講座・市民はLRTをつかってまちをどう変えてゆくのか(8/24土)
「連続講座 交通まちづくりイロイロ」もいよいよ最終回になりました。最終回、第4回のテーマは『LRT(次世代型路面電車)』。道路環境市民塾運営委員の南聡一郎さんが企画したプログラムです。
LRTの建設には沿線住民の合意が不可欠です。
そこでこのプログラムでは、実際の大阪府の天王寺~なんば間に計画された大阪府のLRT建設計画をもとにした「なにわLRT事業」という架空の計画の、住民説明会という設定で、基調講演、行政担当者の計画説明、反対派・賛成派住民の主張を聞いた上で、参加者の意見交換の上で提案書をつくることにしました。
以下、この講座に参加した、大阪経済大学ボアランティア実習論の学生さんによる報告です。
(小平)
=====================
8月24日(土) あおぞらビルにて、「市民はLRTをつかってまちをどう変えてゆくのか」というテーマの講座がありました。
第一部は「なにわLRT市民シンポジウム」という設定です。
道路環境市民塾の運営委員や学生、一般の参加者など12名が集まりました。
まずは基調講演として、京都大学低炭素都市ユニット助教の松原光也先生に「市民が主役!LRTで人と環境にやさしいまちをつくろう」と題して、
LRTの特性や海外のLRTについてお話していただきました。
LRTとは日本で次世代路面電車と呼ばれています。
高齢化社会に適した低床式車両で環境にもやさしい公共交通機関です。
あおぞら財団 藤江徹事務局長が、なにわLRT事業戦略本部長という役で天王寺~なんば間のLRT建設計画についてお話ししました。実際に大阪府が発表(2013.1)した計画をもとにしています。
仮に天王寺―なんば間にLRTを新設すると、三つの効果があります。
1高齢者にやさしいまちづくり
2環境にやさしいまちづくり
3まちのにぎわいを取り戻す
そして、LRTを天王寺動物園内に通過させれば、世界初『コアラの見えるLRT』
という夢のような事も可能になります。
第二部では「なにわLRT市民会議」という設定です。
LRTに賛成派と反対派の住民という役で大学生がプレゼンテーションを行いました。
僕たちは賛成派のプレゼンテーションをさせていただきました。
賛成派の意見
1.LRTで大阪の環境問題を解決させよう
2.LRTで高齢者や障害者にやさしいまちづくりを目指そう
3.LRTを導入すれば快適に街を歩けます
4.LRTを導入して、経済活性化を
反対派は龍谷大学の松村君が担当しました。
反対派の意見
1.通行規制や駐車場の削減は地域住民に不便を強いる
2.LRTは道路渋滞を誘発する
3.LRTは税金の無駄遣い
4.いまさらチンチン電車はいらない
それをうけて、参加者同士で2グループに分かれてワークショップを行いました。
皆さんいろいろな意見を出されていました。
LRTに賛成する意見として、
・画期的でおもしろい
・環境にやさしい
・高齢者にやさしいバリアフリー
という意見が多かったです。
LRTに反対する意見としては、
・莫大なお金がかかる
・道路の真ん中に設置するので、危険
・交通渋滞を引き起こす
などが挙げられました。
グループごとの意見は、こちらにまとめています
130824交通まちづくりイロイロLRT WS意見
LRTは画期的ですばらしいものだと思いました。
皆さんにもLRTについて考えてほしいと思います。
(記録 大阪経済大学 田中敬祐)
=========================================
講座に参加した大阪経済大学 ボランティア実習論 学生の感想
私はこの講習会に参加するまではLRTという乗り物を導入する計画が大阪にあるということを全然知りませんでした。初めにこの計画を聞いたときには今さら新しい乗り物を導入する意味があるのか。今のままの電車やバスなどで充分ではないかと思いました。しかし、話を聞いているうちにそれは自分勝手な考えだということに気がつきました。高齢者の方や足に障害がある人の立場になって考えてみるとLRTは駅間が近く、バリアフリーであるのでとても画期的なものであると思いました。この先、高齢化社会にどんどんなっていくし、自分もいつかは高齢者になるわけだからLRTの導入をすることで今よりももっと暮らしやすい街になると思います。
今回、この講習会に参加することでいろいろなことを学ぶことが出来ました。まず賛成派としてのプレゼンテーションをやらせてもらいました。いままで人前でパワーポイントを使って発表をすることがなかったので上手く発表することはできなかったけど良い経験になりました。グループ討議では様々な年代の人と自分の意見を言い合って討論しあうという普段できないこともやらせていただいてとても勉強なりました。
大阪経済大学 横久保 直哉
・・・・・・・・・・・・・・
LRTという言葉自体聞いたことがありませんでした。なので、すごく新鮮で大阪に路面電車を走らせるのはおもしろいと思いました。
LRTは「都市の活性化」「高齢社会への対応」「環境負荷の低減」といった観点から、その良さが見直されています。環境や、高齢者にやさしいまちづくりを目指すために、LRTについて考えることは重要だとわかりました。なにわLRT計画で天王寺動物園を通りコアラが見られるのはとても魅力的だし、地形が感じられる坂道や寺町など大阪らしい風景を通ることはまちおこしにもなり、地域経済が活性化すると思います。
しかし、問題点も数多くあります。費用、交通の処理、地域住民の生活を考える、などです。この問題をどう解決するか考えるのがすごく難しかったです。
普段環境やバリアフリーについて考えることがあまりなかったので、これをきっかけにより良いまちづくりにするために考えていきたいです。
大阪経済大学 ボランティア論 杉本隆
・・・・・・・・・・・・・・
このボランティア実習でたくさんのことを学ばさせていただきました。
最初は、LRTという存在も知らず、今更路面電車なんて不必要だろうと思っていました。
しかし、松原先生のお話を聞いて、こんなに画期的でおもしろいものであると同時に、
環境にもやさしく、バリアフリーなので高齢者にもやさしいということが分かりました。
今は、車社会になっていて、排気ガスが非常に多く排出されているので、LRTを少しでも多く導入していって環境を良くしてほしいと思いました。
大阪経済大学 田中敬祐