2010年8月20日に寝屋川市教育研修センターで「買い物から環境と交通を考える」という講座でフードマイレージ買い物ゲームを行いました。
今回は3〜5年目の、小学校や中学校の先生方24人が参加しました。
最初にゲームの説明を行い、時代によって交通手段や食材の値段に違いがあることを伝えました。
6グループに分かれてそれぞれ自己紹介をした後、グループで家族になってもらい今日の晩ご飯のメニューと買い物に行く場所と交通手段を考えてもらいました。
それぞれのグループではワイワイ話し合いながら献立を考えていて、1970年代のグループでは卵やあさりなど今とは全く値段の違う食材に戸惑っていました。一方現代チームは出来るだけ安い食材を選んだり、安全性を考えて中国産のものを避けたりしていました。
メニューと食材がが決まれば今度は絵を書いていきます。さすが先生なだけあってユニークで楽しい絵が完成しました。
そしてできあがった献立を各グループで発表してもらいました。
季節を考えたメニューや流行のタジン鍋を使ったメニューなどグループで個性が出ていました。
ではフードマイレージゲームの種明かしです。それぞれの食材に書いてある★マーク。これはその食材に★の数だけCO2が20gが発生していることを表します。食材と環境負荷物質が関係していることに先生方は驚かれていました。
結果1970年代チームは交通がまだ発達していないため近郊の食材ばかりで★は少なくなり、現代チームは遠方の安い食材を選んだため★が多くなってしまいました。しかし1970年代チームでも外国産の食材を選んだチームは★が現代ほど多く、旬を意識して食材を選んだ現代チームは★が少なくなったという逆転劇が起きたりもしました。そんな1970年代チームより★の数が少なかった現代チームですが、自動車で近くのショッピングモールに買い物に行ったため他のチームを大きく上回る120個の★がついて先生方はがっかりされていました。
日本はフードマイレージが最も多く、その原因として食糧自給率が低いことと食生活が変わってきたということを説明しました。ここ大阪でも食糧自給率は2%ととても低く、地野菜を生産している農家さんも減少していることが問題です。
値段やおいしさばかりが注目され、食材たちは交通や保存技術の発達で様々な地域から運ばれてくるようになりました。けれど買い物の時にその食材にかかる大気汚染物質のことを考えて近郊の食材を進んで選ぶようにすれば、環境にやさしい社会をつくる一歩になります。これからは値段やおいしさや安全性だけでなく、環境のことを考えながら買い物をしてみてはいかがでしょうか?
あおぞら財団インターン生 滋賀県立大学 松永由希