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中国からの手紙・好3


多国家間での活動でアルグン川中流の湿原を守る
NPO「緑色龍江」総幹事 張亜東(チァン ヤドン)

アルグン川はアムール川の支流である。上流が中国領土内に位置するハイラル河で、中下流が中露の国境を流れる。中国とモンゴルの国境をなすヘルレン川、ハルハ川がその支流である。
 アルグン川の中流域一帯には1500平方メートルを超える湿原が存在し、複数の国の国境に跨る貴重な生態系を形成した。現在でも比較的によく保存されている。この地域は渡り鳥にとって、東アジアからオーストラリアへの飛行路線の途中にある休息地であり、毎年ここで休息し、産卵する鳥が200万羽に達している。この地域はIUCN(国際自然保護連合)レッドリストに載せられた19種類にのぼる鳥類にとって重要な休息地で、その中に国際的にも絶滅のおそれのあるオオカリ、タンチョウヅル、マナヅル、ノガンなども含まれている。


       アルグン川中流の湿原 鶴類及びノガンの休息地 (データの出所:DIPA)

しかし現在、人類の活動がこの地域を脅かしている。僅かに中国の側から見るだけでも、ハイラル河のダム建設と水質汚染問題、フルン湖の水位を上げるために実施した「引河済湖」(川水を引いて湖を救済する)プロジェクト、フルンボイル市における火力発電、石油化学など大量の水が必要な工業、そして炭坑や石油採掘業種の発展などが、短期間にこの生態系に多大な、しかも修復不可能な破壊をもたらしている。同時に、ロシアとモンゴル両国にも水資源管理の不適切及び生態系保護制度の不完全などの問題が存在している。人々は急速に膨らむ短期的な経済利益を前にして道に迷い、より深刻で長期的な生態系の危機を軽視した。


      アルグン川中下流の湿原 鳥の重要な休息地(撮影者:郭玉民)


             「引河済湖」プロジェクト水門 このプロジェクトは
            アルグン川中下流の湿原の生態水量を脅かしている。

 中国、ロシア、モンゴル三国政府の関連部門はすでに多くの保護措置を取っている。各国国内で自然保護区を作っただけではなく、国境を超えた協力も行われている。例えば、中国、ロシア、モンゴル三国共同で作ったダフール国際自然保護区である。この他にも、多くのNPO及び専門家がこの地域に注目しつづけており、「Rivers Without Boundaries」という名の保護ネットワークを発起し、連携して活動を提唱することで、ユーラシア北東部の複数国家に跨る流域の建康を守り、最も良い河川管理の方法を推し進めたいと願っている。

(翻訳:巫(ウ リャン))





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