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第4期環境フロンティア講座第2回を開催しました

7月1日からスタートした第4期環境フロンティア講座ですが、7月15日に第2回「原発事故からみた技術利用の安全問題」を西川榮一氏を講師としてお迎えし開催しました。(参加者34名)
「自分で道具を作りそれで何かを手に入れたり、または危険な作業を安全に行うことができるということが人間の秀でたところであるというところからスタートし、最初に写真を見ながら福島原発事故の解説をしていただきました。
◆地震の多い日本に原発を建てるということ
・発達してきた技術にとって地震、それに伴う津波は非常に警戒すべきハザードであり、日本でもその点についてはさまざまな場所で指摘されている。
・1900年以降死者1000人以上の地震が多い国上位10カ国の中で、原発保有数について日本は群を抜いている。
・過去100年に日本列島で起こった地震の中で、犠牲者1000人規模以上の地震は10回以上にものぼり、しかも1948年から1995年の間はそれだけの規模の地震は起こっていない空白期であった。この空白期の間に日本の原発は増えていった。
・空白期を終え、阪神淡路大震災、東日本大震災と震災が短期間に起こっていることから、これから先日本にあるすべての原発が地震のリスクにさらされていると言っていいのではないか。
◆原発が推し進められた背景と問題点
・国と東電が一体になって、反対意見を封じ込め、第3者検査機関ゼロの原発推進体制を作った。
・これからは第3者が技術の安全について考える社会の仕組みが原発分野にとどまらず必要である。
・国は教育でも原発は必要だという教え方をし、安全神話を作り上げてきた。
・原子力発電の技術はすべて輸入したものであり、自主的な技術開発がなされないままに原発ができていった。そのためいざという時に十分に対応できない体制になってしまった。
◆福井県にある原発と大阪の関係
・現在、地震のみならず気候変動に伴う災害リスクが増大している。
・福井県にある原発は、大阪の水瓶である琵琶湖と非常に距離が近い。また原発の周辺ではいくつもの活断層が見つかっており、活断層が原因で生じる直下型地震は予知できない。
◆原発の素顔
・原発は決して安全な技術ではなく、過酷な事故が起こったときには手に負えない事態に陥る可能性が高い。
・また廃炉にしてもその解体などに30~40年はかかる。福島原発も廃炉になった原子炉を解体するのには同じくらいの時間が必要。
・今ある残りの原発では2度と過酷事故を起こしてはならない。(手に負えない事態は確率生起的には評価できない)
◆技術の自然性、社会性
・技術とは自然の法則に基づいて生み出されている(自然性)
・また技術を使う人の存在を見逃してはならず、技術の使い方などを決める人間の意思が存在することを忘れてはならない(社会性)
・技術の安全問題については自然性だけでなく、社会性についての分析も必要である。
◆第3者が検査する体制の必要性
・日本では第3者検査について、先進国の中で最も遅れている。これは何十年も昔から指摘されている国家的課題である。
◆安全と環境保全の両課題に応えるエネルギー体系
・再生可能エネルギー使用の重要点は、人が何もしなくても熱に変化すること、つまり人為的エネルギーフローを持ち込まないという点である。
・省エネルギーは不断に目指される目標である。
という内容でお話いただきました。
《参加者からの質問》
・フランスでは原子炉を冷やす仕組みが水冷ではなく、空冷のものがあるようだが、日本では使えないか。
・再生可能エネルギー導入のために必要な仕組みやハード面について、どのようなものを考えているか。
などの質問が出ました。
《参加者の感想》(一部)
・技術利用の安全問題の解説はよく理解できた。1番の問題はヒューマンテクノシステムを監視する第3者検査原則が今の社会で弱い=経済優先社会であり、これが問題である。
・独立した第3者検査原則の重要性を再認識させられた。是非現状の保安院をつぶし、新しい検査機関の設立を要求したい。
◆第3回のご案内
第3回は7月22日(金)19:00~21:00に開講します。「エネルギー政策はこれからどうなるのか、その選択肢は」をテーマに大島堅一氏氏(立命館大学国際関係学部教授)を迎え、福島原発事故を受け、日本及び関西におけるこれからのエネルギー政策の展望について伺います。(会場:ドーンセンター)
第3回からの受講も可能ですので、是非ご参加ください。
第4期の案内・お申し込みはこちら→ https://aozora.or.jp/archives/4274
記:相澤

7月1日からスタートした第4期環境フロンティア講座ですが、7月15日に第2回「原発事故からみた技術利用の安全問題」を西川榮一氏(神戸商船大学名誉教授)を講師としてお迎えし開催しました。(参加者34名)

「自分で道具を作り、それで何かを手に入れたり、または危険な作業を安全に行うことができるということが人間の秀でたところであるというところからスタートし、最初に写真を見ながら福島原発事故の解説をしていただきました。

◆地震の多い日本に原発を建てるということ

・発達してきた技術にとって地震、それに伴う津波は非常に警戒すべきハザードであり、日本でもその点についてはさまざまな場所で指摘されている。

・1900年以降死者1000人以上の地震が多い国上位10カ国の中で、原発保有数について日本は群を抜いている。

・過去100年に日本列島で起こった地震の中で、犠牲者1000人規模以上の地震は10回以上にものぼり、しかも1948年から1995年の間はそれだけの規模の地震は起こっていない空白期であった。この空白期の間に日本の原発は増えていった。

・空白期を終え、阪神淡路大震災、東日本大震災と震災が短期間に起こっていることから、これから先日本にあるすべての原発が地震のリスクにさらされていると言っていいのではないか。

◆原発が推し進められた背景と問題点

・国と東電が一体になって、反対意見を封じ込め、第3者検査機関ゼロの原発推進体制を作った。

・これからは第3者が技術の安全について考える社会の仕組みが原発分野にとどまらず必要である。

・国は教育でも原発は必要だという教え方をし、安全神話を作り上げてきた。

・原子力発電の技術はすべて輸入したものであり、自主的な技術開発がなされないままに原発ができていった。そのためいざという時に十分に対応できない体制になってしまった。

◆福井県にある原発と大阪の関係

・現在、地震のみならず気候変動に伴う災害リスクが増大している。

・福井県にある原発は、大阪の水瓶である琵琶湖と非常に距離が近い。また原発の周辺ではいくつもの活断層が見つかっており、活断層が原因で生じる直下型地震は予知できない。

◆原発の素顔

・原発は決して安全な技術ではなく、過酷な事故が起こったときには手に負えない事態に陥る可能性が高い。

・また廃炉にしてもその解体などに30~40年はかかる。福島原発も廃炉になった原子炉を解体するのには同じくらいの時間が必要。

・今ある残りの原発では2度と過酷事故を起こしてはならない。(手に負えない事態は確率生起的には評価できない)

◆技術の自然性、社会性

・技術とは自然の法則に基づいて生み出されている(自然性)

・また技術を使う人の存在を見逃してはならず、技術の使い方などを決める人間の意思が存在することを忘れてはならない(社会性)

・技術の安全問題については自然性だけでなく、社会性についての分析も必要である。

◆第3者が検査する体制の必要性

・日本では第3者検査について、先進国の中で最も遅れている。これは何十年も昔から指摘されている国家的課題である。

◆安全と環境保全の両課題に応えるエネルギー体系

・再生可能エネルギー使用の重要点は、人が何もしなくても熱に変化すること、つまり人為的エネルギーフローを持ち込まないという点である。

・省エネルギーは不断に目指される目標である。

という内容でお話いただきました。

P1120484

《参加者からの質問》

・フランスでは原子炉を冷やす仕組みが水冷ではなく、空冷のものがあるようだが、日本では使えないか。

・再生可能エネルギー導入のために必要な仕組みやハード面について、どのようなものを考えているか。

などの質問が出ました。

《参加者の感想》(一部)

・技術利用の安全問題の解説はよく理解できた。1番の問題はヒューマンテクノシステムを監視する第3者検査原則が今の社会で弱い=経済優先社会であり、これが問題である。

・独立した第3者検査原則の重要性を再認識させられた。是非現状の保安院をつぶし、新しい検査機関の設立を要求したい。

第3回のご案内

第3回は7月22日(金)19:00~21:00に開講します。「エネルギー政策はこれからどうなるのか、その選択肢は」をテーマに大島堅一氏氏(立命館大学国際関係学部教授)を迎え、福島原発事故を受け、日本及び関西におけるこれからのエネルギー政策の展望について伺います。(会場:ドーンセンター)

第3回からの受講も可能ですので、是非ご参加ください。

第4期の案内・お申し込みはこちら→ https://aozora.or.jp/archives/4274

記:相澤

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