(財)淀川勤労者厚生協会の新入職員研修の受け入れ(4/4)
日 時=2012年4月4日(水)9:00-15:00
参加者=36人(引率3人含む)
(財)淀川勤労者厚生協会の病院や診療所、薬局などで、この4月から勤務する新入職員33人が、西淀川地域や西淀川公害について学ぶための研修を、あおぞら財団がお手伝いしました。
参加者は野里診療所にて、フィールドワークの説明を受け、映像『溝口歯車とその家族』、『西淀川公害を闘う』を視聴しました。
その後、バスにて、ファミリークリニックなごみ、在宅福祉総合センターみてじま、などを訪問しました。
さらに、千北診療所にて、診療所の成り立ちや、公害がひどかったときの病院の役割などを聞きました。
次に歩いて、国道43号へ向かい、自動車の交通量の多さを体感。どのような排気ガス対策があるのかを見学しました。
再び、バスに乗り、中島工業団地、淀川の堤防、福漁港、公害医療センター、姫島診療所などを見学。最後は大野川緑陰道路を歩いて、あおぞら財団に到着。
西淀川公害患者と家族の会の永野千代子氏から自身の被害や、公害反対運動へのかかかわりについてお話を聞き、西淀川・公害と環境資料館を見学し、本日の研修を終えました。
永野氏との質疑応答のいくつかを紹介します。
参加者:
反対運動を続けてきた原動力は何ですか?
永野氏:
よき指導者がいたこと。同じ住むなら、きれいな空気のところに住みたいという気持ち。子ども達に青空を手渡したいという気持ち。
参加者:
なぜ、今も公害がある地域に残って住んでいるのですか?
永野氏:
今まで一生懸命やってきて、ここまで良くなってきた。だから、もっとこの地域を良くしたいから。空気がきれいな田舎に行けば、体にはいいかもしれないが、今までやってきたことが無になるような気がする。他の地域では、公害病をみてくれる医療機関がないことも心配。
以上
西淀川での公害反対運動の中で、医療機関が果たした役割はとても大きいものです。この地域は他の地域と比べて、公害病の人が多いということを疫学的に証明できたのは、公害患者の立場から支援をおこなった医療機関があったからです。そうした歴史の上に今があることをこの研修を通じて、あらためて感じました。
鎗山善理子(あおぞら財団スタッフ)