もりもとまきのアーキビストの目 No.25
小さな街の、大きな被害
-西淀川と阪神・淡路大震災-
紹介資料:『小さな街の大きな被害 「西淀川の震災展」の記録』(「西淀川の震災展」を成功させる実行委員会、1997年)
1995(平成7)年1月17日に発生した阪神・淡路大震災は、西淀川にも大きな被害をもたらしました。
しかし西淀川の被害の存在は、神戸市や阪神間の壊滅的な被害に隠れ、マスコミにも取り上げられることはなく、忘れられた被災地、救援のエアポケットとなり、1月25日にようやく大阪市に災害復旧本部が設置されるなど、行政の対応も立ち遅れました。
そこで、地域住民やあおぞら財団、労働組合などが協力して、区内での被災状況や震災体験、救援の活動などを記録し、これからのまちづくりを考えるために、2年後の’97年1月17~19日の3日間、「西淀川の震災展」を開きました。冊子『小さな街の大きな被害 「西淀川の震災展」の記録』(「西淀川の震災展」を成功させる実行委員会、1997年)は、その内容をまとめたものです。数々の写真や震災体験の証言が掲載されており、西淀川の被害の大きさに驚かされます。
阪神・淡路大震災から17年が経ち、そして東日本大震災から1年。あの日を思い返す時、同時に、「自分にはまだ知らないことがある」と自覚することの大切さを教えられる一冊です。
『小さな街の大きな被害 「西淀川の震災展」の記録』は、エコミューズで閲覧可能です。また、1冊300円(税込)で販売しています。
さらに、震災展のようすの写真やコラムが、西淀川公害患者と家族の会創立40周年記念写真集『公害と闘い環境再生の夢を』30頁に掲載されています。ネット上でも閲覧できます(コチラ)。併せてご覧ください。
(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)