あおぞら財団 川崎道路連絡会の概要

川崎道路連絡会の概要

川崎道路連絡会の発足

  • 川崎市南部地区道路沿道環境に関する連絡会(川崎道路連絡会)は、川崎公害裁判の和解条項に基づいて開催されています。川崎公害裁判についてはこちら(環境再生保全機構「記録で見る大気汚染と裁判」)
  • 1996年、川崎道路連絡会が発足しました。川崎南部地域の公害根絶と環境再生・まちづくりの要求が住民の参画と協力のもと、制度的に保証されるために設置された道路連絡会は、川崎南部地域の道路における環境施策の円滑かつ効果的な実施に資することを目的としています。
  • 原告団、国土交通省関東地方整備局、首都高速道路公団との間で、原則として年1回以上開催することになっています。
  • 2004年の第7回からは一般市民に公開となっています。

道路連絡会の他に勉強会を実施

  • 川崎の道路連絡会において、自動車交通総量規制は、意見交換の中心課題となっています。
  • 道路連絡会では、環境ロードプライシングやナンバー規制等を実施するために、川崎はもちろん隣接する東京都大田区等も対象地域にした運輸業者等への大規模なアンケート調査の検討が行われましたが、川崎においても、国・高速道路会社はその姿勢は必ずしも積極的ではなく、基本姿勢の転換が求められています。
  • その一方で、国道15号のリニューアル化では、原告側の意見を反映した計画を作成するなど、一定の前進面も指摘できます。
  • 東京と横浜をつないで幸区を走る国道1号は横浜国道事務所が管轄しており、川崎市区を走る国道15号は川崎国道事務所が管轄しているが、年1回の道路連絡会では細部にわたる対策の検討が不可能なため、月1回もしくは2ヵ月に1回の割合で、「勉強会」が開催されています。

川崎市とも「勉強会」を実施

  • 川崎市は道路連絡会のメンバーになっていないが、原告団は川崎市との間でも「検討会」名義の勉強会を国道事務所との勉強会と同程度の頻度で開催しています。
  • ここでは、大気汚染の測定や公害対策の問題、川崎駅周辺の環境対策、自転車駐輪場や自転車、歩道といった多角的な協議が行われています。

川崎道路連絡会の達成したこと

国道1号の拡幅の棚上げ

  • 国道1号について国土交通省は、12年前に交通渋滞対策に名を借りて既存道路の拡幅計画の事業開始を発表し、そのための住民説明会を開催しました。これは、50年前に事業計画を立てながら長年「眠らせてきた」事業計画の突然の開始通告でした。
  • これに対し、川崎公害裁判原告団、弁護団、支援団体の三者は、地元住民に呼びかけて「川崎国道1号線問題対策協議会」を設置して、道路の拡幅反対を柱に据えるとともに既存道路の道路構造対策、沿道対策、環境対策の確立を要求し、さらには、既存の片側3車線を2車線にする車線削減と車線削減後の道路構造のなかで「自転車歩行者道」の設置を求める取組みを開始しました。
  • その結果、道路拡幅計画を10年余にわたって、事実上、棚上げさせ、その一方で、川崎公害裁判の和解条項を基礎にして既存道路につき数々の公害環境対策を実現させました。

国道15号

  • 中央分離帯を大きく削って左右の歩道にこれを割り付け、歩道帯を片側 9.5 m に拡幅。
  • 自転車専用道の改善(車道,自転車道,歩道の間に植樹帯を設置。交差点の 改良)。

環境ロードプライ シング

  • 高速道路の横浜線と湾岸線間の環境ロードプライシング。

高速横羽線,産業道路の環境対策

  • 片側 4 車線を 3 車線に車線削減し,削減した部分の緑化対策を実現。

産業道路

  • 片側 4 車線を 3 車線に削減し、緩衝緑地帯を設置。
  • 環境レーン(大型車を片側 3 車線うちの中央車線を走行するよう誘導する方 策)の導入(2014 年 2 月から実施)

市役所通りと周辺地域

  • 川崎市との交渉。
  • 駅前交差点のスクランブル化。
  • 川崎駅周辺のバリアフリー 化。
  • 歩道と自転車道の整備。

川崎の原告団

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