エコミューズの常設展示が新聞に掲載されました。

2009年2月5日

本日の大阪日日新聞にエコミューズ(西淀川・公害と環境資料館)の常設展示のことが
掲載されました。

http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/090205/20090205004.html

ぜひ、ご覧ください
(林)

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韓国から ブルースカイ・日本探検隊

2009年2月1日

韓国からのお客様です。
ブルースカイ・日本探検隊の皆さんです。
ソウル・インチョン・光州・デジョンから選ばれた小・中・高校生の14人です。

日韓の青少年たちが、都市の大気質または環境への重要性を認識し、
国際交流を通じて、国際的に発生する環境汚染問題を認識
日韓NGOと青少年たちの交流を深めることを目的として来日しました。

なぜ大阪に来たのかというと、
韓国全土で環境保全運動を展開しています環境運動団体「グリーンコリア」
と大阪の二酸化窒素簡易測定運動は共同測定・共同研究を行っているのです。
ソウル・仁川・大田・光州・大阪の5大都市で
二酸化窒素簡易測定を行ったメンバーが交流するために来日したのです。

午前中は
西淀川高校で、
菜の花プロジェクトと授業で取り組む二酸化窒素簡易測定の説明を受けました。

同世代の高校生同士で会話が弾んでいましたよ。
韓国の生徒が朝7時から夜10時まで勉強すると聞いてびっくり!でした。

午後は
あおぞら財団で
公害患者さんの話しを聞きました。

移動に大阪市営バスに乗ったのですが
信号で止まるとアイドリングストップする車両に乗って
グリーンコリアのメンバーはびっくりしていました。

「韓国より日本のほうが空気がきれいだと思ったけれど、
日本でも大気汚染がこんなに問題になっているのだから、
韓国は大丈夫だろうかと心配になった」
「患者さんの人間が作った公害だから人間が良くすることもできるはず
という言葉に感動した」
とか、活発な感想をいただきました。

西淀川高校生も参加したのですが、
活発な韓国の生徒達の発言に刺激を受けたようです。

国際交流をすると私もがんばろうと思えます。
元気になります。

韓国でも車社会の問題が深刻なのだそうです。
グリーンコリアでも自転車カレンダーなどを作って、自転車促進を呼びかけているそうです。
お互いの活動に刺激を受けて、車に依存しない社会づくりを実現していきたいです。
(林)

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公害解決に携わった人の活躍がわかる展示パネル完成

エコミューズの悩み・・・それは
見てわかる西淀川公害の展示がないこと。
そのため、訪れた人への情報提供が不十分になることがしばしばありました。

見てわかる西淀川公害のパネルがあれば、
現在以上にわかりやすい情報を提供できるのに、と思い
常設展示パネルを作製することになりました。

■公害解決に尽力した人が登場する展示
そこでできたのが
西淀川公害の展示パネル
「公害・みんなで力をあわせて―大阪・西淀川地域の記録と証言―」
です、
おひろめ会が2008年12月12日に開催され、
パネルに登場した「人」たちも参加して公害への思いを語り合いました。

この展示パネルは、様々な立場の人の活躍を紹介しています。
あおぞら財団ではこれまで公害学習の教材を作成してきましたが、
現場の教師から

「公害の時、行政や医者、企業等いろんな立場の人がどのように努力をして公害を克服したのかがわかり、それを見て生き様を学ぶ職業教育になるようなものがほしい。」

との声があがっていました。
振り返ってみると、
これまでは患者の声を拾うことに精一杯で、
患者以外の方々の奮闘にスポットを当てることが
不十分であることに気がつかされました。
「みんなで力を合わせて」公害を解決してきたことがわかる、
いろいろな人が登場するパネルを作製しようということになりました。

作製中、登場する人々に意見を聞くたびに、
あれもこれも加えてほしいと色々な意見をもらいました。
公害解決のために携わった人々の思いの強さは半端ではなく、
情報量がどんどん多くなります。
しかし、伝えやすくするためにはコンパクトにまとめなければなりません。
板ばさみ状態になり、頭を抱える日々でした。

熱い議論の結果、
患者・医者・教師・国と自治体・ジャーナリスト・地元企業・弁護士・学者と、
様々な立場の人の活躍を描く展示パネルとなりました。

来館者の感想には
「とても分かりやすくまとめてあると思います。イラストや図が工夫してあってよかったです。」
「きれいな部屋になって、パネルも見やすくて、勉強になります!」
とあり、ほっと胸をなでおろしています。

■展示作製のために基金を募集
展示作製のために先立つものはお金ですが、
2007年度に募金を行って、
西淀川公害訴訟の被告企業、弁護士、市民、学者、
色々な立場の人たちから基金へのご協力をいただき、
半年で50万円が集まりました。
その資金を元手にして、
展示のデザイン・印刷と資料室のリフォームを行ったのです。
展示に登場する人たちだけではなく、
これらの作業を行った人々、
基金に協力した人々の思いも詰まった展示パネルになったといえると思います。

■貸出、中国語訳で広がる?
日本国内の様々な場所で展示してもらえるようにと、
貸出用を作製しました(貸出は2009年4月から)。
また、中国に日本の公害経験を伝えるための
中国語訳にも取りかかっています。
公害解決に携わった人々の熱い思いが、
この展示パネルを通じて広がっていくことを願っています。

開館日であればいつでも閲覧できるので、エコミューズにぜひおこしください。
(フルカラーB2版、13枚)
(あおぞら財団:林 美帆)

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きのくに国際高等専修学校の皆さんが来館されました

先週11/26(水)、エコミューズでは、きのくに国際高等専修学校(和歌山県橋本市)の生徒さん8名・先生1名の見学を受け入れました。
午前10時、阪神出来島駅に集合。まずは、大量の大型車が行き交う国道43号、大気測定局のある出来島小学校を経由して、あおぞら苑へと向かい、大野川緑陰道路を歩いてエコミューズに到着しました。
・大型車の走る国道43号
大気汚染の現状と、裁判後に行われた公害対策を説明しました。
騒音がうるさい?

・あおぞら苑を訪れる
裁判の和解金で作られたデイサービス施設(あおぞら苑)を訪問。公害患者の北村ヨシエさんと施設長の辰巳致さんからお話を伺う。

・大野川緑陰道路を歩く

午後からはまず、西淀川公害やあおぞら財団についてのDVDを鑑賞。そして、公害患者の語り部・永野さんにお話をしていただきました。
・永野さんのお話を聞く

永野さんのお話に触れて、皆さんからは、被害の大きさ、健康を害した苦しみを初めて知った驚きとともに、「どうしてそんなに苦しいのに、運動を頑張れたのだろう。私だったら出来ない」、「どうして前向きに、この場所で運動に取り組めたのだろう。私だったらよそへ引っ越して、逃げてしまう」という意見が出されました。「もし私だったら、どうするか」と、自分のことのように考える皆さんの姿が、とても印象的でした。
また、裁判の早期解決を訴えるビラや証言記録、文集や写真など、さまざまな資料を閲覧してもらいました。そして、どういう資料だったか、何を感じたかを発表してもらい、意見交換を行いました。
・生の資料に触れる

皆さんからは、「こんなに苦しい思いをしているなんて、想像していなかった」「寝る時間は、私にとっては嬉しい、幸せな時間なのに、患者さんにとっては苦しい時間なんだということに、ショックを受けた」「それなのにどうして、前向きに運動を頑張れたのだろう?」  といった意見や疑問が、次々と出されました。
・感じたことを分かち合う

「西淀川のことや大気汚染のことを、今まで知らなかった。知れてよかった」「私だったらどうするだろう、何が出来るんだろう」との皆さんの声に、私たちスタッフも、元気をもらった一日でした。ありがとうございます。(もりもとまき・エコミューズ資料整理スタッフ)

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もりもとまきのアーキビストの目 No.4

もっと、西淀川の、むかしといま-『わたしたちの西淀川 平成3年版』-
『資料館だより』第21号では、『わたしたちの西淀川 平成10年版』を紹介しています。
エコミューズでは、『わたしたちの西淀川 平成3年版』も所蔵しています。平成3年版は、A5サイズ56ページ+巻末A4サイズ2ページの白黒印刷です。

巻末の2ページは、「80年ほど前の西淀川の地図(明治44年)」と「西淀川区のえちず」です。
「80年ほど前の―」では、田んぼの記号がいっぱいで、かつてとても農業がさかんだったことが分かります。また、「ひえじまのわたし」や「おおうらのわたし」が描かれ、むかしは淀川を行き来する渡し舟が、大切な交通手段であったことも分かります。

そして「西淀川区の―」を眺めてみると、区内には現在たくさんの工場があることや、道路や鉄道が整えられていること、また、公園があちこちに作られていて、大野川緑陰道路も作られたことなど、住みよいまちにするためのいろいろな取り組みが、ひとめで分かるよう工夫されています。
80年の時の流れが、地域にもたらしたものを教えてくれるこの2枚。『わたしたちの西淀川 平成3年版』は、エコミューズで閲覧可能です。ぜひご来館ください。
(もりもとまき・エコミューズ資料整理スタッフ)

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もりもとまきのアーキビストの目 No.3

西淀川の、むかしといま-『わたしたちの西淀川 平成10年版』-
(資料館だより21号、2008/11)
紹介資料:小学3年生用社会科副読本『わたしたちの西淀川 平成10年版』

今回は、小学3年生用社会科副読本『わたしたちの西淀川 平成10年版』(西淀川区社会科研究部編)をご紹介します。『わたしたちの西淀川』は、1966(昭和41)年に初版が発行されました。私コレ使ってた!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。執筆・編集したのは区内の小学校の先生方です。B5サイズ・72ページ+B4サイズ図表2ページの白黒印刷に、先生方が子どもたちに伝えたい、西淀川地域のさまざまなことが詰まっています。

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たとえば、区内にはどんな工場や商店街があるのか。どんな道路や電車が通っているのか。むかし漁業や農業がさかんだったこと。新淀川ができた理由。台風や空襲で受けた大きな被害。どうして「住吉神社」がたくさんあるのだろう。神社やお寺に残る歌碑や石碑、お祭りの由来。漁業を守るための取り組み。阪神・淡路大震災で被災したこと。―地域の豊かな歴史や人々の暮らしが、いきいきと伝えられています。西淀川公害についても触れられ、「公害病でくるしんでいる人は、おとしよりや赤ちゃん、小さい子どもに多く、わたしたちの友だちの中にもいます」と、公害が身近な問題であることを知らせています。

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平易な言葉と分かりやすい図表や写真で、西淀川地域のむかしといまを、地域の小学生に伝えるこの副読本。現在、区で、このような小学生向けの副読本や教材は無いそうですが、地域の過去・現在・未来を知ることの楽しさ、大切さを、教えられる一冊です。

☆資料館だより21号はこちら

(もりもとまき・エコミューズ資料整理スタッフ)

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西淀川公害の展示パネル完成・おひろめ会(12月12日)

さて、みなさまのご協力のおかげで、このたび西淀川公害に関する
展示パネル「公害 みんなで力をあわせて―大阪・西淀川地域の記録
と証言―」(B2版フルカラー13枚)が完成いたしました。

行政や企業、学校、医者、ジャーナリスト、被害者など様々な立場の
奮闘にスポットをあて、みんなの努力があったからこそ公害が改善できた
ことを伝える展示になっています。この13枚のパネルが、青空の大切さ、
命の大切さを考えるきっかけと
なれば、うれしく思います。

新しくできた展示パネルをおひろめし、パネルに登場する人々と交流
する会を下記のとおり開催します。ぜひ、ご参加いただければ幸いです。
お待ちしています。

”「公害」がわかる豊富な図・マンガ 人間登場!”
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西淀川公害展示パネル
「公害 みんなで力をあわせて―大阪・西淀川地域の記録と証言―」
完成・おひろめ会
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日時:2008年12月12日(金)15:00~20:00
15:00~18:00 展示閲覧(ご自由にご覧ください)

18:00~20:00 交流会・展示解説

      ・あいさつ 森脇君雄理事長、小田康徳館長
      ・展示の解説 林美帆(研究員)
      ・展示の登場人物からのコメント
      ・エコミューズの史料を使って研究した方からコメント
              入江智恵子氏(大阪市立大学大学院生)
      ・エコミューズ利用案内
      ・お礼の言葉  村松昭夫専務理事

※交流会・展示解説にご参加いただける方は、事務局までご連絡いただけると幸いです。
 webmaster@aozora.or.jp TEL:06-6475-8885

場所:あおぞら財団付属 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)
大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル内
最寄駅 JR東西線「御幣島(みてじま)」駅下車 
①出口方面、地下道④出口 徒歩5分 
地図はこちら→ http://www.aozora.or.jp/access.html

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★展示パネルはエコミューズにて常設しています。
 貸し出し用もあります(B2版フルカラー 13枚)

★西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)のホームページはこちら

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全国歴史資料保存利用機関連絡協議会第34回奈良大会に参加しました

2008年11月12日~13日

全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)の大会が奈良で行われたので
エコミューズの今後の運営に役立てようと、鎗山と林が参加してきました。

前・福田首相の声かけで「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」が始まり
公文書に対しての意識が高まってきているこのごろ
資料の利用活用をどうして行けば良いのか、色々な議論がなされました。

そのような中、一つの分科会(検証される自治体史編さんと自治体アーカイブズ ―近畿の現状から考える―)の報告で尼崎市立地域研究史料館の島田克彦氏からエコミューズの活動が「地域再生事業の中に裁判記録を始めとするアーカイブが位置づけられている。地域資料も視野に入れている」というように取り上げられました。
12年間、こつこつと活動続けてきたことを評価されるのはうれしいことですね。

また、
エコミューズの活動を支えてくださっている方々から、
資料館だよりを読んでいます。こつこつとがんばっているね」
と声をかけてもらえたのも、とてもうれしかったです。
活動の励みになります。

資料の保存・利用活用は試行錯誤が続きますが、
同様の活動をしている人たちの知恵をかりながら、
エコミューズの活動を広げていきたいと強く思いました。(林)

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弁護士や裁判官の卵~司法修習生の研修「公害環境問題の現場を歩く」

10月28日、弁護士や裁判官の「卵」~司法修習生の研修を受け入れました。
10人の修習生が2人の弁護士に伴われて、朝、阪神電車出来島駅に到着。

まずは、大量の大型車が行き交う43号線で大気汚染を体感、大気測定局のある出来島小学校、淀中学校を経由して、あおぞら苑へと向かいました。


43号線の様子

デーサービス「あおぞら苑」の見学では、たまたまこの日、
利用者として訪れていた西淀川公害裁判の原告の塚口さんの話を聞くことができました。

「公害環境問題の現場を歩く」と名付けられた大阪弁護士会による司法修習生実務修習。
公害患者の語り部、岡崎さんと池永さんから被害の実態を話してもらいました。
西淀川公害患者と家族の会、森脇会長も登場。

国土交通省大阪国道事務所から松田好生事業対策館ら3人に和解後の環境改善事業の説明をしてもらいました。

西淀病院 穐久先生からは「西淀川病院と民医連」のお話。

公害裁判資料が保存されている資料館エコミューズも見学しました。

修習生らは、この日見上げる青空が、かつては灰色だったことに驚き、「実務家として将来のヴィジョンについて考えることができたのではないか」と評価を頂きました。

引率の弁護士さんから頂いたメールを紹介します。
~~
本日はありがとうございました。
患者さんの声と医師の声と、そして、国土交通省の声と
全く違う立場からの意見を聞くことができ
大変有意義な研修プログラムであったと思います。

帰りの立ち話ではありますが、
修習生も、今日は青空が広がる良い天気でしたが、
昔は青空がなく、灰色であったことに驚きを隠せないようでした。
また、立証の困難性について、
どのように聴き取りをするか等について話合いをしていました。

今回の研修のおかげで
それぞれが(私も含めて)実務家として
将来のヴイジョンについて考えることができたのではないかと思います。
~~

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もりもとまきのアーキビストの目 No.2

「みんなの力」で-西淀川公害患者と家族の会会報『青空』第10号-

あおぞら財団付属「西淀川・公害と環境資料館」(愛称「エコミューズ」)では、西淀川大気汚染公害に関する記録資料を中心に、公害・環境問題や、西淀川地域に関するさまざまな資料・文献などを収集・整理・保存しています。
ブログ版第1回の今日は、西淀川公害患者と家族の会会報『青空』第10号(1973年11月20日発行)をご紹介します。『青空』は同会の発足(1972年10月29日)以来、現在までに295号発行されています。

この号の一面トップ記事は、11月7日に行われた関西電力株式会社との直接交渉のもようを伝えています。この直接交渉には、会から代表120名が参加しました。 この交渉が実現した理由を、「ワテはおにぎり 私は子守します みんなの力で」という見出しの記事で取り上げ、この交渉が、「交渉に参加する人の子供をあずかる組、ゼッケンをつくる組など、みんなが家の仕事や条件を出し合い、やれる事を手分けしてやることによって成功」したことを伝えています。
『青空』はエコミューズで所蔵分がすべて閲覧可能です。さまざまな問題と向き合い、地域の暮らしを改善するための活動を伝える、数多くの資料に触れてみませんか。ぜひご来館ください。

(もりもとまき・エコミューズ資料整理スタッフ)

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