第3期環境フロンティア講座(4回)を行ないました
12月17日(金)東京農業大学の元学長の進士五十八先生を講師にお迎えし、
「都市にみどりはなぜ必要か」というテーマでお話していただきました。
これまでの3回の講座で、景観や生物多様性、それから農地についてお話していただきましたが、今回はその総まとめのようなお話になりました。
進士先生が東京や他の地域で取組んでいることも紹介していただきました。
横浜にはみどり税というのがあるそうです。ご存知でしたか?
1人あたり年間900円支払っていて、使い道は協議会で決めるそうですが、
主に緑地や農地を買うんだそうです。それはきちんと決めて使って欲しいですね。
進士先生曰く、“みどり”というのは手段なのだということ、
“緑化”というのは灰色の土地をみどりいろに化かすという言葉で、
本来、緑化するのが目的ではなく、良い環境・風景にするのが目的なはずで、
手段が目的になってしまっているとのこと。
言われてみると、緑化してあると“良い”とすぐ思ってしまいがちですが、
本来、それによりどのような環境・風景になったのか、ということが大切なんだった、と気づかされました。
サボテンとか多肉植物を植えても、見た目が緑なだけで、水分は蓄えちゃうので
地球温暖化・環境問題に関して言えば効果は殆どないのだそう。
確かに、見た目に癒されるぐらいですかね。(それも大事でしょうが)
それから、知性・理屈だけではなく、感性で、物の価値に気づく必要があるし、
知性と感性のトータルバランスがとれた考え方をする必要がある。
風景を感じるということ、住んでる人が自分たちの風景を大切にすることが大事なのだとお話されました。
風景を感じるというのはなんだか難しそうではありますが、
大阪らしい風景ってどんなのでしょうか。みなさんはどう思いますか?
お話を聞いてて面白いなぁと思ったのは、砂漠の緑化のお話。
砂漠の緑化のために石油燃料を使って水を作り、その水でみどりを育てるという計画があるらしいのですが、それではあまり意味がないので、先生たちは砂漠に石を置いておき、そうすると朝に石が結露するので水が出来る。その石の下に種をまくことでその水を利用し植物を育てる、という取り組みを行なっているそうです。
すごい最小限のエネルギーで出来る取り組みですよね。なるほどなぁと思いました。
ただ、今は何にでもエコがつく、ビジネスにまで。
そのせいで余計なエネルギーまで費やしている。
そんな問題点も提起されました。
最後に進士先生から、
家の前のプランターの花からでもなんでもいいから始めて、ちょっとずつ、都市そして地球社会へと視野を広げていって欲しい。どういう形であれ自分の持つ能力を生かして環境と関わり、意味を持って生きていって欲しい。
とメッセージをいただきました。
予定していた時間では先生も話足りないっ、受講生ももっと聴きたいっといった
盛りだくさんの内容で、あっと言う間に時間が過ぎました。
書ききれないこともたくさんあります。
また進士先生には大阪まで来ていただき、お話していただけたら嬉しいです。
参加者の感想(一部抜粋)
・理論より行動を重視したお話しは参考になりました。
数字を重視する余り、現実を見れない話しは面白い。
・まず考えるということではなく、行動ということの重要性を語られていて本当にそうだなぁ、と感じれたことは良かったです。
・都市に緑が必要と言える、その必要性を知ってもらうための方法は感性をみがく=体験しかない、ということが確認できた。
しかし、行動力につなげるむずかしさも感じた。
講座の最後には、村松塾長から第3期の講座を4回とも受講された方に修了証をお渡しいたしました。
次回第4期はまた3月、4月頃から始める予定です。
次回は実践編、実際に実際にみなさんが、色んな方々と環境問題に取組む時に、
役立つスキルをご提供できればと考えています。
乞うご期待!