大阪大学文学部日本学専修の研修を受け入れました(5/12)

5月12日に大阪大学文学部日本学専修 安岡建一ゼミの学生さんが西淀川とエコミューズに研修に来ました。
安岡さんを合わせて12名の方が西淀川へと来てくれました。
今回の研修は事前に『西淀川公害の40年』の1章を読み、その上で実際の地域の現状を知ってもらったり、『西淀川公害の40年』に載っていた資料に触れることが趣旨となっていました。

まずは阪神電車「姫島」駅に集合をしました。
淀川の堤防へと行き、堤防から見て町のある地面の高さと、水面の高さを見比べてもらいました。西淀川は昔、工場用水として水をくみ上げていたので地盤沈下がおきています。そのため、水面の方が高いというのを目で見て体感してもらいました。

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堤防から水面と土地の高さを見比べて。
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海抜-0.6メートルと書かれていて驚いていました。

堤防を降りると、旧街道を歩いて姫島駅前に戻ります。そこで林さんから国交省が行った道路対策についての説明がありました。騒音や振動などの対策がいろいろと行われていることをクイズ形式で探すのに、学生の皆さんは盛り上がっていました。

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姫島駅前で対策の説明をしています。

そのあと、姫里の住工混在地域の見学や、大野川緑陰道路を通ってあおぞら財団の西淀川・公害と環境資料館に来館という形になりました。

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いこね&くじらカフェの紹介も!
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昔の緑陰道路の写真を、今の緑陰道路で。

まずはエコミューズで保管されている、西淀川大気汚染の写真を見て、タイトルと付けるフォトランゲージを行いました。短い時間の中でしたが、悩んだ結果いろいろなタイトルをつけてくれました。おお!と思うタイトルばかりでした。

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タイトル「先生、僕たちは大丈夫ですか?」
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タイトル「くもり空のまち」
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タイトル「工業地帯と生きる」
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タイトル「負の遺産」
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タイトル「日常化した大気汚染」
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タイトル「公害患者の大気」

 

その後、林さんから西淀川公害とエコミューズについての説明がありました。その中で、フォトランゲージで使った写真が一体どういった写真だったのかなどの話もありました。

5階の西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)に行き、実際の裁判資料にも触れました。また裁判資料だけではなく、あおぞら財団の6階に保存されている資料も見ました。みなさん、とても真剣な様子で一枚一枚目を通していました。

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西淀川公害とあおぞら財団について、林さんから説明。
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資料を真剣に眺めています。

質疑応答ではいろいろな質問が出ました。

Q「地盤沈下の対策は?」
A「地域の人が水防団をつくって自立している。避難訓練も積極的に行っている。」

Q「民間や財団の動きではなく、企業の動きはどうなっているのか」
A「国交省とは未だにずっと交渉などを続けている。工場は減ってきている。感情のへだたりもまだ地域で残っている。」

Q「私が住んでいる所も匂いが気になっていたが、諦めていた。だが、自分が考える、行動することが必要であると思った。住工混合をいきなり分けようとしたのか。」
A「戦後、日本は工業を押し進めてきた。工業優先」

Q「新しい建物が多いところを見ると新しい人が来ていると思うが、公害は知っているのか。」
A「地元の人で40歳以上の人しか知らない。外から来た人はほぼ知らないのではないか。」

今回フォトランゲージにタイトルを付けてもらった時に、とても「はっ!」とするような見方や言葉が選ばれてとても興味深かったです。いつまでもいろんな見方が出来るようでなければいけないなとも思いました。
(松ケ平)