第6回ぜん息患者こんだん会(千北診療所 5月19日)
2011年5月19日 千北診療所 14:00-16:00
ぜん息を抱えながら苦しむ患者さん同士、日頃の病気の悩みを交流したり、時には勉強会なども開催しながら、病気と向き合っていこう、またお互いが支えあっていこうと、「ぜん息患者の救済を求める西淀川の会」がぜん息患者こんだん会を開催しています。開催日は不定期ですが、およそ2ヶ月に一度開催しています。
まず最初に環境省が行っている疫学調査「そらプロジェクト」についての結果について説明です。
そらプロジェクトとは自動車による局地的大気汚染による健康影響調査です。
調査は平成17年度から平成21年度まで行われました。
ようやく今年、その調査結果が発表されることになっています。
報道発表は24日(火)です。おそらく、新聞・テレビで報道されると思います。
結果は・・・自動車排出ガスの曝露とぜん息発症との間に関連性があることが認められました。
特に学童(小学生)と成人調査で明らかになっています。
24日の報道発表に注目してください。
この調査は 昭和63年に大気汚染による健康被害を補償する第一種指定地域解除した際に、
国会審議で「主要幹線道路沿道等の局地的汚染については、その健康影響に関する科学的知見が十分でない現状にかんがみ、調査研究を早急に推進すること」(付帯決議)とされたため、行うことになった調査です。
「早急に推進すること」となっていたのにもかかわらず、早急にされずに、
一連の大気汚染裁判の成果で改善されたNOxPM法によるディーゼル車規制のおかげで
大気が一定改善された後に調査が行われました。
大気汚染が一定改善されたのにもかかわらず、
自動車排気ガスと呼吸器疾患との関連性が認められた訳です。
昭和63(1988)年以降、ぜん息患者の方々は公害病認定されなくなり、
医療費が自己負担になっています。
ぜん息は一生付き合わなければならない病気ですが、
治療が改善されたことで、治療を受ければ一定の生活をすることができます。
しかし、治療費は年々高くなっていることもあり、
1988年以降にぜん息に罹患した人たちは苦しい思いをしているわけです。
今回のそらプロジェクトの結果で、
1988年の指定地域解除以降も大気汚染と呼吸器疾患の関係が証明されたわけです。
せめて医療費だけでも助成されれば という願いが届きやすくなったと思います。
それから、未認定の患者さんの医療費負担の多さについて話し合いました。
Yさんは在宅酸素だけで10,000円、薬は28,000円で、合計40,000円近くかかっているそうです。
話し合いの中で、確定申告で医療費が還付される制度を使っているのか?というやり取りや、
病院によって、適切に治療を受けられるかどうかが違ってくるという話、
薬が年々良くなってきている半面、薬代が年々高くなっている、
兄弟の間でも病気のことを隠しているといった悩みなどを話し合いました。
私が印象的だったのは、昔の西淀川に親戚や職場の同僚を招いたときに
「(43号線の騒音がうるさいのに)よく眠ってられるなぁ」
「水がまずい」
「川にメタンガスが発生しているのに良く住んでるなぁ」
などと言われたと語り合った後、
皆で口をそろえて「慣れって怖いなぁ」と言っていたことです。
私も、17日にスタディツアーの下見で西淀川区内をぐるぐる歩きましたが
「目が痛い」「におう」と言われても、私自身何とも感じておらず、
慣れって怖いなぁって思っていたからです。過去の話ではないと思います。
ぜん息患者さんに広く呼び掛け、情報を共有して、一刻でも早くぜん息患者さんを救済できる運動を続けていきたいと思います。
次回は7月19日(火)14:00~です。ぜひご参加ください。
(林美帆)