あおぞら財団 「今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(中間報告)」案に対する意見
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「今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(中間報告)」案に対する意見

2011年1月
中央環境審議会大気環境部会自動車排出ガス総合対策小委員会事務局

環境省水・大気環境局自動車環境対策課 あて

意見(1)

<該当箇所>7頁下から2行目、(2)総量削減基本方針に定める目標の見直しについて

<意見内容>

二酸化窒素の環境基準とその達成に関して、「上限値 0.06ppm 達成後も、下限値 0.04ppm を目指す」と明記すべき。

<理由>

大気汚染対策として、 NO2 環境基準は「1時間値の1日平均値が 0.04ppm から 0.06ppm までのゾーン内又はそれ以下であること。 (53. 7.11 告示 ) 」とされているにも関わらず、関係機関や自治体における様々な報告や交渉において「上限値 0.06ppm をクリアーすれば良い」との記載や認識が拡がっている。

しかし、同告示における達成期間等においては「1時間値の1日平均値が 0.06ppm を超える地域にあつては、1時間値の1日平均値 0.06ppm が達成されるよう努めるものとし、その達成期間は原則として7年以内とする。」とあるように、上限値達成はあくまで第一目標であり、本来的に、健康被害を出さないためには、下限値 0.04 ppmを目指すべきものであると考えます。

総量削減基本方針においても、環境基準「ゾーン内」というあいまいな表現に関して、目標と対策をどのようにとるべきかを明確にすべき。
<根拠となる出典等>

・「二酸化窒素に係る環境基準について」昭和 53.7.11 、環告  38

意見(2)

<該当箇所>16頁 2 行目、(4)微小粒子状物質について

<意見内容>

微小粒子状物質に関する早急な監視体制の確立、基準達成のための対策を位置付けるべき

<理由>

微小粒子状物質については平成 21 年 9 月に環境基準が設定され、基準を上回れば健康被害を引き起こすことは明らかです。また、測定方法についても、既に測定機器の指定やマニュアルが策定されており、監視体制の強化が図られている段階です。

先行して測定が行なわれている西淀川地域(大阪市)でも、 PM2.5 濃度は環境基準を大きく超えており、汚染は深刻な状態にあります。

こうした状況の中、各発生源の寄与割合が不明だとの理由から、目標設定を行わず、何ら対策が位置付けられないことは問題であると考えます。微小粒子状物質については、自動車からの排出が一定程度を占めることは明らかであり、予防原則の観点からも、早急な監視体制の確立と基準達成のための対策を位置付けるべきです。

<根拠となる出典等>

「微小粒子状物質に係る環境基準の設定について ( 答申 ) 」平成 21 年 9 月 4 日

参考:中央環境審議会大気環境部会自動車排出ガス総合対策小委員会「今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(中間報告)」の取りまとめ及び意見の募集(パブリックコメント)の結果について(お知らせ)[環境省サイト]