第1章 1 高潮で現実化した地盤沈下の脅威1950年9月ジェーン台風で水浸しとなった工場地帯

項目詳細
表題高潮で現実化した地盤沈下の脅威
1950年9月ジェーン台風で水浸しとなった工場地帯
作成年月日'1950/09/03~
作成者(差出人)
受取人
出所溝口重夫氏
出所番号304
受入番号107
資料番号44
書籍版掲載番号書籍8
内容冠水した西淀川の風景。多くの建物の1階部分がほぼ完全に水没しており、電信柱も同様であるのが窺える。

大阪湾側の各地域は、戦前から引き続き実施されていた地下からの工業用水の過度な汲み上げによって、戦前早くも所によっては2メートルを超す地盤沈下を引き起こしていた。
戦後も頻発した台風による高潮は容易にこうした地域を襲った。浸水後、堤防の内側にたまった海水は長期にわたって引くことはなく、伝染病の恐怖、経済的な損失など住民の生活と健康に大きな被害を与えた。ただし、産業復興の流れはこうした中でも緩むことはなかった。
写真は、前景に水が引かない工場・倉庫などの景色を配置し、後方には広い川面を見る構図となっている。撮影者の条件を考慮すれば、御幣島辺りの工場・倉庫群の風景といってもいいかと思うが、いかがであろうか。対岸に高層建築物が見えていることもヒントとなるが、これ以上はわからない。