あおぞら財団 環境基本計画の点検に向けた意見
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環境基本計画の点検に向けた意見

中央環境審議会総合政策部会地方ヒアリング(2002.3.25)
環境基本計画の点検に向けた意見

【意見発表概要】

第2次環境基本計画は、戦略的プログラムを設定し、そのひとつに『環境への負荷の少ない交通に向けた取組』を位置付け、「自動車交通需要そのものの調整・低減を目指す交通需要マネジメント手法の積極的な活用」を掲げていることを高く評価します。道路交通公害問題は、大都市圏のみならず、全国各地の主要都市で深刻化しており、緊急性の高い施策です。とりわけ、貨物自動車対策が焦眉の課題となっています。

こうした中で、昨年11月から阪神地域などで実施されている「環境ロードプライシング」なるものの実態は、ハード整備(バイパスやETC機器整備)に巨費を投じたものの、平日でも十数台の大型車しか利用されておらず、公害被害者団体やトラック事業者などを失望させています。このような環境に名を借りた「我田引水」型の対策を排して、環境行政のイニシアティブによって関係する施策が統合的に実施されなければなりません。

しかし、交通や物流など都道府県を越えた広域連携の施策に関わる国の機関は地方に強力な足場を持っていますが、環境行政にはそれが弱く、最近になって開設された地方環境調査官事務所に過大な期待を寄せるのは気の毒であるというのが実情です。

地球温暖化対策など、他の戦略的課題においても、地域レベルからの実践とそれらの広域連携が基礎になるはずです。次の環境基本計画の更新に向けて点検していくべき課題として、環境施策に関わる広域連携を促し、牽引するシステムの構築に向けて、現状と課題の把握、実践例の蓄積を図ることが重要であると考えます。

その最も適した題材は道路交通公害問題であり、私たちが提唱している「阪神地域における貨物自動車・環境TDMの提案」(2001年5月)はひとつのモデルを示していると自負しています。

また、あおぞら財団では、「参加型アセス」の推進、公害問題資料の保存・活用、公害健康被害者の健康・生きがいづくりの活動などを重点に事業を展開しています。わが国が現在進行形で抱えている公害問題の背景として、過去の教訓を真摯に学んでこなかったことを指摘したいと思います。長年苦しみ、闘ってきた公害被害者らの声も代弁しつつ、環境基本計画が掲げるような実りある市民参加の実現をめざして取り組みを進める所存です。
以上