3/10 中国環境NGO研修受入 2日目
3月10日(木)は中国から来た11人の人達とともに環境問題への取り組みを肌で体感するべく、西淀川一帯をサイクリングでフィールドワークしました。
みなさん好きな自転車にまたがり歌島橋交差点近くの大野川緑陰道路からスタート。
緑陰道路→淀川堤防→大野せせらぎの里→国道43号線→あおぞら苑→あおぞら財団といったルートを自転車で駆け抜けました。
栗さんは自転車に乗たことがないそうで、タンデム自転車の操縦席に同財団職員が乗り、栗さんは後ろに乗ってサイクリングを満喫しました。
緑陰道路
「昔は川だったと聞いて驚いた」「人と自然のつながりを感じた」など中国の方々は非常に興味を持たれていました。とくに実際に川が流れていた部分を青色にペイントして自転車専用道路にするという発想がすごいという意見がありました。
淀川堤防
見晴らしの良い堤防で、かつて公害問題のあった工場の話にみなさん耳を傾けています。実際の場所に行くことで写真や説明ではわからないことを実感してもらいました。
大野せせらぎの里
下水処理した水をさらにきれいにする場所だと説明すると「ほんとに?」という反応をしている方がたくさんいました。
国道43号線
自動車の排気ガスなどによる汚染を測定したり、大気汚染を除去する設備を間近で見て学びました。
あおぞら苑
そして最後はデイサービスセンターのあおぞら苑を訪問。中国で福祉の仕事に就いているという李明叶さんは日本の福祉について興味がありたくさん質問をしていました。見学以外にもお年寄りの方々と一緒に卓球をして楽しみました。
財団に戻り今日のフィールドワークの意見交換をして日中公害・環境問題に関する研修プログラムは閉幕しました。ここからはフィールドワークの感想や意見をご紹介します。
邓妍 Deng Yan氏(天津緑領・プロジェクト職員)
昨日は様々な資料を見ることができて訴訟についての勉強ができた。
董剑 Dong Jian氏(天津緑領・主任)
あおぞら財団の仕事の大変さがわかった。日本で学んだことを中国でも伝えていきたい。今日のイベントは色々な人と交流できて素晴らしい環境教育だと思う。
廖帆 Liao Fan氏(北京市京瑞世纪教育科技中心・教師)
初めて日本に来た。素晴らしい活動に参加できて嬉しい。自転車で人と自然のつながりを感じることができた。父が中国で約20年も自然保護の活動に精力を出していて、同じような境遇にあった患者会の方々を尊敬した。またあおぞら財団を見学して、父に対する理解度がさらに深まった。
李明叶 Li Mingye氏(済南市基愛社会活動サービスセンター・主任)
福祉関係の仕事をしているが、今日の活動を通じて自分の仕事にアイディアが生まれるような気がした。人と自然のお互いの尊重は環境にも福祉にも同じことが言える。
<質問>日本人はよく自転車に乗りますか?
<回答>大阪は平地なので自転車を使う人は多いが、まだまだ自動車を使っている人が多いので財団は自転車を使うことを促している。
李 力(Li Li)氏(北京市朝阳区環友科学技術研究センター・主任)
私は財団に何度も足を運んでいるから、今回連れてきた若者たちには事前に財団についてインターネットやビデオを使って紹介をしていたが、実際来て体験してもらうことが一番だと感じた。国情は違えど、何回も財団に足を運び、細かなところまで学び、実際に中国でやっている。(廃油石鹸、フードマイレージ等)もっと様々な事を中国に持って帰り、広めていきたいと考えている。
肖嘉凤 Xiao Jiafeng氏(北京市京瑞世纪教育科技中心・教師)
このような活動ができて非常に有意義だった。あおぞら苑の見学と工場の煙についての訴訟がとくに印象に残った。
张国兵 Zhang Guobing氏(天津緑領・プロジェクト職員)
去年に今働いている会社に入社したばかりで今回日本に来て大変勉強になった。日本に来る前よりもたくさんのことを知ることができた。昨日と今日で西淀川の問題が理解できた。そして緑陰道路が昔は川だったということにとても驚いた。実際に川が流れていた部分を水色に塗装し、自転車専用道路にするアイディアがとても面白いと思った。
郭永启 Guo Yongqi氏(済南市緑行斉魯環境保護公益サービスセンター・主任)
初めて日本に来ました。そして日本の生活や文化について興味深く観察していました。昨日は学者や弁護士から学び、今日は実際の場所から学びました。歴史だけではなく、今の患者さんの様子を見たり社会全体のつながりを見ることが出来て良かった。
栗梅 Li Mei氏(北京市朝阳区環友科学技術研究センター・教師)
日本に来て私の意識はすごく変わった。これからも周りから様々な事を学び、自分にできることがあればやっていきたい。初来日、初海外、初自転車だった。
丘美玲 Qiu Meiling氏(天津緑領・プロジェクト職員)
緑陰道路は歴史的にも観光的にも非常に良い場所である。ひとつひとつの花に名前の看板が掲示されているのが素敵だった。私は財団が有意義な活動をしていると信じている。
张頔 Zhang Di氏(北京市朝阳区環友科学技術研究センター・副秘书长)
2013年以来ここに来てはたくさんのことを学んだ。今の中国はここ2,3年で環境NGOが評価されてきているので嬉しい。私は中国の環境に対するイメージの悪さを変えるため力を入れている。西淀川のように良いイメージにできるように頑張りたい。
意見交換は30分で終わる予定だったのですが、みなさんそれぞれ環境問題に対する想いが大きく、なんと1時間も延長して議論を続けました。とても有意義な時間でした。
(記・中島)
本事業は環境省委託平成27年度大気汚染経験等情報発信事業の一環です。