もりもとまきのアーキビストの目 No.10
大阪公害患者の会連合会の結成 ―みんなで手を携えて―
(資料館だより27号、2009/11)
紹介資料:大阪公害患者の会連合会写真資料(1978年)
エコミューズでは、さまざまな公害患者団体の資料を所蔵しています。今回は、大阪公害患者の会連合会(以下、連合会)の写真資料を紹介します。
連合会は、1977(昭和52)年4月に結成されました。西淀川公害患者と家族の会(’72.10)を皮切りに、府内各地で患者会が発足し、それぞれがさまざまな運動を進めるなかで、患者会同士の交流や連携によって、共通の課題に取り組んでいく必要性が高まっていたのです。結成大会には、17の地域患者会から約1,000名が参加したといいます。翌’78年4月の第2回総会は(写真上)、西淀川公害裁判提訴と同じ日に開かれ、中之島公会堂に大勢の人々が集いました。
同年7月に環境庁は、大気汚染の原因のひとつである二酸化窒素(NO2)の環境基準を緩和しました。産業発展を重視する政府や財界の、強い意向が働いたのです。連合会は、この動きを厳しく批判しました。写真下は、大阪市公害対策審議会大気部会NOX小委員会への抗議行動のようすです。
現在もなお、公害対策や環境行政に対して積極的な提言を続ける連合会の、結成当時の熱気を伝える貴重な資料です。
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(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)