あおぞら財団

ベトナムの環境活動

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日本・ベトナム環境ウィーク(2019.1.11)報告レポート

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ベトナム環境NGO「GreenID」訪問レポート(2019.1.14)

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ベトナム環境NGO「LIVE&LEARN」訪問レポート(1/14)

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日本・ベトナム環境ウィーク(2019.1.11)報告レポート

日本・ベトナム環境ウィークinハノイ(日本国環境省・ベトナム国天然資源環境省との共催)の一環で、1/11に開催された公害防止のための国際環境協力ワークショップにて、あおぞら財団・藤江が「Blue Sky for our Children」と題して、西淀川大気汚染公害の経験を報告しました。

同ウィークは1月9日から11日まで開催され、政策対話、環境インフラ技術の紹介、ビジネスマッチング、個別分野のワークショップなどを開催し、日本の有する環境インフラ技術を積極的に紹介するとともに、環境インフラ普及に当たっての課題と協力の方向性等が議論されました。

経済発展が続くベトナムでは、環境問題の解決が喫緊の課題となっており、中でもバイク・自動車の増加が著しいとのこと。バイク利用が圧倒的に多いのですが、マイカーへのニーズも高まり、車所有がここ10年で倍増していることが報告されました。

今後、都市部での大気汚染が懸念され、モニタリング設備、環境管理者の人材育成、法律の整備、交通管理などの対策に力を入れておられる状況です。

『日本の「公害」という、にがい経験が活かされることを願います』(開会挨拶・勝俣孝明氏・日本国環境政務官)

↓記事Vietnam seeks suitable environmental technologies from Japan
https://en.vietnamplus.vn/vietnam-seeks-suitable…/145021.vnp

↓日本・ベトナム環境ウィークの結果について(環境省)
https://www.env.go.jp/press/106345.html

記・藤江徹

 

 

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ベトナム環境NGO「GreenID」訪問レポート(2019.1.14)

2019年1月14日(月)ベトナム環境NGO「GreenID」を訪問し、ベトナムの現状と活動についてお話を伺いました。

◎「GreenID」の概要

GreenIDは、持続可能な暮らし方を広め、新しい再生可能エネルギー源を見つけ、それらの普及することを目的に活動しています。
スタッフ20名、パートタイムスタッフも多い。地方事務所に2名。

◎活動内容

活動は、1)空気の品質管理、2)大気汚染に対する活動

長期的な目標は、政府とともにGreen法を制定すること、短期的な目標は排出基準法を制定すること。
今年、政府と排出に関する規定を検討している。国と市民はともに大気汚染対策に取り組んでいるが、企業がどこまで取り組むかは課題。

◎大気汚染対策について

環境省とは別に調査しながら、大気汚染に関するレポートを2016年から年4回出している。
大気汚染測定器をGreenIDで9台、アメリカ大使館など全国で60台設置している。
現状は、ゴミを燃やしている生活が公害につながっている。その調査結果を広めている。

再生可能エネルギーを普及していくため、石炭・熱源の実態調査を行った。
これからのベトナムは発電所の建設が進む。
資金はどこからくるか?、もし日本企業ならば、企業への呼びかけに協力してほしい。

交通からの大気汚染に対しては、市民の認識を高めるための活動を行っている。
ベトナムでは規制が難しい。
環境省が「バイクを利用しないように」と言ったが、貧しい人には無理。

GreenIDは市民の意識を高めることを進めたい。
そこで、Green Schoolの活動を行っている。
日本で大気汚染を教える際の資料やデータがあればほしい。
ベトナムの学校でパイロット授業が行えるようにしたい。

また、大気汚染による健康への影響、評価の仕方があれば調査結果などがほしい。
健康影響のプロセスが知りたい、長期的に暴露されることによる被害はどのようなものか?、
日本に資料・データがあれば教えてほしい。

GreenIDHP:http://en.greenidvietnam.org.vn/
GreenIDフェイスブック: https://www.facebook.com/GreenID.vn/

 

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(記:藤江)

ベトナム環境NGO「LIVE&LEARN」訪問レポート(1/14)

2019年1月14日(月)、ベトナム環境NGO「LIVE&LEARN」を訪問し、ベトナムの現状と活動についてお話を伺いました。

◎「自分達で動かなければ改善しない」という意識が高まった。

以前より大気汚染に対する関心が高まっている。
ベトナム人の中で「自分達で動かなければ改善しない」という意識が高まり、政府へのプレッシャーとなっている。

昨年10月の世界保健機関(WHO)報告書では「2016年の1年間だけで、およそ60万人の子どもが屋内外の大気汚染の影響で死亡したという悲惨な結果が明らかに。子どもは特に大気汚染の影響を受けやすく、5歳未満で亡くなる世界の子どもたちの10人に1人が、大気汚染が原因。」とされる。(世界保健機関、大気汚染と子供の健康に関する新たな報告書を発表、EICニュース2018.10.29 )
こうしたこともあり、世界各国で大気汚染の関心が高まっている。

ベトナムでも「動かなければ」という機運が高まり、我々も行政とともに会議等を行っている。
6月、11月に啓発活動を実施。企業や行政も参加し、国内だけでなく、海外からも参加があった。
昨年、「きれいな空気とグリーン都市連盟」ができた。
次世代に青空を手渡そう!という取組みなので、あおぞら財団の目的と同じだろう。

◎「きれいな空気とグリーン都市連盟」の取組み

この取り組みは、2017年にスタートし、1年半経った。
同連盟では、市民のネットワークを形成し、きれいな空気・都市をつくるための行動、施策を進めたい。

連盟に参加する団体は強制ではなく、取り組みを共有していくことを重視している。
大気汚染対策や健康づくりのプロジェクトを行っている。
戦略的に活動を広げる行動として、①市民の知識を高める活動、②署名活動、③セミナー、会議を行っている。ベトナムの政府機関や研究機関、海外の組織も連携している。

5つの施策を展開。①空気の質を高め健康増進!、②持続可能な再生可能エネルギー普及(石炭火力発電所建設は反対、コミュニティでのエネルギー効率利用化を目指す)、③ゴミ対策(ゴミの処理・管理、農村で藁を燃やさない、石炭コンロ(暖房)の使用を減らす)、④大都市の緑化(ハノイ市内にグリーンスペースをつくる)、⑤市民のライフスタイルをかえて持続可能にしよう!(環境にやさしい交通を利用しよう!、グリーンオフィス、プラスチック製品を使わないなど)

連盟のメンバーそれぞれが努力しており、LIVE&LEARNもいくつかの活動のリーダーを担う。
今後は、国内だけでなく海外の力・経験、人力も借りて、問題を解決していきたい。

◎大気汚染の測定

大気汚染測定器を設置するプロジェクトにも参加している。ハノイ市内で50個設置(2019年5月現在の目標)。
設置場所はオフィスや学校。
学校に設置すると、学生や先生の理解につながるし、環境学習にもなる。
日本の大学の協力で本事務所にも測定器を取り付けた。

◎グリーンスクールの取組み

グリーンスクールは、ハノイ市内に13校、保育園から中学校まである。必修科目だけでなく、環境の授業を行っている。
人材育成と宣伝活動を行っている。環境教育は学生や教師、一般市民を対象に、e-learningで行っている。LIVE&LEARNとしてイベントを行っている。
女性会・青年団の催したイベントでは、一回に100名が参加することもある。一般市民も参加する講座を5回/年開催した。一クラス25~30名が参加。テーマは、健康・環境・土壌など。

◎料理用の石炭コンロを止めるプロジェクト

ハノイ市内の旧市街(ホアンキン)では「料理用の石炭コンロの使用を止めるプロジェクト」を実施。LPGガスボンベを配布し、50%減少するという成果を上げた。費用(50万ドン/台、日本円で約2500円)は、メーカー企業が半分負担し、もう半分をLIVE&LEARNが負担。藁からつくる固形燃料を活用。コンロは無料で配布し、燃料は安く販売(1週間分、1200円で)。習慣を変えるのは難しいが、まずは体験してもらうことが重要。

その他、プレイパークづくり、プラスチックゴミの削減、グリーンオフィスの啓発にも取り組んでいる。

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事務所側面に取り付けられた大気汚染測定器

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事務所近くの湖沿いを走る自転車

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ヒアリング後、テト(旧正月)を祝う

◎LIVE&LEARNのFB、ホームページ

https://www.facebook.com/MangLuoiTheHeXanh

http://thehexanh.net/

↓2018年3月に訪問の記録はこちら
https://aozora.or.jp/kokusai/vietnam/v2021

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