12/11(金)楽らく呼吸会(のざと診療所)で禁煙について勉強しました!
2015年12月11日(金)、のざと診療所で楽らく呼吸会を開催しました。今回は西淀病院から薬剤師の森脇さん、あおぞら薬局から薬剤師の各務(かかむ)さんを講師に迎え、禁煙について勉強しました。参加者は7人(内、患者さん3名(家族の方を含む)、薬剤師2名、スタッフ2名)でした。
今日は、お馴染みの参加者で体調を崩している人や入院している人があり、いつもより少人数でしたが、いろいろなお話が出て活発にやりとりができた呼吸会となりました。
最初に、それぞれ事前アンケートに記入。喫煙しているかどうか(以前喫煙していたかも含む)、周囲に喫煙者はいるか、周りの喫煙者に禁煙のアプローチをしているか、といった内容に答えました。たまたま今回は喫煙している人はいませんでしたが、ご家族に喫煙者があったり、過去に喫煙していたことのある人はいました。
前半は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)についてお話を聞きました。呼吸の役割や、肺と喉の構造を確認した後、正常な肺とCOPDの肺とを図や写真で見比べました。明らかに、COPDの気管支の断面写真は、その違いにCOPDの患者さんは、重症化してから気づくことが多いことから、早期発見・早期予防が重要になってきます。
COPDは、大気汚染だけでなく、喫煙が大きな原因になっています。というわけで、楽らく呼吸会でも勉強する機会を継続してつくっています。COPDで治療を受けている患者数は、2005年の厚生労働省統計では22.3万人ですが、それは氷山の一角で、COPDの推定患者数は500万人以上とも言われています。
次に、「ATB」の活動についてもお話を聞きました。AKBと似ていますが、ちがいます!あかん(A)・たばこ(T)・ぼくめつ(B)の頭文字を略した名称で、入院患者や職員の方に向けて、タバコの害や禁煙方法についての知識を高め、禁煙に取り組むためのアプローチや環境づくりを行うことを目的に活動しているグループです。森脇さんも各務さんも、ATBのメンバーで、小学6年生対象の喫煙防止教室や職員向け学習会の開催、吸殻拾いなどさまざまな取り組みをされています。
後半は、具体的な禁煙の取り組みについてのお話でした。大阪市は、全国の大都市の中でもトップ5に入るほど喫煙者が多いそうです。
タバコの3大有害物質は知っていますか?それぞれ、次のような症状を引き起こしてしまいます。
①ニコチン:中毒・血管収縮
②タール:強力な発がん物質
③一酸化炭素:酸素不足・息切れ
なかなかタバコをやめられない、というのは、意思が弱いからではなくて、ニコチンがとても強い依存性を持っているからです。依存症には2種類あります。
①心理的依存(習慣)…食後の一服、仕事の休息、手持無沙汰、など
→生活パターンを変えたり、喫煙のきっかけとなる環境を改善したり、喫煙の代わりに他の行動をとる(ガムをかむ、氷をなめるなど)
②身体的依存(ニコチンへの渇望)…イライラ、朝目覚めの1本の欲求、不眠など
→薬で治療できるのは、この部分です。
禁煙のための薬についての紹介もありました。
自分自身は喫煙していなくても、薬で禁煙できることを周りの人にすすめたり、ひとりひとりが禁煙を広げていくという意識が大切、というお話には、みなさんとても納得の表情。また、以前タバコを吸っていたけど薬を使って禁煙したという自分自身の経験を話したり、タバコを吸わなくなったご家族のことを話す人もあり、身近に禁煙について考える機会になりました。
のざと診療所では、毎月第一土曜日(1月除く)の13時~14時に禁煙教室を開催しているということです。ご家族や周囲に禁煙してみたいけどなかなかやめられないという人がいたら、ぜひ声をかけてみてください。
開催後のアンケートでは、3人中3人が今回の講習は【分かりやすかった】と答えています。また、3人中1人が呼吸リハビリなどの運動を【毎日している】、2人が【2・3日に一度ぐらい】していると答えています。
少しでも興味があればぜひ、各診療所に足を運んで楽らく呼吸会にご参加ください!
■次回予定 ~お問い合わせはあおぞら財団まで~
・千北診療所……1月21日(木) 14:00~15:30(禁煙について)
・姫島診療所……1月22日(金) 14:30~16:00(禁煙について)
・のざと診療所…2月12日(金) 14:00~15:30(薬について)
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進事業(NPO法人等との協働事業)」の一環として実施しています。
吉田