「西淀川区 第1回 災害時要援護者支援セミナー」を開催しました
■みんなで守る!みんなで助かる! 災害時要援護者の避難を一緒に考えよう! 第1回セミナー
■日時:10月15日(月) 18:30~20:30
■場所:西淀川区役所5階会議室
■主催:あおぞら財団
■後援:大阪市西淀川区役所
10月15日に「災害時要援護者の避難を一緒に考えよう!西淀川区 第1回セミナー」を開催しました。
参加者数は、一般参加者20名、区役所職員7名、スタッフ6名の合計33名でした。
■「災害時の要援護者支援の基礎的知識の習得」 栂紀久代氏(ユニバーサルデザイン社会)
ユニバーサルデザイン社会の栂さんからは、ユニバーサルデザインの考えや7原則、車イスの方の具体的な介助方法、視覚障害者の意見の紹介、便利グッズの紹介(歩道くん、簡易トイレ、救助担架フレスト、おんぶひも、お手伝い・医療バンダナ)、災害時の個人情報の扱いなど要援護者支援に関する考え方、さらに今後の活動や自主防災組織のあり方まで、1時間に渡って講演がありました。
■西淀川区役所の防災の取り組み紹介
区役所からは、区が行っている防災の取り組みについて、西淀川区(大阪市)ではどのような被害が想定されるか、そのために行っている取り組みとして津波避難ビル指定、防災マップ作成、防災訓練、各種搬送・誘導訓練、避難所開設運営訓練などの紹介がありました。(参考:西淀川区の防災の取り組み)
■当事者から「障害者の避難・日頃からのバリアフリー」について 鈴木昭二氏(視覚障害)
視覚障害者である鈴木さんからは、当日にこの会場に来るまでに起こったこと(杖が壊れたため、急遽、交通機関をバスから電車に変更し、途中で何人もの方に助けていただいたこと)を事例に、視覚障害者が日々いかに困難に直面しているかのお話がありました。現在、パソコンなどの機器の発達により視覚障害者でも情報を得やすくなっているけれど、人の助けに勝るものはないため、普段からの周囲との付き合いを大切にしている、そうしたことが災害時には必ず生きてくるとのお話でした。
■要援護者支援を進めるにあたってのQ&A
質疑応答では、視覚障害のある参加者の方から、「今までこうした情報を知らずにいた。今後具体的にどうしていけばよいか」といった意見がありました。町会長をされている方からは、「地域を守るには、町会できっちりやらないといけない。こうしたセミナーはぜひ防災関係者が集まる場でも話して、多くの方の意識を高めてほしい」との声がありました。また、「今までは(障害者の方を見かけても)助けたい気持ちはあっても声を掛けられずにいた。今日の話を聞いてとても反省している」との声もありました。
栂さんから、具体的にどうしていけばよいかについて、「当事者の方も声をあげてもらう。当事者の方が声をあげれば、支援者も助けやすくなる。みなさんが視覚障害者、聴覚障害者、車いす利用者の介助方法を知ることで大きく変わる」とお話がありました。さらに「お手伝いしましょうかと声をかけづらいとよく言われる。そうした時に(セミナー内で紹介した)お手伝いバンダナを見せると一目でわかり、障害者は声を掛けてもらいやすい、周りの健常者も声を掛けやすい」と紹介がありました。
今回のセミナーは、忌憚のない意見が出て、みんなで災害時要援護者支援に取り組むことの重要さを共有できたと思います。
セミナー後のアンケートからは、「自治会で要援護者名簿が出ているのに全く利用できていない、どう活かすべきか」「家族が要援護者なので、具体的な搬送の仕方など教えてほしい」といった現状の災害時要援護者対策に対する意見がみられました。また、「 このようなセミナーや訓練などを繰り返しつつ、一般市民に広く知らせることが必要」「 もっと多くの方々に参加して欲しかった。」と、こういった取り組みを広げていくべきだという意見もありました。
■今後について
第2回セミナー(10月22日)では、今回のセミナーの内容をふまえて、地域の災害情報の見える化、要援護者支援方法の体験などを行う予定です。第2回セミナー、避難訓練はまだ定員に余裕がありますので、興味のある方はぜひご参加ください。
セミナー・避難訓練の概要・申込はこちら↓
https://aozora.or.jp/archives/12102
本事業は、「独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業」を受けています。
フェイスブック「みんなで守る!みんなで助かる!災害時の要援護者支援!」もあります。
平田