あおぞら財団 兵庫県「環境の保全と創造に関する条例」の 一部改正への意見
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兵庫県「環境の保全と創造に関する条例」の 一部改正への意見

(2003年1月)

自動車NOx・PM法に基づく対策地域において、法の排出基準に適合しないディーゼル自動車の運行を規制する条例の検討が進められていることについて、基本的に評価します。「自動車NOx法」において、平成12年度までに環境基準を達成することを目標としいていたはずであったが実現できなかったことは、どんなに単体から出る排ガスを規制したところでそれには一定の限界があることを示してきました。本条例の導入は、現行の「自動車NOx・PM法」における抜け穴を埋める全国的にみても先進的な施策であり、今後、近隣の府県に与える影響を考慮しても、是非とも実現されるべきです。また、本条例の実現の可否は、単に規制対象外道路に大型車を誘導するだけでなく、全体として総量が削減される効果が生まれることも期待され、わが国における道路施策の今後を占う上においても重要な位置にあるといえます。
しかし、本条例の導入にあたっての実現可能性という視点からは課題が多くあります。
まず、事業者自身の環境問題への関心が高いにも関わらず、経営それ自体が困難な状況下においては、なかなか取り組みの導入に結びつかない現実があります。すでに実施されている補助金制度にあわせ、NOx・PM法の定める対象地域以外の事業者に対する補助制度の導入、地域レベルでの活動や事業者の自主的な取り組みを応援するような助成制度や税制の優遇など、環境に配慮した活動を誘導する施策の導入を求めます。
次に、規制対象外の道路への誘導についてです。現在、阪神高速道路で実施されている環境ロードプライシングがほとんど機能していない現状を踏まえ、国・阪神高速道路公団とも共同して料金設定やその実施方法について検討すべきです。
その他、対象となる車種を所有する事業者からの意見を十分に聞いた上で、より現実的な施策として導入されるよう検討されることを求めるものです。