第3期環境フロンティア講座(第3回)を開催しました
12月3日(金)に第3期環境フロンティア講座の第3回を開催しました
第3回目は「都市と農村のあり方〜都市に農地は必要か〜」というテーマで、
神戸大学大学院 農学研究科 地域連携センター 地域連携研究員の
内平隆之先生にお話していただきました
みなさんは「都市に農地は必要」だと思いますか?
この日の受講生は30人ほど。そのうち、”NO”と答えた方が5名いました
では、ちょっと考えてみましょう、ということで、以下の内容でお話していただきました
1.都市(マチ)と農村(ムラ)の関係
2.都市農地不要論
3.都市農地必要論
4.課題と展望
聞いていて面白かったのは、都市農地不要論。
虫の発生や騒音、異臭や景観問題など、農家の方も色々悩みながら農業をしているんだなぁと思いました
かつ、
生物多様性に大きな貢献をしているといわれている水田(稲作)では特に儲からないらしく、
自給の分として農業をしている方が多いということでした。(食べれない分は廃棄したりもするそうです)
なので、大阪は食料自給率は2%と言われていますが、実際大阪にある農地が作った農作物を市場に流せば、2%ということはないのでは、ということを言っておられました。
そういえば我が家の横にも水田がありますが、おそらくご自宅分しか作っていないのだろうなぁと思いました
と、なってくると、一言で”農地”と言っていると、マズイのではないかと感じました
私はなぜ、農地が必要だと考えるのか、そこをはっきりさせないといけないなと思いました
そこで、都市農地必要論の話です
先ほども出ましたが、一つは生物多様性の問題
それからやっぱり、近くで採れたものを旬の時期に食べるということは大切(権利としても挙げられていました)
それから防災などの機能やヒートアイランドの緩和などなど 農地には様々な役割があるんですね
ただ、今挙げた必要な面での役割は、広く一般に対するものが多いので、その部分をモチベーションとして、どれだけの農家さんが農業を続けようと思う原動力になるのか、ということは問題だと思いました
そこで先生からも問いかけられたのが、「あなたは援農をしますか?」ということ
やはりこれからは”援農”がないと、農家の方もしんどいのではないでしょうか
では、私たちに出来る”援農”とは?
ある人は実際に農地に行って作業を手伝う、
またある人は、地元産の野菜をなるべく買うようにする、色々あるかと思います
生物多様性やヒートアイランド、防災の点で見れば、小さめの農地で自給分だったとしても、そういったものが増えるのはいいこと。
だけど、食料供給の問題で言えば、もう少し大きい農地で、一定量を確保できる農家・農地が必要。
この両者に対しての支援は、決して同じではないのでは?
やはり私はなぜ、農地が必要だと考えるのか、そこをはっきりさせないといけないなと思いました
今回は時間がなかったので無理でしたが、”都市に農地は必要ない”と答えた5名の方に、
色々お話を聞きたかったです
受講生からの質問(一部)
・ファーマーズマーケットを自分たちの町に呼ぶにはどうすればいいのか
・援農は実際の作業以外にはどんなものがあるのか
・行政が埋め立てたところを農地へ貸し出したり出来るのか
受講生の感想(一部)
・非常に面白かった。地域の農地を残したければ、地域住民が動くべきやということ、その通りやと思いました。
農家と地域住民のネットワーク作りが大事やと思います。どう動くべきか・・・考えさせられました。
・農地を周囲の目からどう見ているかや、農地の多面的な機能整理されていてよかった。農家の意欲や意義がどうか、社会としてのあるべき論も知りたかった。
・とてもおもしろかったです。
都市計画を学ぶ学生ですが、農地に関しては学ぶことは無かったので、とても勉強になりました。自分でもいろいろ勉強をはじめてみたいと思います。
次回(最終回)は12月17日(金)19:00〜20:30
「まちに緑はなぜ必要か〜都市の中の自然の重要性・役割〜」というテーマで、
東京農業大学名誉教授・前学長の進士五十八先生にお話していただきます
最終回だけの受講も大丈夫ですので、みなさんぜひお越し下さい