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2/17 医療従事者向け ぜん息・COPD患者の呼吸リハビリテーション講習会を開催しました。

2013年2月17日(日)、のざと診療所3階にて、医療従事者向け ぜん息・COPD患者の呼吸リハビリテーション講習会を開催しました。医師、理学療法士、看護師など、スタッフも合わせて約40名が参加しました。
(前回(1/22)の講習会のブログはコチラ

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■[講座]ぜん息・COPD患者の呼吸リハビリテーション(千住秀明氏)
■[実技]呼吸リハビリテーションの実技演習(千住秀明氏)

はじめに、あおぞら財団の藤江から挨拶があり、続いて千住先生からこの事業の簡単な説明と本日の講義の流れの説明がありました。

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■[講座]ぜん息・COPD患者の呼吸リハビリテーション(千住秀明氏)
・患者を生きる
・慢性閉塞性肺疾患;COPD
・呼吸リハビリテーション
・呼吸リハビリテーションの長崎での取り組み

・患者を生きる
2012年7月に掲載された朝日新聞の「患者を生きる」という記事の紹介がありました。長崎の長距離トラック運転手の方で、仕事柄、多い日は夜だけでタバコを40本も吸っていたそうです。その方がCOPDになった経緯が紹介されていました。

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・慢性閉塞性肺疾患;COPD
WHO(世界保健機関)による世界における死亡順位の予測ですが、1990年にはCOPDは6位でしたが、2020年には第3位になると予測されています。
日本においては、COPD患者は把握しているだけでも212,000人(人口約0.2%)と言われていますが、推定では530万人(人口約8.5%)とも言われています。気付かない、自覚のない人が多いというのがCOPDの特徴とも言えます。

COPDの管理目標

その他、呼吸障害者の定義、特徴、COPDに対するガイドラインの紹介がありました。

・呼吸リハビリテーション
呼吸リハビリの効果について、下記の赤字の5つは特に効果が高いそうです。

呼吸リハの効果

呼吸リハビリは患者の生存率にも関わるため、医療従事者は積極的に実施していく必要があります。

・呼吸リハビリテーションの長崎での取り組み
もともと保健所で肺結核後遺症の患者向けに呼吸器教室を開いていたそうです。それが、年々参加者にCOPDや気管支ぜん息、慢性気管支炎の患者が増え、平成16年には約9割がCOPD患者となったそうです。そこで長崎では慢性閉塞性肺疾患対策事業に取り組みだしました。

田平町

地域連携モデル

講義後、参加者との質疑応答がありました。
保健所の方から、呼吸リハビリ事業をやっていきたいがどのように展開していけばよいかの具体的な質問があり、千住先生がアドバイスをされていました。

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また病院スタッフの方から、作業療法士はどのような役割を果たせるかとの質問があり、作業療法士は学校で呼吸リハビリについて勉強はしていないが、生活のあらゆる場面(食事・入浴など)において、どうすれば楽に、息切れせずに動けるかをアドバイスできる点において非常に役割があるとのことでした。

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■[実技]呼吸リハビリテーションの実技演習(千住秀明氏)
実技では千住先生を筆頭に、長崎大学の浅井さんと髻谷(たぶさだに)さん、西淀病院の廣野さんと田中さんが指導してくれました。

参加者から「患者さんがトイレに行くときやお風呂に入るときに息苦しさを抑える方法は」との質問があり、口すぼめ呼吸や腹式呼吸の指導から開始しました。
患者に腹式呼吸を教える時は、まず横隔膜がきちんと動いているかを打診して確認すること。また腹式呼吸や口すぼめ呼吸を教える際、こちらから「吸って」「吐いて」と言うのではなく、患者側の呼吸にこちらが合わせることが大切とのことでした。

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両方の呼吸法をやってみても息苦しいようであれば、酸素療法を行うか、入浴などの動作の前に気管支拡張剤を使用するようアドバイスがありました。
それでも息苦しい患者には、動作をゆっくりしてもらう、動作の間にこまめに休みをとる、酸素マスクをリザーバーマスクにしてあげるなどのアドバイスがありました。

続いて呼吸介助の指導がありました。参加者2~3人で1チームとなり、千住先生が見本でやった内容を、ベッドやマットを使って交代で実践していきました。

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また評価の仕方として聴診の重要性を話していました。患者の体勢によって呼吸音の大きさが違うこと、聴診器をどこに当てるか(喉の辺り、鎖骨の下の辺り、ろっ骨の辺り)によって、気管支呼吸音が聞こえる箇所と肺胞呼吸音が聞こえる箇所があり、それを聞き分けることによって評価ができるとのことでした。

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千住先生から参加者に、「介入して数十分で成果が出るのが呼吸のおもしろいところ」「逆に介入前と介入後で変わっていなければ意味がない」「数十分で満足してもらえるように仕事するのが大事」とメッセージがありました。

最後に(独法)環境再生保全機構の杉崎さんより、本日の講習で得た技術を日頃の仕事に活かしてほしいとお話がありました。

終了後の参加者アンケートでは、講習会については「COPDは2020年には死亡率3位になっているのを聞いてびっくりしました。COPDは直る時代ということ、呼吸器リハと薬物療法が第一選択であることなどなど、たくさん学べました」「COPDを早期発見することの大切さと、その後の定期検診や医療につなげることの重要性がわかり、大変勉強になりました」「長崎での事業立ち上げ等についても知ることができ、今後の事業展開に活用させて頂きたいと思います」、実技については「すぐに実践できる事ばかりで、行っていきたいと思います。」「たいへん参考になりました。また、職場でも今日学んだことを活かして、呼吸リハビリ実施していこうと思います。患者さんが「息が楽」と感じて生活できるようになっていただけたらと思います」などの感想がありました。

本事業は独立行政法人環境再生保全機構の公害健康被害予防事業の一環として実施しています。

ぜん息・COPD予防等情報発信事業に係る「COPD患者等のQOLの向上のための呼吸リハビリテーションの普及及び地域ネットワークの構築事業(大阪ブロック)」

平田

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