あおぞら財団 「御堂筋将来ビジョン(案)」に関する意見書
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「御堂筋将来ビジョン(案)」に関する意見書

「御堂筋将来ビジョン(案)」に関する意見書

1.意見募集対象 「御堂筋将来ビジョン(案)」に関する意見書   本文

2.意見募集期間 平成30年12月21日(金)~平成31年1月25日(金)

3.意見募集機関 大阪市建設局道路部道路課

意見書(2019年1月)

2019年1月25日

あおぞら財団(公益財団法人公害地域再生センター) 理事 新田保次

<フルモール化について>

・全体目標としての車から人中心のストリートへの転換に賛成です。

・しかし、御堂筋を全面フルモール化することには反対です。歩行者系(車いす、低速パーソナルモビリティを含む)、自転車系、車系を交通モードのベースとして考え、道路空間再配分にあたっては、安全面の視点から歩行者系>自転車系>車系の順で優先性を考え、現行の歩行者・自転車混在空間を無くし、分離型の整備(自転車専用走行空間の確保)を目指す。これらの空間は、緩速車線や本車線削減により生み出す。

・全長4kmの御堂筋を全面フルモール化すれば、利用できるのは体力がある人に限定されます。また、搬出・搬入車両、緊急車両の出入りも必要となります。全面フルモール化は、土日や祝日など曜日や時間帯、空間を限って導入するべきではないでしょうか。

<都心部全体の交通ネットワーク再編や人と多様なモビリティが安全に共存できる空間・仕組みづくりに関する検討>

・交通ネットワーク再編の具体性が不明。多様なモビリティとあるが何を指すのか?人は交通モードにおける歩行者のことなのか?人力と解釈すれば自転車も入るが。現状の問題として「歩道上に歩行者と自転車が混在することによる危険性」を上げているにもかかわらず、その解決の方向性があいまいなものになっている。

<御堂筋将来ビジョン>

・道路空間の再編のあり方として、歩行者を優先としながら多様なモビリティが安全に共存することのできる空間・ルールづくりの必要性を謳っているが、具体的に自転車についてはどのように位置づけて、活用していく考えなのか?

<御堂筋の道路空間の再編図>

・この絵に載っているのは、すべて歩行者(車いす使用者を含む)であり、自転車利用者が見当たらない。また、道路空間の配分においても、自転車走行空間は明示されていない。歩行者の通行と滞留空間ですべてが埋められている。これでは「歩行者を優先としながら多様なモビリティが安全に共存できる空間」とは言えない。なお、多様なモビリティとしては、歩行、自転車、車いす、パーソナルモビリティなどが挙げられよう。

・フルモール化と言いながら、道路空間の通行機能(link)をあまりにも軽視している。広場機能(place)を過度に重視している。道路空間においては、link機能とplace機能を、個々の道路空間の性格に応じて適切にバランスよく配置することが必要。

・18、19ページの②エリア特性を踏まえた空間づくりにおいては、ゾーンの性格別に空間を捉えているが、この視点には賛成である。ここでは全面フルモールとしては描いていないが、目指すべき目標はこのような姿で考えて良いのか?そうならば同意できるが、、、

<人中心の道路空間>

・シェアド・スペース」の考え方を参考にするのは評価できるが、この考えが最初に導入され道路空間整備が行われた、オランダのハーレンにおいても、歩行者、自転車、車の完全なるシェアド・スペースとは別に、分離型を取り入れたスペースがあり、速度の異なる交通モードの共存は安全面から十分検討する必要がある。

・パーソナルモビリティと歩行者の共存は、速度面から可能であるが、自転車とは速度が異なるので自転車走行空間は分離型を基本とすべきである。

・なお、シェアド・スペースはドイツ、オランダにおいても普及が進んでいるとは言えない状況である。

<ファーストステップ>

側道については、歩道とは構造的に分離された、自転車専用走行区間の確保を行うこと。

<エリア特性を踏まえた空間づくり>

・ここには通行ゾーン(分離型)、多機能ゾーンが描かれており、これまでに標榜していた全面フルフラット化とは異なるが、どちらを目指すべき姿と考えればよいのか?

意見に対する高速道路会社側の見解

「御堂筋将来ビジョン(案)」に関する意見募集結果について