もりもとまきのアーキビストの目 No.19
弁護士も立ち上がる-西淀川大気問題研究会-
(資料館だより36号、2011/05)
紹介資料:西淀川大気問題研究会議事録(1977年)
西淀川公害訴訟弁護団の母体となったのは「西淀川大気問題研究会」です。エコミューズでは会議録など、同研究会の多くの資料を所蔵しています。
研究会は’73年11月、青年法律家協会(青法協)大阪支部で発足しました。’54年に若手法律家たちが設立した青法協は、’69年に「全国公害研究集会」をスタートさせるなど、公害問題に高い関心を持っていました。当時西淀川公害患者と家族の会事務局長であった森脇君雄は、青法協に対して西淀川公害裁判提訴の必要性と協力を訴え、西淀川大気問題研究会の発足に至りました。翌’74年、患者会の被害救済要請を受けて大阪弁護士会公害対策委員会に設置された「西淀川問題小委員会」にも、同研究会のメンバーが参加しました。
提訴の前年、‘77年3月15日の会議録(眞鍋正一弁護士資料No.992,写真上)からは、被告の選定、研究者・医師らとの協力強化、訴訟のための資料収集、弁護団の体制などについて討議されていることが分かります。また同年7月の合宿議事録(同No.1016,同下)では、訴状案の検討過程などが分かります。
患者に寄り添い、公害に立ち向かい、西淀川に青い空をよみがえらせようと奮闘した弁護士たちの姿を伝える資料です。
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(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)