西淀川道路連絡会を開催(3/17)
3月17日に西淀川道路連絡会が開催されました。国交省近畿地方整備局の会議室とあおぞらビル会議室をオンライで繋いでの開催です。西淀川大気汚染公害裁判(1978年~1998年)の和解条項に基づき、道路管理者(国交省・阪神高速)と原告(患者会)の間で道路環境の改善について話し合う場で、一年に一回のペースで開催しています。
はじめに原告団長の森脇君雄さんから「ようやく青い空を取り戻すところまで前進した。(まちも空気も)昔の美しさを取り戻すように頑張ってほしい」とあいさつがありました。
次に、山下晴美さんから被害の訴えがありました。山下さんの旦那さんは建設現場で杭打ち工として働いていましたが、公害のために気管支ぜん息になり、闘病生活を余儀なくされています。47歳のときに建設現場で大発作が起こり、心肺停止になったこともあります。昨年は心臓弁の置換手術を行いましたが、医師からは薬の副作用ではないかと言われました。山下さんは、被害者を二度と生み出さない公害のない住み良い街を作って欲しいと訴えました。これを受けて、国土交通省近畿地方整備局計画調整課平井課長が「つらい経験をうかがい、身につまされる思いをした。引き続き環境改善に取り組みたい」と応じました。
現在、西淀川区の大気環境はかなり改善しつつあります。高い濃度で推移していた二酸化窒素は環境基準の下限値を、PM2.5も環境基準値を下回っています。改善の理由についてはまだ明確に言えませんが、新型コロナの影響により大型車交通量が減少傾向にあることが要因の一つではないかと思われます。
今後、新型コロナの影響が弱まり、大気環境が悪化しないよう注視していく必要があります。
また、市街地の大気環境改善のために環境ロードプライシングが行われています。国交省の調査では、環境ロードプライシングの認知をしていない物流業者が一定数あることが明らかになりました。広報の充実を行うほか、EV等の環境配慮車両の事業者への優遇ができないかといった議論が出ました。
他に、歌島橋交差点の植栽、地下歩道の案内表示、自転車道の整備、常時大気測定局の看板についてなどが話し合われました。また、「世界中が目標を掲げて動いているCO2削減に(道路管理者として)取り組むべきだ」「大型車の夜間交通の削減、万博開催の影響などの対策を示してほしい」などの要望が出ました。
道路連絡会の開催は年に1回だけですが、道路管理者(国道交通省・阪神高速道路株式会社)と原告(患者会)の間で2~3か月に1回の頻度でワーキング会議を実施しています。今後も引き続き、道路環境の改善に向けて検討を続けていきたいと思います。
(谷内)