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ブログカテゴリー » 資料館(エコミューズ)

「公害地域の今を伝えるスタディツアー2010〜新潟・水俣病の地を訪ねて〜」を実施しました。


エコミューズスタッフの森本です。
8月4日〜8日、「公害地域の今を伝えるスタディツアー2010〜新潟・水俣病の地を訪ねて〜」を実施しました。
学生や社会人、スタッフ、合計43名の参加となりました。
阿賀野川のそばで、新潟水俣病を学び、語らい、考えた4日間のようすを、ダイジェストでご紹介します。

〔1日目〕
「新潟県立環境と人間のふれあい館〜新潟水俣病資料館」に集合、塚田眞弘館長からレクチャーを受けながら館内を見学しました。新潟水俣病の概要や、阿賀野川の地理的・歴史的特徴、また同館が設立された経緯などを知ることが出来ました。


〔2日目〜3日目〕
4班に分かれて、ヒアリングやフィールド見学に取り組みました。
ヒアリングでは、患者さん、弁護団や支援者の皆さん、行政の担当者、水俣病報道に携わった元新聞記者、水俣病学習を実践されている小学校の先生など、さまざまな立場から新潟水俣病に関わっておられる方々に、いろいろなお話をうかがうことが出来ました。

ヒアリングにご協力いただいたのは、下記の方々です。
・A班:福島市男さん(元・新潟日報記者)、坂東克彦弁護士(1次弁護団長)、橋本さん・斉藤さん(水俣病被災者の会)
・B班:高野秀男さん(新潟水俣病共闘会議)、小武節子さん(2次原告)、旗野秀人さん(冥土のみやげ企画)
・C班:山田サチ子さん(4次原告)、中村周而弁護士(4次弁護団長)、小山衛さん・小池美夏さん(新潟県福祉保健部生活衛生課営業・公害保健係)
・D班:近四喜男さん(新潟水俣病被害者の会)、阿賀野川流域地域フィールドミュージアム事業事務局の皆さん、波多野孝さん(小学校教員)

ヒアリングのようすです。
小武節子さん


近四喜男さん

坂東克彦弁護士

旗野秀人さんと安田患者会の皆さん

フィールド見学では、阿賀野川の上流・中流・河口地域に分かれて見学しました。現場を歩いたり、地元の皆さんと語らってこそ分かる、新潟水俣病や阿賀野川の長い歴史を実感することが出来ました。

各班の見学先と、ご協力いただいた方々は下記のとおりです。

・A班:河口(松浜・津島屋)−坂東克彦弁護士(1次弁護団長)


・B班:中流(安田・千唐仁)−旗野秀人さん(冥土のみやげ企画)、地元の患者や住民の皆さん

・C班:中流(安田・小松)−酢山省三さん(阿賀野患者会事務局長)、阿賀野患者会の皆さん

・D班:上流(鹿瀬)−阿賀野川流域地域フィールドミュージアム事業事務局の皆さん、高野秀男さん(新潟水俣病共闘会議)

また、参加者全員で、紙芝居『阿賀野川物語』を鑑賞しました。これは、阿賀野川流域地域フィールドミュージアム事業の一環で、阿賀町の女性紙芝居ユニット「こっこ」による制作・上演です(「こっこ」とは阿賀町の方言で「漬物」のことだそうです)。

その後、水俣病医療に長年携わってこられた関川智子医師のお話をうかがいました。医師の立場から見た、新潟水俣病という公害病の特徴や患者救済のための課題を知ることが出来ました。

ヒアリングやフィールド見学を終え、各班は翌日の発表交流会に向け、まとめ作業に取りかかりました。意見や疑問を互いにぶつけ合いながら、作業は夜更けまで続きました。


〔4日目〕
最終日は、いよいよ発表交流会です。4日間を通じて得た体験や実感を、班ごとに発表しました。どの班も、「自分たちには何が出来るのか」と、積極的に考えていた姿勢が印象的でした。
発表会には、ヒアリングやフィールド見学に協力�
��て下さった方々も足を運んで下さり、私たちの発表に対して、貴重なコメントをいただくことが出来ました。

来て下さった方々:福島市男さん(元・新潟日報記者)、坂東克彦弁護士(1次弁護団長)、高野秀男さん(新潟水俣病共闘会議)、旗野秀人さん(冥土のみやげ企画)、酢山省三さん(阿賀野患者会事務局長)、近四喜男さん(新潟水俣病被害者の会)、波多野孝さん(小学校教員)、阿賀野川流域地域フィールドミュージアム事業事務局の皆さん、塚田眞弘さん(新潟県立環境と人のふれあい館館長)



ツアーの実現にご協力いただいた関係者の皆さま、本当にありがとうございました。

詳しい行程や内容は、スタディツアーウェブサイトに掲載予定です。
こちら↓
http://www.studytour.jpn.org/

ぜひご覧ください。

(エコミューズ資料整理スタッフ・森本)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010年8月23日2:22 PM

エコミューズ来館者が1,600人を突破しました


エコミューズの来館者が、1,600人を突破しました(2006年3月18日開館以降)。本日までの利用者は、1,604人となりました。

エコミューズには、世代や地域や国境を越えて、たくさんの方が来られます。
この一ヶ月の間には、大阪教育大学の学生の皆さんや、全国大学史資料協議会西日本部会の皆さんなどが見学に来られました。また、韓国から司法修習生の皆さんの研修も来られました。
いよいよスタディツアー2010(新潟水俣病)も間近に迫ってきました。
これからも、さまざまな発信や交流の場となるよう、エコミューズを盛り上げていきたいと思います。
(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010年7月26日4:01 PM

全国大学史資料協議会西日本部会の見学を受け入れました


エコミューズスタッフの森本です。
7/21(水)、全国大学史資料協議会西日本部会の皆さん19名の見学を受け入れました。
 
まず、スタッフの林から、西淀川公害とあおぞら財団、エコミューズの活動を紹介しました。

また、森脇君雄さん(あおぞら財団名誉理事長・西淀川公害患者と家族の会会長)より、裁判運動から財団を設立した想いや、エコミューズへの想いをお話しました。
裁判を終えた当初は、「資料館」というもののイメージを持ちづらかったそうです。しかし、歴史学者が資料保存の必要性を粘り強く訴え、研究会を重ねていくうちに、裁判や運動の資料を伝えていくことの大切さに気づき、「自分たちがやってきたことが『歴史』になるんだ」と、強く実感していったとのことです。

参加者の皆さんからは、「和解金の使い途について、原告団のなかでどんな話し合いがされたのか?」「西淀川再生プランは、現在どれくらい実現しているのか?」などの質問が出されました。
その後、5階閲覧室と6階書庫を見学しました。
空を覆う煤煙の写真や、文書箱がずらりと並ぶ書庫のようすを紹介しました。


猛暑のなかの見学会となりましたが、日ごろ大学史資料に関わっておられる皆さんから、「資料は何点くらいあるのか?」「資料の置き場所はどのように確保しているのか?」「文書箱はどのようなものを使っているのか?」など、さまざまな質問が出されました。

皆さん、お疲れさまでした!

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2:33 PM

新潟水俣病勉強会in大阪 あおぞら財団


2010年7月18日(日)13:00-16:00
あおぞら財団
参加者 26名

7月11日に都留文科大学でもおこなった公害地域の今を伝える
スタディツアーの事前勉強会を、今度は大阪で、
前回と同じく立教大学教授の関礼子氏を講師にお迎えして
開催しました。

8月に行なわれる新潟水俣病スタディツアーの事前学習として開催したこの勉強会ですが、
ツアーには参加されない方もたくさん参加してくださいました。

関先生に、前回と同様に新潟水俣病について年表を見ながら説明していただき、
熊本の水俣病が発見されてから10年ほど経ってから新潟水俣病は発生したこと、
第1次訴訟から第4次訴訟までの経過や県の対応など、主に裁判とその流れについてお話していただきました。
その後、新潟の人達の暮らしと阿賀野川の関係をスライドを使って説明していただきました。

その後参加者に質問を紙に書き出してもらいました。


           質問を分類分け

           たくさん質問が出されました

・川や海へ流れていったメチル水銀はどこへ行ったのか
・現在活発な活動を行なっているNPOなどはあるのか
・新潟水俣病地域福祉推進条例の具体的な内容はどのようなものか
・昭和電工や県に対する意識(上・中・下流域)はどうだったのか
 また県の担当者で患者や地域の為に動いていた人はいたのか
・地域の子どもたちに新潟水俣病についてどのような方法でどのような内容を教えているのか
・阿賀野川流域の人々と現在の旧昭和電工との関係はどのようなものか
・新潟水俣病を報じるメディアに対して違和感を感じる点はあるか
・水俣病患者の方々はどんな差別をうけていたのか、今も続いているのか
・新潟水俣病の患者さん以外の人々の、水俣病への関わり方や水俣病のとらえ方の変化に
 ついて知りたい
・「村」は水俣の経過の中で良い役割、悪い役割を果たしてきたか
 「もやい直し」において「村」の役割は何か
・現在の阿賀野川と人々との関わりにはどんなものがあるか
 阿賀野川は今も愛されているのか
・胎児性水俣病としsて生まれた子ども達の成長はどうであったか
 またこのことによる中絶の問題はどのように共有され顕在化しているのか

などなど
時間の許す範囲でですが、丁寧に答えていただきました

参加者の感想から
「どうしても熊本の水俣病が頭にあるため比較して見てしまうところがあるが、
新潟は新潟の歴史があり、闘ってこられた患者さんがいる、ということが改めて認識できた。」
「新潟水俣病の経緯と、その背景にある生活文化、自然環境の存在についてく分かった。
実際に現地に行って色々な方のお話を聞いて、自分の目でその実像を確かめたいと思った。」

その後は、昨年のスタディツアーの様子と、体験から学ぶことの大切さとフィールドワークの心得について西村仁志先生にお話していただきました。

さて、梅雨も明け夏本番。暑さに気をつけながら今日学んだことも活かしつつ、スタディツアーに臨みたいですね。(眞鍋)





Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010年7月20日4:50 PM

新潟水俣病勉強会in関東 都留文科大学


2010年7月11日(日)13:00-16:30
都留文科大学
参加者 20名

都留文科大学にて
講師に立教大学教授の関礼子氏を迎えて
公害地域の今を伝えるスタディツアーの事前勉強会を開催しました。


関先生がどのような経過で新潟水俣病にかかわったのかという話からはじまりました。
最初に訪問したのが大学院生のころであり
「足抜けしても良かったけれど、親戚のようになってしまって・・・」
という言葉と、
参加者に熱く語りかける様子から、関先生が新潟水俣病に寄り添っている姿勢を感じました。

新潟水俣病の年表を使いながら、熊本水俣病との違いや
第1次訴訟から第4次訴訟までの経過と違い、
数字で表れている水俣病患者の数以外にも被害者がいること、
現在進められているフィールドミュージアム事業について
要点をまとめながら詳しく教えていただきました。
参加者は、事前学習として参考文献を読んでいたのですが
関先生に教えていただくことで、より理解が深まったようです。
とくに、当時の写真を見ながら
川と共に生きていた暮らしの様子、
近代化の中で川と生活が切り離されていく過程の説明が
参加者の心に響いたようです。

質問は、紙に書き出して前に張り出します。

・「もやいなおし」で具体的に行われたこと
・「水俣病は・・・原爆のヒロシマ・ナガサキと並んで・・・人類史的な事件」と言われていますが、国内・国際で・の評価はどうですか?
・もやい直しのため集まりや活動などはおこなわれているか。
・現在、水俣病と認定された人は、水俣病について、どのように思っているのですか。
・第3次訴訟の被告に“市”が含まれていないのは何故ですか。
・川はどれ位復興したのか。
・人と川との関係について。
・なぜ川砂利を採取してはいけなくなったのか。
・川とともに生活していた人々の暮らしは現在どうなっているか
・現在も認定患者が増えることと関連して、胎児性患者さんの存在や、その方たちの暮らし、仕事を支える活動はどのようになっていますでしょうか。
・和解協議のあとも、認定審査は行われていますか?
・くまもと水俣病とのちがいは?企業責任のあり方についてチッソと同様に考えていいのか。
・新潟水俣病では、なぜ食品衛生法を適用できたのでしょうか?(見舞金50万円で反対がなかったのかも気になります。
・水俣病はすべての人に感染するのか?
・水俣病患者は水俣病患者としてインタビューを受ける事をどう思っているのか。
・個人間での民事的な争いはあったのか。
・稲作に影響はなかったのか。
・風評被害は今もあるのかどうか。
・旅館などで川で、とれた魚を料理として出していた所はないのか。

などの多彩な質問が出されました。
関先生は、一つ一つ丁寧に答えてくださいました。

参加者の感想から
「今までの学習では、水俣病という名前と、
どういう症状の病気で、どの企業が加害者として扱われて…
というくらいしか学んでこなかったので、
今現在も訴訟が続いているということや、
その訴訟では誰が被告として扱われているかなど、
現地に行くまでに知っておかなければならないことを知ることができてよかったです。
関先生のお話を伺ったことで、
自分が現地で何を見てきたいのかということもはっきりしました。」

「阿賀野川と昔の現地の人々との関係がわかる資料をたくさん見せていただいたが、
その中でおっしゃっていた「共生を忘れたのが近代化」という言葉が印象に残っている。
また、水俣病の被害の深刻さは国内外に伝わっているが、
問題解決の取り組みについては十分に発信されてきていないという話も重要だと思った。
今回のスタディツアーで自分にできることが見つかればよいと思っている。」

その後、昨年のスタディツアーの様子の説明をあおぞら財団の林が行い、
フィールドワークの心得をあおぞら財団理事の高田研先生にしてもらいました。
  前提として、服装・髪型に気をつけること。サンダルはダメ
  ① いつの時代の話か確認をしながら聞く。
     たとえば、東京オリンピックの前か後か など他の物差しを使う。
  ② 聞こえにくい時や、わかないことは聞きなおす。
  ③ 昔あった話に対して昔思っていることと今思っていることは違う。問い直してみることが必要。

と3点の注意事項を教えてもらいました。
そのほかにも、
悪いことは話したがらないけれど、
質問するといろいろと返ってくるので
質問をするようにというアドバイスや、
この取り組みで聞き取ったことは歴史に残る大切なことだということを伝えました。

スタディツアーに行く前に良い心の準備ができました。
本番がとても楽しみです。(林)




Filed under: 資料館(エコミューズ) — aozorafoundation 公開日 2010年7月12日6:55 PM
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