つ選んでもらいました。
 公害病患者のビラチーム(記録で見る大気汚染と裁判ホームページ)
 政府・経団連の対応(経団連パンフレット、公害病患者からのパンフレット)
 国会議事録(国会議事録検索システムホームページ)

公害病患者のビラチーム(記録で見る大気汚染と裁判ホームページ)
http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/
(独立行政法人環境再生保全機構ホームページ内)
大気汚染裁判のあらまし→公害指定地域解除反対闘争ビラ
3号 http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb3.pdf
4号 http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb4.pdf
8号 http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb8.pdf
15号 http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb15.pdf
18号 http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb18.pdf
31号 http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb31.pdf
42号 http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb42.pdf
43号 http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb43.pdf
45号 http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb45.pdf
84号 http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb84.pdf
87号 http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb87.pdf
号数なし http://nihon-taikiosen.erca.go.jp/taiki/abstract/pdf/332tb105.pdf

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政府・経団連チーム(経団連パンフレット、患者会パンフレット)
(社)経済団体連合会『公害健康被害補償制度を考える―大気汚染が改善されたなかで―』
大阪から公害をなくす会、大阪公害患者の会連合会『公害被害認定患者切り捨てキャンペーンを切る』
これは、電子化していないので、エコミューズに所蔵している資料を持って行きました

国会議事録チーム(国会議事録検索システムホームページ)
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_logout.cgi?SESSION=2477
詳細検索/衆議院 98回/環境委員会/第4号(昭和58年3月18日)
→会議録(冊子)画像

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3. 読みとった資料の情報を発表しましょう
経団連のパンフレットには浮遊粒子状物質について書いていないということや、
患者が様々なデータを基に「公害が終わってない」ということを訴えている事を発表しました。

4. 環境省疫学調査の結果
公害健康被害補償法の第一種指定地域は1988年に解除されますが、その時の患者の運動によって道路沿道の調査をやると言う事が国会の付帯決議に書かれており、その調査がようやく2005年に開始され、今年の5月に発表になった事をお話ししました。
その調査はSORAプロジェクトといいます。

5.ワークシートに記入

6.グループディスカッション

・もし自分が
公害被害者の様な困難な立場に立った時、
行政側に立った時、
企業側に立った時、
どうすればいいだろうか?

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7.発表
<患者側について>
「患者は「自分のために」より「子供のために」の力が強いと言う事が分かったけれど、自分がデモや座り込みまで行けるかどうかは分からない。」
「情報を集めるのが大切。外からの協力者を得る事が大切」

<企業について>
「企業側が言い逃れしたくなるのはわかる。会社がつぶれるのはいやだ」
「立場によってできる事が違う」
「前任者がやっていた責任を、後任者が取らないといけないの?」

<行政について>
「原因を調べるのが大切」
「企業より出来る事が多いのではないか」
などなど、様々な意見が出ました。

また、「全部国が悪いと言うのは違うと思う。一人ひとりが生活スタイルを見直す事が大切ではないか。自動車輸送に頼っている社会を変えていく事も大切」なんて事も出てきました。

8.ふりかえり

<感想>
●たくさんある資料を短時間で読み取るのは難しかった。本のようにわかりやすくまとめられた情報ではないので、難しい。でも、今回の資料はあらかじめ集められてネット上に見やすいように公開されているものだったけれど、自分で集めるところからしようと思ったら相当に困難だろうと思った。運動をするというのはとても負担の大きい事だと思うし、続けていくとなればなおさらで、いつ終わるかもわからなかったり、いい結果がでるかもわからなかったりする。もっと“声を上げる”ことが難しくなくなればいいと思うし、その声に耳を傾けることができる社会であればいいな、と思った。

●4限 公害のある地域を塗るというワークをしてみて、4大公害を答えた時点でいき詰まってしまいました。九州には、ほぼすべての県に非特定疾患という公害があるのに、全く知りませんでした。何度か公害の授業も受けて、お話も聞いているのにまだ自分の中で、公害問題は現在進行形で起こっているという意識が足りないのだろうなと思いました。 5限 自分がもし公害の被害者になった時に、抗議のビラを作り続けたり座り込む根性があるかといわれたら多分そこまでの根性はありません。改めて、公害患者さんのパワーはすごいなと感じました。しかし、もし自分ではなく家族がそうなった場合場合違うと思います。子どもがそうなったら、親としてはなんとしてでも抗議を続けるだろうと思います。

●公害健康被害補償法にて指定された公害地域が15コもあることと、九州地方が意外と多いことに驚いた。工業ベルトがある所は考えやすく選びやすかったけど、九州に至ってた、いろいろあるが海をつたって広がっているのがわかった。工場(Sox)から道路・車(Nox)の公害に移行し、安全性の考えかた、障害保険の賠償などは、今の原発の事故により周辺海域などで基準を超える放射性物質の問題と似ている。勝手に基準値をあげて「大丈夫・安心です」って言ってるのと同じ。

●林さんによる公害についてのお話で、グル―プでそれぞれの立場の資料を読むのに公害病患者のビラを選択しましたが、公害病患者のビラにはとても切実な思いが込められていたように感じました。訴えている内容を読み考えてみれば、どう考えても正しいと思えることが多く、政府や経団連がその訴えを受け入れないのか、国はどうしているのか、と憤りに似た苦しさを感じました。しかし、最後にそれぞれの立場に立った場合どうするか、という質問を考えてみると、確かにそれぞれ自分の立場を守るための行動をしてしまうのだと、その結果が、今回見た問題のリアルな部分なんだということを強く感じたと共に、悲しいですが人間は無意識にでも意識的にも利己的な考え方をして生きているのだろうなということがわかったような気がしました…。

●地図をみてもどこで公害があったかなど、全くわからず、こんな状態ではまずいと焦りました。考えればわかりそうなことですが、知らないくせに公害をなくそうなんて言えません。公害を中心に、三者の立場になって考えてみましたが、都合の良いノーマルな平等な立場はないんだと感じ、それでも自分の生活・環境を必死で守るんだろうなと思うと、我儘で嫌な気分になりました。だからこそ、最後に林さんがおっしゃった「自分の世界だけでなく、どうやって話し合いをするのか。そこで人間力が問われる」という意味が必要なんだと思います。
●経団連という企業集団と政府に対して運動を起こしている公害被害者。その運動は莫大な財力と権力を持っている組織に対するものであり、何を言っても通じない相手を動かし、手の込んだ策略と戦わねばならない。策略と言うのは正確かどうかわからないが、今日見せてもらった経団連の公害健康被害補償制度のパンフレットにはアメリカの基準と比較して日本の方が汚染が軽い、ぜん息や気管支炎は一般的に存在している病気である、汚染が改善されたのに未だに認定患者が増え続けていて多額の補償金を支払っている(偽患者だと言いたい?)などと書かれており、大気汚染公害は終わった問題として語いる。よく気をつけて見れば情報の欠落(浮遊粒子状物質の量や、大気汚染が起っていたとされる時期の認定患者数の増加(年間)など)があり、多くの人が読む可能性があるのに大気汚染と健康被害は関係ないと断言してしまうには参考情報が少なさなど資料としての不十分さを見つけることができる。だが、データが示されて医学者の見識が書かれ、大気汚染が改善されたと呪文のように繰り返されているのでこれを読んで信じる人はいるだろう。 公害被害を受けた人々は政府・企業でない一部の国民の批判とも戦わなければならない可能性がある。そのことを考えたとき、自分が実際に公害の被害を受けた場合に運動を起こせるのか自信がない。(どうしようもなく追い詰められれば行動するのかもしれない)だが、運動をした人々がいなかったら大気汚染は今よりももっとひどく、公害被害者に対する補償も少しでも存在しなかった。公害などの企業・政府が起こした事件に対して批判・抵抗運動が重要なのは確かで、市民はいつでも声を上げることのできるように準備をしておかなければならない。準備というのは政治や社会問題について知識を集め、何か起こった時に自分たちの主張を声にする力を養っておくことであり、政府・企業の動きに対して批判的に見るクセをつけておくこと。そういう力を身につけるために私は大学にいるのだと思う。

●立場ってすごく難しいことだと感じた。やっぱりどうしても、自分の有利な立場に持っていきがちだと思うのだが、そんな中でどの立場になっても変わらずにもてる考えや意見を自分がしっかりと持っていられる事が重要なんだと思う。これって簡単そうだけど、凄く難しい事だから。感情を常に一定に保てる人なんて居ないと思うしコントロールって凄く大変な事。できればこういう事からは避けていたいとも感じてしまう。林さんは凄くわかりやすく説明してくれた。内容は難しかったが、とてもいい時間になったように感じる。被害者、加害者、その人たちを支えようとしている人たち。どんな場合でも人々が上手く一つになる事は、もしかしたら無いのかもしれない。

●公害についてわたしは四大公害くらいしか知らなくて、15県もあって驚いた。公害は国によって勝手に終わったことにされようとしていて、もみ消されようとしている。それは国の汚点であると言ってるようなものだと思うし、忘れ去られるようにされていることは患者さんたちにとってとても悲しいことだと思う。だけど、実際に目の当たりにしたことのないわたしたちもまた政府と同じ立場だと思った。ワークショップで、人によって気づかない点がいろいろあるとおもった。政府と患者の意見がぶつかりあっていて、法案改正にどちらかしかいないのはありえないとおもった。わたしたちが知らないことは仕方のないことではなくて、公害の問題を解決するのは、政府や企業、被害者だけのせいだけではなくて、時代が流れて忘れていっている国民全員だとおもう。
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パソコンが使える部屋だったので、インターネット上に掲載されている資料を読む事ができました。
公害のことは「こういう事があったよ」と言うよりも、資料を見てもらって、自分がその社会にいたとしたらどう行動したらいいかを考えると身近に捉える事ができるのではないかなと思います。この様な授業を展開したのは初めてですが、可能性を感じた次第です。やってみたいと言う方がいればご連絡下さい。(林)

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大阪歴史科学協議会の受け入れをしました

2011年10月16日13:00-17:00

大阪歴史科学協議会の10月例会「近現代大阪の都市掲揚と地域社会の変容-西淀川を歩く-」が開催されました。
私(林)は受け入れのお手伝いをさせていただきました。参加者はなんと20名。雨の予報もありましたが、好天に恵まれました。

福駅から大野川緑陰道路、福の住吉神社、福漁港に向かい、福漁港に大阪市漁協の北村泰規さんからお話を伺いました。
淀川の土手で外島保養院の説明があり、それから、43号線に向かい、ユニクロの前で43号線の説明をしました。
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姫島通で「ここは工業地帯です」のポスターを見てから、西淀川公害医療センター、姫島神社、大野川緑陰道路、あおぞら財団というコースです。

受け入れの準備は歴科協の委員の方々がされたのですが、いっぱい史料が掲載されていて、さすがだなぁと思いました。
姫島神社で玉垣に掘られている名前が話題に出た時に、他の受け入れの人たちと関心事が違う・・・と唸ってしまいました。
私も歴史系の人間ですが、目線が他の人たちと違うなぁと 驚きが大きな受け入れとなりました。

私は古い写真を用意していったのですが、大野川の埋め立てられる前のゴミがいっぱいの写真や淀川の土手から撮影した写真はインパクトがあったようです。これからの受け入れは写真を多用するようにしたいと思います。
14黒くかすんだ西淀川
この受け入れには大阪市漁協組合の北村英一郎理事長も同行して下さり、昔の西淀川の様子を端々で語っていただきました。 大気汚染で落ちてきたスズメを見たとの話はインパクト抜群。勉強になりました。ありがとうございました。(林)

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エコミューズ活動報告書 第4・5合併号 完成しました

エコミューズの活動報告書がようやくできました。

活動報告書2009-2010表紙

2009年度、2010年度の活動をまとめたものです。

今年はカラ―で作成してみました。

いかがでしょうか?感想がありましたらぜひお寄せください。

(林)

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エコミューズHPの更新

僕は、9月7日にエコミューズのHPの更新をしました。
無題

上の写真は、エコミューズの研修受入のページであり、最近の受入例がなかったため、同サイトのブログから1つ1つ入力して更新しました。また、そのブログに行くようにリンクも挿入しました。

また、他にも出張授業のページも先ほどと同じように更新したり、活動報告書のリンクを直したり、エコミューズに僕達のブログを投稿したりなど、色々な作業をしました。

この作業は、細かいことが多かったので、ページを編集する作業に慣れていても、3時間以上かかりましたので、かなり疲れました。けど、この作業を通して色々な人が研修に来たり、様々なところへ出張授業をしていることを知ることができました。また、韓国人など様々な方が財団に訪問していることに驚きました。

あおぞら財団インターン生 近畿大学3回生 榎田 健二

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