西淀川の大気および道路交通の状況
このページでは、西淀川区内の大気汚染および道路の状況をまとめています。
西淀川の大気の状況
二酸化窒素(NO2)は減少傾向
- NO2は大気汚染の原因になる代表的な汚染物質で、呼吸とともに人体に取り込まれ、呼吸器疾患の原因になります。
- NO2の環境基準は、日平均値の98%値が0.04ppm から0.06ppmのゾーン内又はそれ以下と定められています。
- 大阪市年平均値の推移をみると、経年的にはゆるやかな減少傾向にあります。
- 西淀川区内のNO2濃度も経年的にはゆるやかな減少傾向にあります。
- 平成16、平成18年度の日平均値の年間98%値は環境基準の0.06ppmを超えていましたが、平成26年度には初めて0.05ppmを下回りました。
あおぞら財団では、毎年二酸化窒素の自主測定を行っています。結果はこちら「二酸化窒素の自主測定結果」をごらんください。
微小粒子状物質(PM2.5)は環境基準を達成していない
- PM2.5 とは大気中に浮遊している 2.5 μm 以下の小さな粒子のことです。PM2.5 は髪の毛の太さ の 1/30 程度と非常に小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が懸念されています。
- PM2.5の環境基準は、1年平均値 15μg/m3以下 かつ 1日平均値 35μg/m3以下であることと定められていますが、西淀川区内では環境基準を上回っています。
西淀川の道路交通の状況
西淀川区内を通過する大型車は非常に多い
- 国道43号では、交通量8万台/日、大型車交通量は約30%で推移しています。
- 大気汚染を改善するためには、西淀川を通過する大型車交通量を減らす必要があります。
五叉路の歌島橋交差点の地上の横断歩道は撤去されたまま
- 歌島橋交差点の地上の交差点は、地下の横断歩道が設置された後、2009年に国土交通省により撤去されました。原告団は、「みちはひとのもの」と主張した上で、「人や弱者を地上から排除する」横断歩道の撤去に強く抗議しており、原告団と国交省との話し合いは平行線をたどっています。
- 撤去される前の歌島橋交差点では、たくさんの歩行者や自転車が行き交っていました。
- 国土交通省は、交差点部での渋滞緩和、歩行者・自転車の安全確保などを目的として、地上の横断歩道を撤去し、地下歩道を整備しました。整備期間は1998年12月~2010年3月の約11年です。その結果、交通事故の減少(整備前5.0件/年→整備後0件/年)、渋滞長の短縮(整備前:1,860m→整備後:800m(5方向の和))、車の排出ガス量の削減(計算上で、排出ガス量が10%削減)、歩行者の横断時間の短縮(地下道利用者全体で226時間の短縮効果)の効果があったとしています。(国土交通省大阪国道事務所:歌島交差点改良のページ)
- 横断歩道撤去後に国交省が行ったアンケート調査によると、歩行者の55%は「横断に時間がかかる」、69%は「登り下りが大変」と回答しています。また、自由記入では、「自転車とのすれ違いに危険を感じる」、「防犯面で不安」といった回答が見られます。
- 歌島橋交差点は5叉路であるため、いったん地下歩道に入ると方向がわかりづらくなります。そのため、目的地に向かう出口がわからずに迷っている人を頻繁に見かけます。地上の横断歩道であれば、目的地が見えていれば交差点内で迷うということはほとんどありません。
- 歌島橋交差点整備の評価については、論文にまとめています→ 谷内久美子、藤江徹「大規模五叉路交差点のバリアフリー整備の評価に関する研究」第 35 回交通工学研究発表会論文集、2015年3月