第1章 1 上空からみた西淀川区内の大規模汚染源【検甲第14号証41

項目詳細
表題上空からみた西淀川区内の大規模汚染源【検甲第14号証41】
作成年月日1964/2/2
作成者(差出人)
受取人
出所西淀川公害訴訟弁護団訴訟記録検甲号証(2)
出所番号210
受入番号151
資料番号41
書籍版掲載番号書籍11
内容1960年代前半の西淀川地区を含む阪神間の大気汚染状況を空撮した写真。被告企業によるばい煙の発生やその流れ方を捉えており、因果関係の証拠として申請された資料(「毎日新聞」1988年2月26日記事・西淀川公害訴訟弁護団資料、№8627より)

原告が裁判所に提出した写真。写真は、1960年代半ば、上記西淀川区内大規模汚染源をやや南方上空から近づいて撮影したものである。写真左上から右下にかけて西島川。その左に大阪製鋼が東方に赤い粉塵と煙を出している。川を挟んだ右側には淀川製鋼所が見え、さらにその上部(北側)には古河鉱業があるのだが、煙で判別しがたい。
大阪製鋼は、地元資本が作り、大をなした企業である。この地に重工業の製造業を立地させ尼崎の臨海部工業地帯化を可能にしたものは、1929年から浅野総一郎・山下亀三郎等を中心とする尼崎築港株式会社の設立であった(資本金1000万円)。埋立て総面積50万坪、1931年~40年までに約44万坪の埋め立てを完了している。西淀川区は、この工事完成とともに、すぐ西側に立地する巨大企業の工場から排出される汚悪煙により、さらに大きい被害を受けることとなる。
写真は、高度経済成長期大気汚染が広域化し、深刻化していた実景である。