第1章 1 高度経済成長期、空からみる煙の広がり 淀川河口部【検甲第14号証12】

項目詳細
表題高度経済成長期、空からみる煙の広がり 淀川河口部
【検甲第14号証12】 
作成年月日'1964/2/7
作成者(差出人)
受取人
出所西淀川公害訴訟弁護団訴訟記録検甲号証(2)
出所番号210
受入番号151
資料番号12
書籍版掲載番号書籍10
内容1960年代前半の西淀川地区を含む阪神間の大気汚染状況を空撮した写真。被告企業によるばい煙の発生やその流れ方を捉えており、因果関係の証拠として申請された資料(「毎日新聞」1988年2月26日記事・西淀川公害訴訟弁護団資料、№8627より)

原告が裁判所に提出した写真。写真左側の中ほど、舞い上がる赤い粉塵とともに長く煙の尾を引いている工場は大阪製鋼である(後、合同製鐵)。その左手前淀川に接して淀川製鋼所、また、大阪製鋼の煙の影には古河鉱業がある。その煙は写真右端(東方の)大野川沿いの大野・福、さらにはその北、出来島から佃方面に到達しているのがわかる。また写真上部左端のところ、尼崎市の関西電力発電所からの煙が東方に広がっているのにも気付くだろう。
関西電力は、尼崎に東・第1・第2・第3発電所を有し、春日出・堺・多奈川等の発電所とあわせて関西一円の電力需要に応えている。関西の重化学工業に必要な電気を供給するということで強大な権威をいつも保っていたといっていい。その象徴がまさにこの写真である。煙突から排出した煙が広く尼崎・大阪地方一円を覆っていることにこそ、関西電力の地域支配を示すものは、そうないのではなかろうか。