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衛生学と西淀川公害



第27回西淀川地域研究会

1月27日にあおぞら財団にて
藤森弘医師から「西淀川における公害と子どもの健康被害」と題して
お話ししていただきました。

衛生学の立場に立たれて公害に立ち向かわれた藤森医師。
「治療よりも予防が大切」とおっしゃいます。
大阪大学の公衆衛生学教室の丸山博先生のお弟子さんです。
丸山博先生は森永ヒ素ミルク事件の子ども達を調査された方で、
公害問題に幅広くかかわっておられます。
丸山博先生から広がる環が
公害問題解決に幅広く広がっているのでは?と感じさせられました。

藤森医師は柏里で診療を続けていましたが、
1965年ごろ新医協の「青空を取り戻そう」運動に参加。
1970年の公害特別措置法にともない、柏花公害患者会を結成します。
また、1975年から開始された「ぜん息児サマーキャンプ」に積極的にかかわります。
ぜん息児サマーキャンプは医師と教師の協同の取り組みで、
ぜん息の子どもをキャンプに連れて行き、体操や水泳をしたり
共同生活を行うことで自立心を喚起させ、
ぜん息との付き合い方を指導します。
これは、西淀川の自主的で独特な取り組みでした。
また、藤森医師は西淀川公害訴訟で証人になりました。

これらの活動の資料の一部はあおぞら財団に所蔵されており、
今回の報告にあわせて用意しました。
資料があったことで、報告の内容が深まりました。

藤森医師は柏里小学校で校医を長くつとめられておられて、
子ども達をみてきました。
西淀川の子ども達は今も昔も「ハリソン溝」が多く見られるそうです。
ハリソン溝は胸の異常です。
これは大気汚染で太陽光線がさえぎられているのが原因ではないか
というのが藤森医師の見解です。
今も多いということが問題ですね。

藤森医師が提案する地域再生は「保養・養生」ができる場になること。
転地療養しなくてもいい地域になれるようにという願いです。
まさしく、衛生学からみた公害地域再生ですね。

こつこつとした地道な活動ですが、
お話しを伺うことで西淀川の歴史が明らかになるのはうれしいです。
次回は3月31日(金)18:00〜
昭和52年の工業専用地域指定反対運動について
あおぞら財団所蔵資料から林が話します。
ぜひご参加ください。

★西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ)のホームページはこちら




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