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歌島橋交差点の横断歩道が消えた!


 2009年4月1日、国道2号の歌島橋交差点(大阪市西淀川区)の改良工事・地下道整備の完了に伴い、地上の横断歩道が撤去されました。
 同交差点の改良工事については国(国土交通省)、公団(阪神高速道路公団=当時)を被告に争われた西淀川公害裁判の和解により設置(1998年10月)した、「西淀川地区道路環境沿道に関する連絡会」(以下連絡会)で1999年以来、再三協議してきた事項であり、西淀川公害訴訟原告団では一貫して「人や弱者を地上から排除する」横断歩道の撤去には反対してきました。
→歌島橋交差点の工事について国が示した完成イメージ図(国が当初示したイメージ図では、横断歩道が描かれています。2003.10)

 2005年春、国交省が第1期工事(地下道の一部開通)完了に伴う横断歩道撤去の意向を示したことに対して、「まちづくりを考える会」と共同して「歌島橋交差点の横断歩道に関して、区民や利用者の尾件を幅広く集めた上で撤去の是非を検討するよう求める署名」をよびかけ、1225筆の署名を集めて、西淀川区役所、西淀川警察署、国土交通省近畿地方整備局の3者に提出しました。(2005年8月5日)
署名を提出する様子(2005.8.5)
第一期工事後の様子(2005.8.5)

 同連絡会を通じて、原告団は①横断歩道の撤去は「住民合意」とはいえない②第2期工事までに住民合意のもと、横断歩道撤去の是非を検討するべき③(連絡会で)原告団と約束した「歌島交差点の緑化」を行うこと、を提案するとともに「住民合意の進め方の方向性」についても示しました。
 しかし、国交省は、こうした意見・提案に対しては「聞き置く」だけの対応で、「改良工事・地下道整備後の横断歩道撤去」という自らの既定路線に「理解」を求めることに終始しました。
撤去前の様子(2009.3.31)
撤去後の様子(2009.4.6)

 こうした一連の動きは、「そこのけそこのけクルマが通る」とクルマ優先で道路建設を推進してきた国交省の姿勢は、公害を巻き起こした従来の姿勢と変わらぬものであり、「安全と環境」を唱えてはいるものの、決して人間(利用者・市民)の方に「顔」を向けていないことは明らかです。
原告団では、このたび強行された横断歩道の撤去に対して強く抗議するとともに、引き続き「人にも環境にもやさしい」道路行政実現のために市民・利用者のみなさまとともに活動を進めることを表明し、抗議文を提出しました。

 抗議文(2009.4.1)

その後、地下道内の案内板についての修正が行われましたが、横断歩道の復活に向けて、今後も話し合いを続けて行きたいと思います。

記 藤江 徹(あおぞら財団) 




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