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アジア太平洋NGO環境会議に参加しました。

11月19日から21日にわたり、台湾で行われた第10回アジア太平洋NGO環境会議(APNEC10)に参加しました。
遅くなりましたがその報告です。
APNECはアジア、太平洋で活動している環境NGOや学識者が、環境関わる問題解決に向け、情報交換や交流を目的として開催されています。今回は台湾の台北にあります公務人力発展中心(ハワードセンター)を会場に開催されました。
19日には開会を前に、主催者と発表者、参加者が交流するレセプションが行われました。
[写真]
シンガポール、オーストラリア、韓国、バングラディッシュなど、様々な国の方が報告を発表することがわかり、ワクワク。
20日はまず開会式が行われました。
開会式では日本環境会議会長の加藤和久氏が基調講演を行いました。
[写真]
地球温暖化により、海水面が上昇すると同時に、これまで融けることのなかった永久凍土、山岳の氷河が融け、氷河ダムができるなどの変化が起こっている現状と、これから私たちが何をすべきかについてや、フィリピンでは環境教育の政策が新たにスタートするなど、各国の状況を紹介されました。
また福島の原発事故にも触れ、これからは従来のトップダウンによる統治、政策ではなく、市民の考えを踏まえた国際交渉や統治、政策のあり方が求められると述べました。
開会式を終えると、この日はセッションⅠからⅢがあり、各セッションで5つのテーマに分かれて、発表と意見交換の場が持たれました。
まず私は、Environmental Education and Community Participation(環境教育、住民コミュニティの参加)のセッションに参加しました。
このセッションでは台北で行われている自然環境教育の活動の紹介と、パラオの住民参加によるまちづくりの事例の報告がありました。
[写真]
台北で最も大きい環境NGO「SOW(Society Of Wilderness)」の活動が紹介されました。
活動は日本各地にある自然学校で行われている自然環境教育と似ているが、親子で行う環境教育の実施に力を入れている点が特徴的だと思いました。
また活動に参加した多くの人がボランティアで活動に関わり、活動が大きくなっているのにも驚かされました。
[写真]
パラオの住民コミュニティのまちづくりへの参加の話では、外からやってきたまちづくりの専門家が立てた計画がうまくいかず、多くの時間と費用を無駄にしたという思いから「自分たちで計画を考える」ということで、住民コミュニティ参加型のまちづくりが行われているということ、それによって住民がOwner-shipを持つようになることなどが報告されました。これは時間やコストがかかるが、それだけの価値があるということを改めて感じました。
次のセッションではYouth Forum(若手の交流)に参加しました。
このセッションは各国の学生、若手NGO職員が、これから自分たちが担っていく社会の中で、何が重要かを考え、意見交換をするものです。
[写真]
トピックの1つに「これからを担うリーダーに必要な用件とは何か?」というものがありました。
リーダーシップとは「影響」であり、その影響によってメンバーを成長させる、いわば「プロセス」のようなものだという考え方に触れ、新しい考えの視点をもらいました。このことを教えてくれたのはザンビアから台北に来ている学生です。すごいなぁと感心しました。
20日最後のセッションではHigh-tech Industries’ Environmental Pollution Control(ハイテク産業の公害規制)に参加しました。
[写真]
このセッションでは海外の公害について、被害、対策、訴訟などの観点から報告がされました。
1番驚いたのは、台湾でつい最近まで日本の企業が起こした公害の訴訟があったということですゲームのコントローラーなどを作っている会社の出す排水がもとで多くの人が健康を損ない、命を落とす人もいたという事実に愕然としました。日本で生活している中で、私たちが何気なく使っているもの、このブログを書くために使っているディスプレイ、キーボードなども、もしかしたら誰かの犠牲の上に作られているのではないかと思うと、こわくて仕方ありません。
21日はまず基調講演があり、John Seed氏が話をしました。自然と対話することが今求められ、人々はこれまでの人間視点での行動から、環境視点での行動へと行動改革をしていかなくてはならないこと、そのために環境NGOが新しいビジョン、活路を見いださなくてはならないこと、様々な問題を深く深く問い続けることができる人が多くならなければならないことなどを述べました。
[写真]
この日最初に参加したセッションはCorporate Social Responsibility(企業の社会的責任)でした。
台湾の企業の人が、その企業で行っているCSRについて紹介し、どのように企業の社会的責任を果たしているのかについて報告があり、自然への配慮をサプライチェーン(下請け企業全体)にそれを徹底するなどの活動を行っているとのことでした。
[写真]
次に参加したのはNatural Disaster and Energy Policy(自然災害とエネルギー政策)です。
なぜ日本に原子力発電にこだわるのか、それは経済的理由ではなく政治的理由に因るものが大きいという報告がありました。現在問題になっているホットスポット、そこから放射能がどのように流れていくのかについて分析できるツールについての発表や、これからの環境NGOの役割についての報告もあり、脱原発依存のためになすべきことについて考えるきっかけになりました。
[写真]
最後のセッションはAsbestos-related Diseases, Control Strategies and Litigation(アスベスト問題)です。
[写真]
このセッションでは日本でも問題になっているアスベスト問題の台湾、韓国の事例を紹介してもらった後で、意見交換がなされました。私はこのセッションが最も印象に残っています。
日本では公害による健康被害と規制がつながって考えられ、行政もそうした体制になっているが台湾ではそうなっておらず、この大きな違いに驚きました。国民の健康と一体的に進める体制がないと、どこかですれ違いが生じ、被害が大きくなってしまうと思います。リスクを最小にするためにも、行政の体制を変えた方がいいのではないでしょうか。
またアスベストは産業においてとても使いやすいものなので、規制をしたら他の国へ被害が行ってしまう問題もあります。また経済発展のために企業を受け入れたい国はアスベストの規制をしないことも考えられ、アスベストによる公害とその被害者を世界からなくすにはたくさんの課題があることを痛感しました。
すべてのセッションが終了し、閉会式、そしてパーティーがありました。
[写真][写真]
今回のAPNEC10への参加は、私にとって、海外の事例や、活動している方と交流を持つという非常に貴重な機会となりました。日本でもまだまだ多くの方が公害で苦しんでいる同じ時に、世界でも同じ様な問題が起こっていることへの気づきは得難いものです。また日本の企業が途上国に工場を作り、そこで公害が起こっている事実をまざまざと見せつけられ、日本で活動する私たちの役割の重要性を再認識させられました。
今回学んだ事を、今後の活動に活かし、また私たちの活動をAPNECで発表報告できるように頑張っていきたいと思います。
そのためにはもっと英語を勉強せねば…
記:相澤

11月19日から21日にわたり、台湾で行われた第10回アジア太平洋NGO環境会議(APNEC10)に参加しました。

遅くなりましたがその報告です。

APNECはアジア、太平洋で活動している環境NGOや学識者が、環境関わる問題解決に向け、情報交換や交流を目的として開催されています。今回は台湾の台北にあります公務人力発展中心(ハワードセンター)を会場に開催されました。

19日には開会を前に、主催者と発表者、参加者が交流するレセプションが行われました。
シンガポール、オーストラリア、韓国、バングラディッシュなど、様々な国の方が報告を発表することがわかり、ワクワク。

20日はまず開会式が行われました。

2011-1120-103900809

開会式では日本環境会議会長の加藤和久氏が基調講演を行いました。

地球温暖化により、海水面が上昇すると同時に、これまで融けることのなかった永久凍土、山岳の氷河が融け、氷河ダムができるなどの変化が起こっている現状と、これから私たちが何をすべきかについてや、フィリピンでは環境教育の政策が新たにスタートするなど、各国の状況を紹介されました。

また福島の原発事故にも触れ、これからは従来のトップダウンによる統治、政策ではなく、市民の考えを踏まえた国際交渉や統治、政策のあり方が求められると述べました。

開会式を終えると、この日はテーマ別セッションに分かれて、発表と意見交換の場が持たれました。

まず私は、Environmental Education and Community Participation(環境教育、住民コミュニティの参加)のセッションに参加しました。

このセッションでは台北で行われている自然環境教育の活動の紹介と、パラオの住民参加によるまちづくりの事例の報告がありました。


台北で最も大きい環境NGO「SOW(Society Of Wilderness)」の活動が紹介されました。活動は日本各地にある自然学校で行われている自然環境教育と似ているが、親子で行う環境教育の実施に力を入れている点が特徴的だと思いました。

また活動に参加した多くの人がボランティアで活動に関わり、活動が大きくなっているのにも驚かされました。

パラオの住民コミュニティのまちづくりへの参加の話では、外からやってきたまちづくりの専門家が立てた計画がうまくいかず、多くの時間と費用を無駄にしたという思いから「自分たちで計画を考える」ということで、住民コミュニティ参加型のまちづくりが行われているということ、それによって住民がOwner-shipを持つようになることなどが報告されました。これは時間やコストがかかるが、それだけの価値があるということを改めて感じました。

次のセッションではYouth Forum(若手の交流)に参加しました。

このセッションは各国の学生、若手NGO職員が、これから自分たちが担っていく社会の中で、何が重要かを考え、意見交換をするものです。

トピックの1つに「これからを担うリーダーに必要な用件とは何か?」というものがありました。リーダーシップとは「影響」であり、その影響によってメンバーを成長させる、いわば「プロセス」のようなものだという考え方に触れ、新しい考えの視点をもらいました。このことを教えてくれたのはザンビアから台北に来ている学生です。すごいなぁと感心しました。

20日最後のセッションではHigh-tech Industries’ Environmental Pollution Control(ハイテク産業の公害規制)に参加しました。


このセッションでは海外の公害について、被害、対策、訴訟などの観点から報告がされました。
1番驚いたのは、台湾でつい最近まで日本の企業が起こした公害の訴訟があったということですゲームのコントローラーなどを作っている会社の出す排水がもとで多くの人が健康を損ない、命を落とす人もいたという事実に愕然としました。日本で生活している中で、私たちが何気なく使っているもの、このブログを書くために使っているディスプレイ、キーボードなども、もしかしたら誰かの犠牲の上に作られているのではないかと思うと、こわくて仕方ありません。

21日はまず基調講演があり、John Seed氏が話をしました。自然と対話することが今求められ、人々はこれまでの人間視点での行動から、環境視点での行動へと行動改革をしていかなくてはならないこと、そのために環境NGOが新しいビジョン、活路を見いださなくてはならないこと、様々な問題を深く深く問い続けることができる人が多くならなければならないことなどを述べました。

この日最初に参加したセッションはCorporate Social Responsibility(企業の社会的責任)でした。

台湾の企業の人が、その企業で行っているCSRについて紹介し、どのように企業の社会的責任を果たしているのかについて報告があり、自然への配慮をサプライチェーン(下請け企業全体)にそれを徹底するなどの活動を行っているとのことでした。

次に参加したのはNatural Disaster and Energy Policy(自然災害とエネルギー政策)です。

なぜ日本に原子力発電にこだわるのか、それは経済的理由ではなく政治的理由に因るものが大きいという報告がありました。現在問題になっているホットスポット、そこから放射能がどのように流れていくのかについて分析できるツールについての発表や、これからの環境NGOの役割についての報告もあり、脱原発依存のためになすべきことについて考えるきっかけになりました。

最後のセッションはAsbestos-related Diseases, Control Strategies and Litigation(アスベスト問題)です。


このセッションでは日本でも問題になっているアスベスト問題の台湾、韓国の事例を紹介してもらった後で、意見交換がなされました。私はこのセッションが最も印象に残っています。

日本では公害による健康被害と規制がつながって考えられ、行政もそうした体制になっているが台湾ではそうなっておらず、この大きな違いに驚きました。国民の健康と一体的に進める体制がないと、どこかですれ違いが生じ、被害が大きくなってしまうと思います。リスクを最小にするためにも、行政の体制を変えた方がいいのではないかなど、いろいろ考えました。

またアスベストは産業においてとても使いやすいものなので、規制をしたら他の国へ被害が行ってしまう問題もあります。また経済発展のために企業を受け入れたい国はアスベストの規制をしないことも考えられ、アスベストによる公害とその被害者を世界からなくすにはたくさんの課題があることを痛感しました。

今回のAPNEC10への参加は、私にとって、海外の事例や、活動している方と交流を持つという非常に貴重な機会となりました。日本でもまだまだ多くの方が公害で苦しんでいる同じ時に、世界でも同じ様な問題が起こっていることへの気づきは得難いものです。また日本の企業が途上国に工場を作り、そこで公害が起こっている事実をまざまざと見せつけられ、日本で活動する私たちの役割の重要性を再認識させられました。

今回学んだ事を、今後の活動に活かし、また私たちの活動をAPNECで発表報告できるように頑張っていきたいと思います。

そのためにはもっと英語を勉強せねば…APNEC10の公用語が英語だったので、内容がもしかしたらちょっと違うところもあるかもしれませんがご容赦ください。

記:相澤

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