西淀川道路環境再生プランの提案-地域から考えるこれからの日本の道路-<提言Part1>
(1998年7月)
(1)基本方針
道路公害による被害者の救済
環境保全に配慮した道路整備計画
自動車交通量の削減
環境負荷の少ない交通サービスの育成・充実
道路整備における地方分権と市民参加
適正な税体系の確立
(2)提言事項
○阪神間広域プラン
- 新規自動車専用道路整備計画の凍結
- 道路整備計画見直しに関する具体的な対応(圏域全体での交通量削減施策、計画アセスメントの実施等)
- ロードプライシングの導入(線的・面点ロードプライシングの段階的導入)
- 超低床路面電車(LRT)の導入(国道2号線上の道路面を通し、阪神地域を結ぶ)
- 物流対策と大型車規制(複合−環輸送による長距離輸送対策、エリア内共同輸配送と低公害車普及等)
- 道路整備計画の分権化と住民参加制度の確立(広域幹線道路の計画決定の分権化等)
○西淀川モデルの提唱
- 環境容量による流入規制(地球環境測定体制の拡充、地球環境監査システムの確立等)
- 地域内自動車交通量抑制策(貨物自動車の交通規制、小規模工場の共同建替による駐車場確保等)
- 社会実験方式による環境対策モデル事業の展開(市街地幹線沿道等でのビオトープ実験等)
- 低公害車普及モデル事業(低公害車普及推進事業等)
- 公共交通体系の整備(低公害・福祉型バスの公共交通体系確立等)
- 緑道(歩行者・自転車道)のネットワークづくり(大野川緑陰道路を基軸とした歩行・自転車走行環境の整備等)
- 道路構造の改善(道路沿道対策の早期実施等)
- 道路づくりからの”まちの顔”形成(道路沿道景観づくり条例の検討等)
- 住民協議会の設置・運営(西淀川地域での協議会の設置・運営、住民によるマスタープランづくり等)
- 交通学習事業(地域懇談会やワークショップの開催等)
- 環境保健対策(沿道環境被害要観察地区の指定等)
○環境税の検討(税制のグリーン化等)
自動車利用に伴う費用を政策的に引き上げ、直ちに過剰な自動車利用を抑制することを眼目として、
全国レベルあるいは都道府県レベルでの環境税の導入を検討する。
(3)提案実現のために
地方分権を基本に地方交通政策をサポートする機能を重視する。
特定財源制度を廃止し道路の適切な利用のためのロードプライシングや環境税等を検討する。
広域的な交通問題を扱うことができる地域交通機関を新設する。
情報公開や地域交通政策の立案への市民参加を推進するとともに、地域NPOを育成する。