第90回矢倉海岸定例探鳥会
第90回矢倉海岸定例探鳥会
記念すべき第90回の探鳥会が開催されました。毎月第1土曜日に日本野鳥の会大阪支部と共催、今月は12月6日(土)でした。
この日は、最高気温7度と、この冬一番の冷え込み。川沿いの風を顔に受けると、実際の体感温度はもっと低く冷たく、頭の先から骨の芯まで凍えました。
場所は淀川と神崎川河口にはさまれた区内の矢倉緑地。参加者は朝9時30分に阪神電鉄西大阪線福駅に集合、大野川緑陰道路〜淀川河口右岸〜福の船だまり〜矢倉海岸の干潟(神崎川河口)を約3時間で観察します。
天気は晴天でしたが、風がよく吹きました。参加は12人、初めての方が2人(1人は大学生)、確認数は合計30種でした。
最初に大野川緑陰道路でメジロの鳴き声を聞きました。また、緑道では、最後の名残と見事に紅葉したもみじを堪能しました。
緑陰道路の終点に位置するヨドコウ(工場)の屋根に小さいですが、シギが止まっているのが分かるでしょうか?
野鳥の会の方の五感はすばらしく敏感です。目や耳などをフルに活用して、ついつい見逃してしまいがちな遠くにいる鳥や小さな鳥、姿は見えなくても鳴き声などで、すばやく野鳥をキャッチします。
淀川の河口にでると淀川で約300〜400羽のカモがお出迎えしてくれました。この中で、ハジロカイツブリを発見。普通のカイツブリより少し大きく、カンムリカイツブリより、少し首が短く小さい大きさです。黒い点のように見えるのがカモです。
福の船だまりまで進むと、左手の端にセグロカモメ、右の船の端にオオバンを見ました。セグロカモメのくちばしが黄色くて、とても鮮やかでした。
やっと神崎川河口に到着し、本日のメインイベント、カモの大群との対面です。この日は約4000羽。うち、7割がスズガモでした。また、ゆうゆうと空を舞うミサゴとも出会うことができました。
熱心に観察を続ける皆さんの横で、私を含む約3名は草刈に専念。来年の探鳥会とガン・カモ調査に備えて、一足早い大掃除ならぬ雑草の大伐採をしました。おかげで観察スポットも確保でき、広々とフィールドスコープを置くことができます。
掃除を終えると、大カマキリの卵が密着して塊となり分泌物で覆われた卵鞘(らんしょう)が出現しました。半年後にはこの中にある約200個のカマキリの赤ちゃんが誕生するそうです。ちょっと迫力を感じました。
最後に、ヒバリやウグイスの鳴き声に耳を傾けながら、鳥合わせをして解散しました。野鳥の会からのお知らせとして、12月20日(土)に室内例会の開催案内や、通天閣で野鳥の会が発行しているカレンダーの原画展を展示しているなどの紹介がありました。
また、この日から、野鳥の会リーダーの担当の方が3人に増えました(2人が男性、1人が女性)。ますます、教えていただけることが多くなりそうです。手作りのカップケーキの差し入れもあり、とても充実した一日でした。
■本日観察した野鳥の種類(30種)
ハジロカイツブリ(約10羽)、カンムリカイツブリ、カワウ、アオサギ、コガモ、
オオヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ホシハジロ(約20羽)、
キンクロハジロ(あまり多くない)、スズガモ(カモ全体の約7割)、ミサゴ(2羽)、
トビ、オオバン、イソシギ、セグロカモメ、ウミネコ、キジバト、ヒバリ、
ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シロハラ、ウグイス、シジュウガラ、
メジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス
■次回のお知らせ
2009年(平成21年)1月3日(土)午前9時30分・阪神電鉄西大阪線福駅集合
■1月恒例ガンカモ飛来調査
2009年(平成21年)1月11日(日)午前10時・阪神電鉄西大阪線福駅集合
渡り鳥の飛来数を数えます。お持ちの方はカウンターをご持参下さい。
今日はあまり鳥の写真が撮影できていません。野鳥の会の大阪支部のホームページを、
ぜひ、ごらん下さい。
記:あおぞら財団・矢羽田薫