【書籍出版】「『公害地域再生』とは何か」(清水万由子著)
あおぞら財団理事の清水万由子先生(龍谷大学政策学部教授)が、あおぞら財団の取組みを書籍にまとめ、出版されました。
タイトルは「『公害地域再生』とは何か――大阪・西淀川「あおぞら財団」の軌跡と未来」。
あおぞら財団がこれまで蓄積してきた資料や、スタッフ・元スタッフをはじめとする関係者への丁寧なインタビューをもとに、財団の軌跡と地域再生への挑戦を掘り下げて執筆してくれました。
是非、お読みください。
『公害地域再生』とは何か――大阪・西淀川「あおぞら財団」の軌跡と未来
・清水万由子 著
・A5並製 296頁・カラー口絵4頁
・ISBN-13: 9784865784503
・刊行日: 2025/2
個人の「被害補償」の先にある、真の「地域再生」に挑んできた先駆的活動の全体像!
健康・社会・環境の全てを侵す「公害」被害の本質を見据え、公害訴訟の和解金を、「まち」そのものの再生に投入するという画期的発想から立ち上げられた「あおぞら財団」。多くの内部資料を駆使して、その軌跡を初めて詳細に描く。
本書は、大阪市西淀川区で、公害訴訟を契機に誕生した「あおぞら財団」の活動を通して、公害地域再生=「公害を起こさないまちをつくる」という挑戦が続けられてきた軌跡を描くものである。
今年で設立から30年目を迎えるその軌跡をたどりながら、激甚な公害を経験した地域がどこまで再生を遂げたのか、その到達点と残されている課題、またそれがどのようにして前進してきたかを描き、進むべき方向性を示すことが、本書のねらいである。
小さな地域の経験から、公害を起こした社会が、公害を起こさない社会へと変革する道筋――その困難さも含めて――を浮かび上がらせたい。 (本書「はじめに」より)
著者紹介
●清水万由子(しみず・まゆこ)
1980年生まれ。龍谷大学政策学部教授。
京都大学大学院地球環境学舎博士課程修了、博士(地球環境学)。長野大学博士号取得研究員、総合地球環境学研究所特任助教、龍谷大学政策学部講師、同准教授を経て、2024年4月より現職。
主な著作に、『公害の経験を未来につなぐ――教育・フォーラム・アーカイブズを通した公害資料館の挑戦』(林美帆・除本理史との共編著、ナカニシヤ出版、2023年)、Environmental Pollution and Community Rebuilding in Modern Japan (Co-edited author with Yokemoto, M., M. Hayashi and K. Fujiyoshi,Springer, 2023)、『シリーズ講座環境社会学1 なぜ公害は続くのか――潜在・散在・長期化する被害』(藤川賢・友澤悠季編、新泉社、2023年)ほか。