starQの皆様が見学に来てくれました

2011年3月26日(土)10:00~11:30

シニア自然大学のサークル「starQ」のみなさんがエコミューズに見学に来てくれました。
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資料館で説明した後、屋上に上って西淀川区の説明をしました
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とっても意欲的なシニアの方々で
原発事故とデータの読み方の話になった時に
公害運動の中でデータを読む力が重要だったということを述べたところ
「公害の経験が今回の震災に生きると思う」
との言葉を頂きました。
また、あおぞら財団初期のころにシンポジウムに来てくれたという方もいました。
現在の活動内容を見て感心してくださり、
とてもうれしくなりました。
(林)

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もりもとまきのアーキビストの目 No.18

四日市公害の現在-記録人・澤井余志郎さん-
(資料館だより35号、2011/03)
紹介資料:ドキュメンタリー『記録人・澤井余志郎 四日市公害の半世紀』(2010年)

今回は、エコミューズ所蔵の映像資料のなかから、昨年11月に東海テレビで放送されたドキュメンタリー『記録人・澤井余志郎 四日市公害の半世紀』(DVD、カラー51分、四日市再生「公害市民塾」より寄贈、資料No.312)を紹介します。

青い空のために、記録しつづける

青い空のために、記録しつづける

四日市大気汚染公害は1960年代、四日市コンビナートの排煙によって引き起こされ、多くの住民が呼吸器疾患に苦しみました。澤井さんは40年以上にわたって被害者の訴えに耳を傾け、記録集を発行し、市民やマスコミに公害の実態を知らせ続けてきました。番組では、そんな澤井さんの活動に一年間密着しながら、四日市の現在の姿―ぜん息発作と闘いながら語り部活動に取り組む公害患者や、「公害患者」として認定されず救済されない被害者の存在、工場排水による汚染で魚が住めなくなった海、環境を軽視する企業の不祥事などを映し出していきます(番組公式HPはこちら)。

きれいな空気や美しい海を取り戻し、本当の意味で公害を克服するためには、いったい誰が、何をすべきなのか。自分には、何が出来るのか―多くの問いを投げかけられるドキュメンタリーです。

☆資料館だより35号はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

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もりもとまきのアーキビストの目 No.17

学び舎を覆う空気の汚れ-教育現場の健康被害-
(資料館だより34号、2011/01)
紹介資料:『西淀川全保育所のアンケート回答まとめ』(1970~71年)、大阪市立福小学校『公害白書』(1970年)

子どもたちが元気に駆け回るはずの学び舎にも、大気汚染による健康被害が広がっていたことを伝えるエコミューズ所蔵資料を紹介します。

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子どもも大人も、公害のただなかに

子どもも大人も、公害のただなかに

『西淀川全保育所のアンケート回答まとめ』(’70~’71年、谷智恵子弁護士資料No.38、写真上)は、区内全保育所児童の健康状態に関する調査結果です。「3ヶ月もつづかないが、よくせきがでますか」との質問には約45%が症状を訴えており、全児童の約1割にあたる60名が公害病の認定を受けています。また、福小学校が独自に作成した同校の『公害白書』(’70年、同No.96、同下)によると、6年生の約20~30%に喉の痛み、頭痛、咳、痰の症状があり、教員のほぼ全員が、咳、鼻づまり、喉の痛みなどを訴えています。教員からは、窓を開けられないので冷房を設置してほしい、喉が痛く声が出にくいので学級児童数を30人以下に減らしてほしいといった要望が出ています。公害の真っ只中にある教育現場の実情を、ありありと伝える資料です。

☆資料館だより34号はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

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もりもとまきのアーキビストの目 No.16

教育現場で、公害と向き合う-出来島小学校の取り組み-
(資料館だより33号、2010/11)
紹介資料:『大阪市立出来島小学校 昭和45年度公害対策研究指定校 研究発表紀要』

今回は、エコミューズ所蔵資料『大阪市立出来島小学校 昭和45年度公害対策研究指定校 研究発表紀要』(谷智恵子弁護士資料No.84)を紹介します。同小学校は’70年度・’71年度に、大阪府・市、両教育委員会から「公害対策研究学校」の指定を受け、教職員は児童に対する保健指導や公害学習の指導方法を研究・実践しました。この紀要は’70年度の取り組みがまとめられたものです。

教職員の熱意が伝わる

教職員の熱意が伝わる

大気汚染から児童を守るため、学校独自で大気汚染注意報(二酸化硫黄0.25ppm以上)・警報(0.4ppm以上)の基準を作り、警報時には、体育は講堂内・教室内で実施または中止、休憩時間は屋外に出させない等のルールを設け、空気清浄機の設置やうがい施設の整備など施設面での対策も図られました。また、ぜん息児童の保護者を対象に健康相談を開いたり、「ぜん息日記」や「ぜんそくカルテ」を作ったりして、一人ひとりの症状の把握と改善に努めました。さらに大気汚染に関する学習を、道徳、社会科、体育、学校行事、学級指導などで実施するなど、公害教育にも積極的に取り組んでいます。

学校教育の現場が、公害から児童を守り、そして立ち向かう力を育てるために奮闘するようすを伝える資料です。

☆資料館だより33号はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

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もりもとまきのアーキビストの目 No.15

若い力で、伝えていく。-『四日市環境情報誌 なたね通信』-
(資料館だより32号、2010/09)
紹介資料:四日市再生公害市民塾『四日市環境情報誌 なたね通信』

今回は、エコミューズに届くたくさんのミニコミ誌のなかから、「四日市再生公害市民塾」の20代の若手メンバーが発行している『なたね通信』(偶数月1日発行)を紹介します。

若い感性が光る

若い感性が光る

四日市大気汚染公害は、1960年代に本格的に稼動、急速に規模を拡大した、発電所、石油精製工場、化学工場からなる四日市コンビナートの排煙によって引き起こされました。多くの住民が呼吸器疾患に苦しみ、小学校には「うがい場」が設置され、児童たちが一日6回のうがいを行うほどでした。「四日市再生公害市民塾」は、こうした公害の経験を風化させることなく、後世に教訓を伝えていこうと活動している市民グループです。その若手メンバーの取材・編集による『なたね通信』の誌面は、「語り部養成プログラム」や「四日市公害を学ぶスタディツアー」の企画・実践報告、また地元特産の小女子(こうなご:イカナゴの別称)漁に同行取材、そして市内企業のヒット商品をレポートと、とてもアクティブ。

次世代の若者たちが、公害の記憶・まちの記憶を語り継ぐためにチャレンジする姿が、いきいきと伝わってくるミニコミ誌です。

☆資料館だより32号はこちら

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

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自治体文書館が目ざすべき道

あおぞら財団も参画している地域資料シンポ実行委員会の研究会の案内です

■地域資料シンポ拡大研究会(通算第2回)■
(地域資料研究会2010年度第2回と共催)

自治体文書館が目ざすべき道
―公文書管理法施行をひかえて―

地域資料シンポ実行委員会では、本年4月の公文書管理法施行とここ数年取り組んできた大阪府・市公文書館問題をにらんで、今回、下記の拡大研究会を企画しました。
今回は、神奈川県立公文書館の石原一則さん(内閣府の公文書管理委員会のメンバーでもあります)をお招きして、神奈川県での長年の経験、公文書管理法の内容や課題、現在進行中の国による公文書管理・公開体制の準備状況などもふまえ、今後、自治体文書館が目ざすべき方向性について論じていただきます。
あわせて実行委員会からの問題提起では、大阪府・市公文書館問題の最新の状況についても紹介し、大阪地域における今後の課題について議論したいと思います。
ふるってのご参加をお待ちしています。

日時 2011年3月12日(土) 17:30~20:00ごろ (*開始時間にご注意ください)
場所 キャンパスポート大阪(大学コンソーシアム大阪)(電話:06-6344-9560)
(地下鉄梅田駅またはJR北新地駅下車、大阪駅前第2ビル4階) 右下の地図参照
URL→http://www.consortium-osaka.gr.jp/about/access.html
内容
・問題提起:地域資料シンポ実行委員会事務局
「大阪府市公文書館問題の到達点と課題」
・メイン報告:石原一則氏 (神奈川県立公文書館・公文書管理委員会委員)
「公文書管理法と神奈川県立公文書館」

*終了後、ささやかな懇親の場をもちます。

主催 地域資料シンポ実行委員会
(構成団体:あおぞら財団、大阪歴史科学協議会、大阪歴史学会、西山夘三記念すまい・まちづくり文庫、地域資料研究会)

連絡・問い合わせ先:
地域資料シンポ実行委員会事務局
〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138
大阪市立大学大学院文学研究科 日本史学教室
(大阪歴科協研究委員、佐賀 朝、06-6605-2398)

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環境省環境問題史現地研修 受入

日にち:2011年2月9日(水)~10日(木)
テーマ:大気汚染公害被害の現場とあおぞら財団の見学
参加者:環境省、近畿地方環境事務所、(独法)環境再生保全機構の職員
1日目12人/2日目9人

環境省職員の環境問題史現地研修の受入れを2日間にわたって
おこないました。昨年に引き続き、1泊2日のコースです。

1日目(9日)
13:00  あおぞら財団集合
13:00~ 西淀川公害の概要を説明
DVD「西淀川公害裁判をたたかう」「公害経験を語り継ぐ」視聴
13:30~ 公害患者の話:和田美頭子さん
13:45~ 森脇君雄理事の話「公害反対運動から地域再生へ」
あおぞら財団活動紹介
15:30~ 西淀川高等学校にて環境教育、菜の花プロジェクトについて紹介
17:00~ 感想、ふりかえりワークショップ

2日目(10日)
9:30   あおぞら財団集合
9:30~  村松昭夫弁護士(財団理事長)「西淀川公害訴訟と現在の活動」
11:30~ デイサービスセンター「あおぞら苑」見学、昼食
13:30~ 自転車で西淀川区内フィールドワーク
15:30~ まとめ、成果発表
17:00  解散


香川出身の和田美頭子さん(西淀川公害患者と家族の会)は、
まさか自分が公害病になるなんて思いもしなかったこと、
ぜん息の発作が出たときは不安と恐怖でいっぱいになることなどを語り、
「公害は人間がつくりだしたもの。自然に出てきたわけじゃない。
であれば、人間が努力して、無くさなければならない」と述べました。

自身も公害患者で西淀川で公害反対運動のリーダーとして活動
してきた森脇君雄理事は、公害健康被害補償法がつくられたときの
いきさつなどを話しました。


その後、西淀川高校に移動し、高校生や教員から、同校での環境教育や
菜の花プロジェクトについて紹介がありました。
また、BDF精製機や菜の花畑を見学しました。


夕方、あおぞら財団に戻ってきて、それぞれ、1日目の感想をポストイットに
記入し、出し合いました。


2日目は、財団理事長の村松昭夫弁護士の話からはじまりました。
村松理事長からは、裁判では運動班を作り世論を動かしていったこと、
裁判が終わった後の取り組み(あおぞら財団)などの話がありました。
また質疑応答では、弁護士を志した出発点などについて答えました。


次に、自転車でデイサービスセンター「あおぞら苑」に移動しました。
同苑は、あおぞら財団と同じく、西淀川公害裁判における企業との和解金
の一部をもとに4年前につくられた施設で、元・西淀川公害患者と家族の会
事務局長の辰巳致さんが施設長です。
約15年前、当時、旅行社に勤めていた辰巳さんが森脇さんと偶然出会い、
辰巳さんにとっては地元である西淀川の地域再生・まちづくりにかかわって
いった経過や、あおぞら苑を「西淀川のオアシス」にしようと信念をもって、
あきらめずに活動している様子を聞きました。

患者会の会員で、現在、あおぞら苑を利用している塚口アキエさん(92歳)や
北村ヨシエさん(91歳)とおしゃべりし、次はいよいよ2チームに分かれて
自転車で区内のフィールドワークをおこないました。




チームは、佃チームと矢倉チーム。
お天気は良いものの、寒いなか、約1時間半ほど走りました。
あおぞら財団に帰ったあとは、街を実際に見ての、感想や思うところ、
まちづくりのアイデアなどを出し合い、成果発表会をおこないました。

最後に研修生のみなさんが一人ひとり、2日間の感想を述べて終了
しました。
「現場を見て、わたったこと、学んだことを仕事にいかしていきたい」
「公害は過去のものではないことがわかった」
「また、来年も来ます!」
といった言葉が聞かれました。

このように、研修生の方々が、西淀川公害や地域再生に関して、
いろんな立場の人たちの話を聞き、区内をまわった上で、
感じたこと、わかったこと、アイデアなどを発表すると、
それを聞く私たち財団スタッフにとっては、外からの目で見た、
西淀川区やあおぞら財団の姿を感じることができます。

自転車で区内をまわったとき、
国道43号線沿いや、工場集積地では、排ガスや臭いで自転車で
走ることがつらくなった、といった感想がありました。
確かにそのとおりだと思います。
数字や文字だけではわからない現場での体験を、環境省のみなさんと
共有できてよかったと思います。

鎗山善理子(あおぞら財団スタッフ)

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来館者が1,800人を突破しました

エコミューズの来館者が2010年12月17日現在、1,814人となりました (2006年3月18日開館以降)。

今回は1,800人目の当館の利用者・生駒和也さん(大阪大学工学部4回生)にインタビューさせていただきました。生駒さんは当館の資料を活用して、卒業論文に取り組んでいます。

Q.卒業論文はどんなテーマですか?
―西淀川公害を解決するために、住民・行政・企業が、それぞれどんな思いで何をしたか、また、どのように連携したか、ということに関心があります。

Q.当館の、どんな資料を利用していますか?
―西淀川地域の歴史、患者会の活動や裁判の記録などです。エコミューズには資料が山ほどあって、しかも全部卒論のテーマに関係したものなので、読むのは大変ですが、順調に完成に近づいています。

Q.これからの抱負をお願いします。
―卒論提出まで残り1ヶ月、寒さに負けず頑張ります。

生駒さん、ありがとうございました。卒業論文、楽しみです!

エコミューズでは、所蔵資料の閲覧利用はもちろんのこと、さまざまな見学・研修プログラムも提供しています。大気汚染公害の歴史、西淀川地域の歴史や文化、自然環境など、さまざまなテーマを学ぶことが出来ます。

当館の見学・研修プログラムの例はこちら

ぜひエコミューズに足をお運び下さい。

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

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大阪大学工学部地球総合工学科学生受け入れ

2010年12月15日
大阪大学工学部地球総合工学科14名を受け入れました。

大阪大学工学部の新田保次先生はあおぞら財団の理事で、
自転車や福祉交通、エコドライブを産官民の連携で進めていることや
松村暢彦先生とフードマイレージや大気汚染ブロックなど教材作成を一緒にしていることなど
NPOと大学がどのように連携しているか、
NPOとはどういうところなのかということをお話しました。

話をしても、なかなかわからないかなと思い、
アイスブレーク(「環境」ということで連想する言葉を1分間で書き出す)や

自分の故郷の地域の課題と改善したい点などを書き出して発表したり、
まちづくりや環境についてNPOができることは何かを伝えました。

1時間という短い時間だったので、どれだけ理解してもらえたかわかりませんが、
一緒に活動する人が増えればうれしいなぁと感じます。
(林美帆)

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ポスターセッションしました。全史料協京都大会

2010年11月24~25日
京都テルサにて、全国歴史資料保存利用機関連絡協議会京都大会が開催されました。
エコミューズの鎗山、林も資料館の情報を得るために参加してきました。

24日の午前中は京都府立総合資料館の見学があり
国宝の東寺百合文書を見せてもらいました。

本物を見ると感動します。
資料は、文字情報だけが大切ではなくて、保存されている状態も情報として重要だということを体感しました。

ポスターセッションはこんな感じです

昨年の福島大会で報告させてもらったこともあり、
声をかけてくださる方が沢山おり、とてもうれしかったです。
資料を保存することの重要性を理解してもらうのはとても苦労が多く
その苦労話を聞いたり、活用方法などを聞いたりして
全国に仲間がいるんだなぁと心強く感じました。

(林美帆)

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