行ってきました、みずしま財団-倉敷大気汚染公害裁判の資料を訪ねて

エコミューズスタッフの森本です。
いまエコミューズでは、全国各地の大気汚染公害裁判の現場で、どんな資料がどのように残されているのかを、現地を訪ねて調べています。
公害って、大気汚染って、なんだろう?
裁判って、どんなことをしたの?
―そんな「?」が浮かんだとき、生の資料はたくさんの「!」を私たちに伝えてくれます。

今回は5/28(金)に、岡山県倉敷市の(財)水島地域環境再生財団(みずしま財団)に行ってきました。
みずしま財団のホームページはこちら

お話をうかがった、みずしま財団の太田映知さんと白神加奈子さんです。

太田さんは、倉敷公害訴訟原告団の事務局長をつとめ、現在はみずしま財団の専務理事・事務局長、また「全国公害患者の会連合会」の事務局長をつとめられています。
その資料はここにある、あの資料はあそこにある、この資料はそこにあるなぁ―太田さんのあたまには、資料の情報がいっぱいです。そのどれもが、倉敷の公害裁判の歴史をありありと伝える資料です。私たちは、メモするのに必死です!

資料が保存されている「倉敷市公害患者と家族の会」資料室です。

貴重な資料を伝え、活用していくにはどうしたらいいのか、私たちに何が出来るのか―たくさんの課題と、その先にある希望を感じた調査となりました。

さて、この日はもうひとつ、大きなミッションがありました。

エフエムくらしき「週刊くらしき HAPPY RADIO」への生出演!!です。

この番組のワンコーナー「みみみみずしま財団 エコらぼFriday!!」で、「スタディツアー2010新潟」をPRすることになりました。

パーソナリティの大谷利文さんです。

素敵な声で、私たちを紹介して下さいます!!
 
緊張する! しかも生放送!!
舞い上がりつつも…
 
しっかりスタディツアーの魅力を紹介する林研究員です。

FM放送という地域とのコミュニケーションツールを実体験することができ、刺激的でした!

みずしま財団の皆さま、エフエムくらしきの皆さま、ありがとうございました!

(エコミューズスタッフ 森本 米紀)

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公害地域の今を伝えるスタディツアー2010新潟 募集

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公害地域の今を伝える
スタディツアー2010
~新潟・水俣病の地を訪ねて~
参加者募集
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ちらしはこちら
http://www.aozora.jpn.org/pdf/10studytour.pdf

■現在、マスメディアを騒がしている「水俣病」問題について、
 過去の歴史、現在の成果、残された課題を現地で読み解いて見ませんか。
■見学やヒアリングから得た知識をワークショップを通じて参加型で学びます。
■スタディツアーの前には事前勉強会を用意しています。
■参加者は現地で学んだことを、次は発信者として、伝えていくことを目指します。

【日程】
●スタディツアー  2010年8月5日(木)・6日(金)・7日(土)・8日(日)の4日間

●事前勉強会 講師 関礼子氏(立教大学社会学部現代文化学科教授)  
       7月11日(日)都留文科大学
       7月18日(日)あおぞら財団
       ※いずれかの会場でご参加ください

【定員】40名
【参加費】10,000円(食費相当分の負担をお願います)
【対象者】公害・環境問題に関心をもち、
     持続可能な地域づくりに取り組む意欲のある人
     参加記録の執筆をしてもらいます。
     それらの情報を元に新しい公害教育の教材および冊子を作成します。
【主催】あおぞら財団(財団法人公害地域再生センター)

【スタディツアーでのおもな訪問・ヒアリング先】(予定)
●訪問先=環境と人間のふれあい館―新潟水俣病資料館―、昭和電工跡地、漁村など
●ヒアリング先=被害者、活動支援者、医師・弁護士関係者、行政など
【集合】
1.現地集合
2.関西(大阪駅、竹田駅)
3.関東(未定 候補先:大月駅、都留文科大学)
にて集合後、バスで現地へ移動。

【申込み方法・締め切り】
・氏名、連絡先(住所・電話番号・メールアドレス)、所属を記入の上、
 あおぞら財団に連絡をお願いします。
・締め切り=定員になり次第しめきります

【協力専門家・スタッフ】(五十音順)
板倉豊・京都精華大学教授
井上有一・京都精華大学教授
大滝あや・Tao舎代表
小田康徳・大阪電気通信大学、西淀川・公害と環境資料館館長
高田研・都留文科大学教授、あおぞら財団理事
西村仁志・同志社大学准教授
あおぞら財団事務局(林、藤江、鎗山)

【連絡・問い合わせ先】
〒555-0013大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4F
あおぞら財団(財団法人公害地域再生センター)
TEL:06-6475-8885 FAX:06-6478-5885  
http://www.aozora.or.jp/ webmaster@aozora.or.jp
※本事業は(独法)環境再生保全機構地球環境基金助成事業の一環です。
※いただいた個人情報は本事業の目的以外には使用しません。

=======以下、申込事項=======
公害地域のいまを伝えるスタディツアー2010
~新潟・水俣病の地を訪ねて~

氏名

住所 〒

電話番号

緊急時/帰省先等

メールアドレス

所属  

参加動機、問題意識など

その他、要望、ご質問など

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四日市公害スタディツアー

2010年3月24日

四日市公害スタディツアーに参加してきました。
このツアーは四日市再生公害市民塾の若手メンバーである榊枝さんが企画したものです。

午前中は化学会社OBの米屋倍夫氏から「四日市コンビナートと環境対策」と題してお話がありました。
巨大な四日市のコンビナートの中で何が作られているか、ということをわかりやすく解説してもらいました。

午後は塩浜地区へのフィールドワークです。
雨が降る中、車に2台に分乗して塩浜小学校へ。
その途中に三菱化学の巨大工場を横切ります。
途中にはこんな看板も。

塩浜小学校に到着したとたん、
目が痛くなりました。
学校のすぐそばにコンビナートがあります。
余りにも近いので本当にびっくりしました。


塩浜小学校の部屋で澤井余志郎氏、山本勝治氏、伊藤三男氏から解説がありました。

塩浜小学校の児童は、活性炭入りの黄色いマスクをつけて通学していたら
その黄色いマスクが四日市公害の象徴となったこと、
保健室には養護教員が複数配置されて、6台のベットには発作を起こした子どもが寝ていたこと
一日6回うがいをしたことなどが述べられました。

うがい場では実際にうがいをしてみました。
一日6回のうがいとなると、休み時間中ずっとしていたことになります。
このときの児童は大変やったやろうなぁと思いました。

また、展望台となっているテラスから、コンビナートを一望します。

その後、磯津地区へと行きました。
鈴鹿川の対岸には、工場がずらり。

ここでも目が痛くて、においがして、びっくりしました。
澤井さんたちに訴えると
「私らはにおいが気がつかない。慣れてしまっている」
とのこと。
私も西淀川でにおいや、音などは慣れてしまっているけれど、
四日市は化学のにおいがして、西淀川との違いを感じました。
現地に行くと、コンビナートと住民の近さに驚きを受けました。
これだと公害を受けるのは当然だと納得しました。
四日市の市民もなかなかこの場所には来ないとのこと。
多くの人に現地を見てもらいたいと切に願います。
そのことによって、わだかまりや誤解が少しでもなくなるのではないかと思います。

当時のことを知っている人たちから語られると、当時の風景がよみがえってくるようです。
当時を体験しない世代が公害のことを伝えるにはどうすればいいか
私達も悩んでいるところですが、
こういう「伝える」取り組みを増やして経験をつむことしかないのかなぁと思いました。
(林美帆)

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あおぞら苑からの訪問


3月17日、エコミューズ(西淀川 公害と環境資料館)を12人のあおぞら苑利用者の方が訪れました。あおぞら苑については(コチラ
資料館に残されている公害裁判の資料や、戦前、西淀川で栄えた溝口歯車工場の資料などをご覧になりました。
                  森脇理事も談話に参加しました

当時の様子を語ってくださる方もいて、皆さんのお話がそのまま西淀川の郷土資料だなと感じました。
ぜひ、またお越しください。

あおぞら財団 森井

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環境省環境問題史現地研修 受入

2010年2月9日~10日

毎年環境省の職員研修を受け入れていますが、
半日の研修だったので現地を見てもらうことが困難でした。

今年は、1泊2日の日程となり
講義と現地見学のバランスが良い研修となりました。

一日目(9日)
西淀川公害の概要と
公害患者からの話

フィールドワーク
<車組>
千北診療所でお話を伺う

尼崎の工場群を車で見学
21世紀の森で湾岸部の全体像を確認

43号線でロードプライシングの表示を見る

<自転車組>
淀川などを見ました

2日目
リバティおおさか(大阪人権博物館)見学

車で大阪湾岸部を確認

あおぞら苑で昼食

高齢者から話を伺う

西淀川高校で環境教育の話を伺う

フィールドワークまとめ

発表

皆さんの感想には、
「ロードプライシングの計算を仕事でもしていたが、実際に現場を見れて良かった。西淀川に流入する車に課金しては?」
「患者さんが現在もがんばり続けていることに感激した」
「みなさんが前向きで、お金がなくても智恵を出そうという姿勢に感動した」
「地域再生の活動をもっと知ってもらうために5大公害といってはどうか」
などなど寄せられました。

私もこのような長期の受入をすることがありませんでしたが
西淀川では、
地域再生に取り組む前向きで明るい人たちと触れ合えるということが
財産なのではないかと思いました。
(林)

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全史料協福島大会でエコミューズの報告をしました

2009年11月19日(木)
第35回全国歴史資料保存利用機関連絡協議会全国(福島)大会
わたくしたちのアーカイブズ―公文書と地域資料―

西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)の活動報告を行いました。
この大会の副題に公文書と地域資料とあるのですが
エコミューズの活動が民間アーカイブズの拡がりとして捉えられており
「わたくしたちのアーカイブズ」にふさわしいと評価されました。

伝えるテーマがあるということ、
まちづくりや教育の事業と共にあること
利用を常に念頭において活動していかなければ受け入れられないこと
などなど、日々活動していて感じていることを報告しました。
日々こつこつと活動していることを評価してもらい、とても勇気付けられました。

資料館の問題として、利用がなかなか促進されないという課題があるのですが
学校教育や新聞などと協力して利用を促進している報告も聞けて
とても参考になりました。

これからも日々がんばっていこうと思います。
(林)

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西淀川図書館で廃油キャンドルづくり

阪市図書館フェスティバルの一環で、10月30日に西淀川図書館で廃油キャンドルづくりをしました。
親子連れなど40人ほどがこられて、盛況に終えることができました。

ご家庭で使ったてんぷら油から、きれいなキャンドルを作ります。
用意するものは、てんぷら油、廃油用の凝固剤(固めるテンプル的なもの)、たこ糸、割り箸、キャンドル用のビン、クレヨン、エッセンシャルオイルです。

クレヨンを削り、あたためた油に溶かします。
凝固剤、エッセンシャルオイルを入れて、凝固剤が溶けきる温度まで熱します。

たこ糸を割り箸で挟み、ビンの中につりさげ、油を入れます。
固まるまで待てばできあがり。
固まってから別の色の油をそそげば、二色のキャンドルも作れます。

ただの廃油から、驚くほどきれいなキャンドルができます。
ハロウィーンやクリスマスで使いたいとおっしゃる方もいました。

ゴミになるだけの廃油をきれいなキャンドルに、みなさんもぜひどうぞ。

(財団スタッフ 田尻)

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もりもとまきのアーキビストの目 No.9

「イタイイタイ病」を知る―清流への願い新たに―
(資料館だより26号、2009/09)
紹介資料:『イタイイタイ病』第32号(イタイイタイ病対策協議会発行、1975年1月)

エコミューズでは、全国各地の公害に関するさまざまな資料を所蔵しています。今回は、『イタイイタイ病』第32号(イタイイタイ病対策協議会発行、1975年1月)を紹介します。
ecomuse

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病の苦しみ、土壌復元への願いが溢れる

イタイイタイ病(イ病)とは、三井金属神岡鉱業所(現・神岡鉱業㈱)から長年神通川(じんづうがわ)に流された、カドミウムを含む鉱廃水による公害病です。患者の多くは中高年の女性で、腎障害の悪化による骨の異常に、「痛い痛い」と苦しみました。土壌汚染による農業被害も深刻でした。紙面では、一人の女性患者の声が紹介されています―「私の体は毛頭昔のようには治らないでせう。私は我慢します。しかしこれからの若い人だけには絶対にイタイイタイ病にならないようにして下さい。田んぼの復元工事が出来て、安心して米が作られ、イ病の心配がなくなる日が一日も早くくることを心から願っています」。イ病訴訟完全勝利(1972年8月)から37年の月日が経った現在、土壌復元事業は2011年度完了予定となり、このような被害が二度と繰り返されないよう、公設資料館の建設も目指されています。この女性の悲痛な願いを、決して忘れてはならない―、神通川の清流を前に、その思いを新たにさせられる貴重な資料です。

☆『資料館だより』第26号はこちら

(もりもとまき・エコミューズ資料整理スタッフ)

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イ病 スタディツアー(09年8月4日~6日開催)

先のブログ(9月9日投稿)で紹介しました
「公害地域の今を伝えるスタディツアー2009
~富山・イタイイタイ病の地を訪ねて~」は、
マスコミでも取り上げられています。

・北日本放送(動画あり)
http://www2.knb.ne.jp/news/20090806_20913.htm#

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イ病 スタディツアー開催しました

現場を見て、聞いて、感じた3日間
学生、社会人など45人が参加した「イタイイタイ病スタディツアー」

あおぞら財団は今年度から3ヵ年の計画で、「公害地域の今を伝えるスタディツアー」という事業をスタートさせました。西淀川区もそうですが、四日市や水俣、富山など、公害の被害を受けた地域が、再生に向けて活動をしています。でも、私たちは、実際にどのような再生活動がおこなわれているのか、よくわかっておらず、今では公害の事実も風化しつつあるのが現状です。
清流会館での講義

そこで、現場に行き、さまざまな立場の人たちの話を聞き、自分たちなりに、公害地域の今をとらえ、そのことを広く発信していこうと、スタディツアーを企画しました。1年目はイタイイタイ病の問題がおこった富山です。富山では被害者団体と公害の原因企業が、毎年の立入調査などを通じて、汚染「ゼロ」をめざした取り組みを重ねています。
参加者は全国から応募があり、総勢45人で8月4日~6日の3日間ツアーを実施しました。班に分かれて、被害者家族、企業、行政などに聞き取りをおこない、最終日は、班ごとに発表をおこないました。聞いたことを報告するとともに、今後への提案も盛り込みました。参加者からは「公害を発生させる前の予防の重要さがわかった」などの感想がありました。

土壌復元現場を視察

スタディツアーの現地での運営は、イタイイタイ病対策協議会の髙木勲寛さんに全面的にお願いしました。最後に、髙木さんから「受け入れて良かった」とのお言葉をいただき、参加者、スタッフ一同、本当にうれしく思いました。

鎗山善理子(あおぞら財団)

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