楽らく呼吸会でCOPD・ぜん息の治療薬について話を聞きました(のざと診療所、2/8)
2019年2月8日(金)、のざと診療所で楽らく呼吸会を開催しました。今回はあおぞら薬局から薬剤師の各務洋平さんを講師に迎え、COPDとぜん息の治療薬について勉強しました。参加者は10人でした。
楽らく呼吸会では、一年に一度、薬剤師さんを講師に迎えて、呼吸器疾患の薬についてのお話を聞いています。この会では、患者さんご自身やご家族が普段使っている薬の種類や使い方を確認しています。
最初に、楽らく呼吸ニュースを参加者に配布して、前回の「みんなで歩こう矢倉公園」を振り返り、歩くことや運動の大切さを確認した後に、各務先生からお薬について学びました。
患者さんでも意外と知らない病気のこと
最初に喘息理解度チェック問題を行いました。〇か×かで答えるだけなのですが、患者さんでも意外と全問正解の方はいませんでした。たとえば「吸入薬と飲み薬では、副作用は変わらない」という項目で回答が分かれたりしていました(正解は×です)。
参加者のみなさんは正解、不正解に一喜一憂され、不正解にはとても悔しがっていました。こうやってクイズ形式にすることで、気軽に病気について改めて確認することができますね。
効果が高い吸入薬を正しく使いましょう
COPDやぜん息などの呼吸器系の病気の治療には、吸入薬が使われます。吸入薬は内服薬に比べると少量で効果があり、不必要な全身作用も少なくてすむというメリットがあります。ですが、その一方で、正しく吸入しないと治療効果が低下してしまいます。長期間続けているうちに「自己流」になってしまうことも少なくなく、定期的に吸入方法が正しいかどうか見直すことも大切です。
吸入器には、エアゾール製剤とドライパウダー製剤の2種類があり、吸入の吸い方が異なります。エアゾールの場合は、2~3秒かけて「ゆっくり」吸い込むことが大事です(流速15L/min程度)。この「ゆっくり」というのがなかなかできていないという研究結果もあるそうです。一方、ドライパウダー製剤は「早く、強く」吸い込むことが大事です(流速30L/min程度)。
そこで、 吸入薬の体験キットを使って、きちんと吸入できているかをそれぞれ体験しました。今回もちいたドライパウダー製剤の体験キットは、きちんと吸いこめてたら音がなるというものですが、中にはなかなか鳴らすことができない患者さんもいました。今回の体験で、どのくらいの強さで吸い込めばよいのか再確認できてよかったです。
また、発作止めは我慢してから使うのではなく、発作の前触れを感じたらすみやかに使用した方がよいそうです。昔は、発作が続く状態が5年続くと気道が固くなってしまうといわれていましたが、今は研究がすすみ週に3回も発作があると気道が固くなってしまうということがわかってきました。気道が固くなると、発作がさらにおこりやすくなるため、できるだけ早い段階で発作止めを使うことが大事です。
呼吸器系の病気の患者さんは、風邪やインフルエンザを予防が大事!
呼吸器系の病気の患者さんは、風邪やインフルエンザに罹患すると、呼吸困難などの症状がさらに悪化してしまうことがあります。これを「増悪」といいますが、増悪を防ぐために、手洗いやマスクなどで予防することが大事です。今回はマスクの正しい使い方についても各務先生から教えてもらいました。マスクをせっかくつけていても、顔にきっちりフィットしていないと菌やウイルスの侵入を予防することができません。参加者のみなさんからは「そこまで注意してマスクしていなかった」、「今度から気を付けてマスクをつける」といった感想がありました。
参考:環境再生保全機構「セルフケアのためのぜん息、COPDのおもな治療薬」
次回予定~問い合わせはあおぞら財団まで~
楽らく呼吸会は、患者さん同士、日頃の病気の悩みを交流したり、時には勉強会なども開催しながら、病気と向き合っていこう、またお互いが支えあっていこうという会です。
少しでも興味があれば是非、各診療所に足を運んで、楽らく呼吸会にご参加ください!
・千北診療所……3月15日(木) 14:00~15:30(薬について)
・姫島診療所……3月16日(金) 14:30~16:30(薬について)
今までの楽らく呼吸会の様子はこちらから→楽らく呼吸会
本事業は独立行政法人環境再生保全機構「地域におけるCOPD対策推進のための人材育成・情報発信事業(NPO法人等との協働事業)実施業務」の一環として実施しています。